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イル・トロヴァトーレ・・・STAATSOPER IM SCHILLER THEATER・・・2016/7/8 [オペラ]

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MUSIKALISCHE LEITUNG Daniel Barenboim
INSZENIERUNG Philipp Stölzl

GRAF LUNA Simone Piazzola
LEONORA Anna Netrebko
MANRICO Yusif Eyvazov
AZUCENA Dolora Zajick
FERRANDO Adrian Sâmpetrean
INEZ Anna Lapkovskaja
RUIZ Florian Hoffmann
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 このところネトレプコの追っかけと化しているかもしれない[猫]です。
 昨年の新制作であるシュトルツルの『イル・トロヴァトーレ』ですが、ヴィデオクリップを見るとこれがなんとも面白そうでどうしても観たくなってしまったのでした。

 開演時間になって係りの人が舞台に登場。開口一番、キャストチェンジではありませんのでご安心ください。これには観客から笑いがもれましたが、安堵もあって当然の反応。技術的な問題があるとのことでしたが、再演とはいえ3回公演の初日、以前『ファウスト』でもありましたが、再演の初日は要注意。仮の劇場で行う困難が露呈するようで、おそらくスタッフの人たちも早くリンデンに戻れることを心待ちにしているるに違いありません 。

 序曲冒頭・・・打楽器・・・上手すぎるゾクゾク感・・・・管楽器・・・・これまた上手すぎるワクワク感。この話、そこまで上手くなくてもよいの、肝心なのは大衆的ドンチャカ感。そう思いながら聴き始めたものの,肝心のドンチャカ感もアンビルコーラスでチンドン屋のような鳴り物を思い切り鳴らしてバッチリ。
 ただアリアの後の拍手の後に微妙な間合いがあることがあり、一瞬バレンボイム先生の具合でも悪いのかとも心配になったのですが、おそらくは冒頭でアナウンスがあった技術的な問題を確認しながら進行しなくてはいけない状況だったのではないかと?

 演出は人形劇風。夜な夜なおもちゃ箱の中ではこんな大変なことが起こっているのですヨ。といった趣向にも見えて、子供に聞かせる怖い話風仕立てです。これがネトレプコやザジックといった大見得を切れる人たちが歌うと人形にみるみる熱き血潮がみなぎり、情念が溢れるのが醍醐味。
 もともとネトレプコはコメディのほうがおおらかで伸び伸びとした魅力があって良いと思ってましたが、この演出では軽いコミカルな愛らしさから重い情念まで、ネトレプコの魅力を最大限に楽しめる、正にネトレプコのための演出といったところ。
 アズチェーナの髪が赤茶でボワボワ、マンリーコの服装が全身茶色ということで、この二人が並んでいると見た目はまるでタヌキの親子であるにもかかわらず、2幕の昔話の場面ではザジックのおぞましい凄みにゾクゾク。
 ザジックの歌い方が低音で声質が変わるのが少々気になったのですが、低音が出にくくなってしまったゆえか?わざと凄みをだすために声質を変えてるのか?いずれにしてもゾクゾクさせられたのはベテランの上手さと納得。
 タイトルロールのエイヴァゾフはひたすら威勢の良さで勝負。聴かせどころの『見よ、恐ろしい炎を』は強烈な浜口方式。気合いだ!気合いだ!気合いだ!派手な恰好をしたコーラスと相まって、その威勢の良さには近くに座っていた人が思わずホッと溜息のような感嘆が漏れるほど。
 ルーナ伯爵役の人はイタリアでは既に幅広く活躍している人のようですが、見るからに若い感じの人で、慣れてないであろうドイツで、ネトレプコのようなスターとの共演は初めてではないかなといった様子。まして初演時にはドミンゴさまという大御所が歌ったのですから、その後を引き継ぐとあっては緊張しないわけはなかろうという状況であります。ネトレプコやザジックのような大見得を切れる人とつりあうようにゆっくりと歌う場面もありましたが、これからの人という印象でした。
 女性陣に比べてしまうと男性陣が物足りなさを感じてしまうのは致し方なしではあります。
 フェルランド役の人はザルツでも同役を歌っていた人ですが、脇役とはいえ歌はしっかり、舞台センスも良い感じで好演してました。

 ベルリンのトロヴァトーレは6月に観た軽量級のDOBの公演も面白かったですが、シラーの重量級のトロヴァトーレも面白くて満足でした。


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