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ナクソス島のアリアドネ・・バイエルン国立歌劇場来日公演・・東京文化会館・・2011/10/8 [オペラ]

指揮:ケント・ナガノ
演出 :ロバート・カーセン

執事長:ヨハネス・クラマ
音楽教師:マーティン・ガントナー
作曲家:アリス・クート
バッカス / テノール歌手:ロバート・ディーン・スミス
士官:ケネス・ロバーソン
舞踊教師:トーマス・ブロンデル
かつら師:ペーター・マザラン
下僕:タレク・ナズミ
ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリー
アリアドネ / プリマドンナ:アドリエンヌ・ピエチョンカ
ハルレキン:ニコライ・ボルチェフ
スカラムッチョ :ウルリヒ・レス
トルファディン:スティーヴン・ヒュームズ
ブリゲッラ:ジェフリー・ベーレンス
水の精:中村恵理
木の精:オッカ・フォン・ダメラウ
山びこ:アンナ・ヴィロフランスキー


珍しく体調を崩し、咳がひどくて横隔膜痛^^;
少しは咳も治まってきてはいるものの、公演中に咳こんだらどうしよう・・・と少々憂鬱な気分。。。
でしたが、楽しめました^^。

小編成のオケでもシュトラウスの深い味わいを出してしっかりと鳴るものなのだなーと感心、そして忘れちゃいけないバイエルンのアンサンブル歌手の実力。

中村さんをはじめ、ダメラウ、ヒュメ、ボルチェフ、レス等、劇場のアンサンブル歌手さんたちは皆ソリストとしても活躍するような実力者揃い。
女性陣の重唱は美しく、コメディ担当の男性陣の歌と演技の掛け合いは絶妙・・・かなり完成度が高く、ソリストの出来が今ひとつだと脇の彼等の方が目だってしまうような・・・・。

そのソリスト達・・・・
ピエチョンカ、クート、スミスは納得といえば納得の出来。
ただ実はこの3人他の役で過去に聴いたことがあって、その時の方がより役柄に合っていた、あるいは好調だったか?という気がしないでもなく、ちょっと微妙。
ちなみにそれぞれ聴いたことのある役はピエチョンカはバラの元帥夫人、クートは「ルクレチア・ボルジア」のオルシーニ、スミスはジークムント。

クートについてはこの作曲家の役でも、熱い思いや苛立ちなど、大変好演していたと思います。

ピエチョンカは定評のある元帥夫人の方が生き生きとしていたというのが、素直な感想。
でもこのアリアドネという役でももちろん決して非があるわけではなく、美しい発声で聴かせてくれました。

ただスミスはオケの厚い「ワルキューレ」で聴いた時のほうが声を響かせていたという印象が・・・
今回は鳴らしたといえども編成数の少ないオケなのに、声量がいっぱいいっぱいで余裕が感じられなかったのはやはり調子のせいかもしれません。

ツェルビネッタのファリーもピエチョンカと同じバラの公演でゾフィーを演じていました。
その時の印象は今ひとつ・・・・
今回もまたまたちょいと今ひとつ・・・・
声そのものに力がないというか、厚みが感じられないというか・・・
それが軽やかなコロラトゥーラで良いという意見もありそうですが・・・
でも演技では180度開脚状態で持ち上げられながらの歌唱・・・・体操選手なみでお見事!
本場のプレミエではダムラウが歌っているのですが、ダムラウではこんな演技はなかったでしょうね。
でも歌はダムラウで聴きたい・・・というのが本音。
もちろん子供のようなタダのないものねだりですヨ~~~~ン。

ガントナーは文句なし。

演出が「ローエングリン」と同様、開演前から舞台で演技が始まっているのですが、考えてみると本場で観たロイ演出の「ルクレチア・ボルジア」も開演前から舞台に出演者が出てきてました。
バイエルンでは演出家が違ってもこの手の演出が好きなようです。

カーセンの演出はオケのメンバーも出演者といった扱いで作曲家のクートがナガノに楽譜を渡したり・・・ひとひねりあっても不自然さはなく、観客席も舞台の一部かのような照明の効果も一興でした。

ということで満足な公演ではありましたが、プレミエでツェルビネッタをダムラウが歌ったということをなまじ知ってるだけに、贅沢病がちょこっと顔を出した公演でもありました。


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コメント 10

ヴァランシエンヌ

お風邪は大丈夫でしょうか?
「ローエングリン」がNHKホールということで躊躇しましたが、「アリアドネ」は東京文化会館だったんですね。
とても好きな作品なのですが、なかなか実演に当たる機会がありません^^;
いつか本場で、聴けるといいなぁ~と思います(笑)

リンク張替え、ありがとうございました。お手数をおかけしました。
ソネットのRSSは、タイトルを短く設定することができないと別の方から伺って、心苦しいですが…^^;
今後とも、宜しくお願いします。
by ヴァランシエンヌ (2011-10-14 15:22) 

kametaro07

ヴァランシエンヌさま
お気遣いいただきありがとうございます。
久しぶりに風邪をひいたら思いがけず長引いてゴホゴホしてますが(たぶん歳のせい)そろそろ治りそうです。
このところ所用でブログどころじゃないでしょ状態になっていて、ご新居にコメントをと思っていながらも伺えずにいました。

>タイトルを短く設定することができない
目だってよいではありませんか!
ヴィノさんご出演のセビリアも良かったようですね!
by kametaro07 (2011-10-14 18:11) 

Sheva

お疲れ様です!
オペラ疲れの秋、
私はまだまだ今週土曜まで続きます。
(ぶっちゃけもうええわ…)

ところでこれが言いたかったのですが、
パーペさんの若い頃、ご覧になられましたでしょうか?
26歳のザラストロ。
またハートにドキュ~ンでした…
単に若い子好き!?
by Sheva (2011-10-16 20:53) 

kametaro07

Shevaさま
お疲れ様です!
>ぶっちゃけもうええわ…
同感・・・・
なんだか体調は今ひとつになるし、忙しくなるし・・・・
グルベさまのコンサートはそれは素晴らしく、プラハも思いのほか良かったのですが、しばらく更新できそうにありませんわ。

>パーペさんの若い頃
録画してあるのですが、コメントいただいてチョロッとパーペさんのところだけ観てみました。
確かに若くて麗しいですが、26歳とは思えないほど威厳だけは既に備わっているからタダものじゃない^^。
全部通して観れるのはいつの日か?

オペラの秋、今度の土曜まで頑張ってください!

by kametaro07 (2011-10-17 18:39) 

Pilgrim

 こんにちは、「オペラの夜」です。僕も「アリアドネ」、聴いて参りました。

 確かに仰る通り、端役の充実した舞台でした。女声は主役の三人と入れ替えた方が良かったかも知れん、等と考えてしまいます。
by Pilgrim (2011-11-05 12:30) 

kametaro07

Pilgrimさま
劇場専属の歌手さん達はナガノ氏の指揮に馴染んでいて、それぞれの良さを出しきれていたようですね。
ナガノ氏はどちらかというと歌手一人一人を際立たせるというより、全体の流れを大切にするタイプのように思えますが、ゲストは馴染める人とそうでない人がいるかもしれませんね。
by kametaro07 (2011-11-07 21:27) 

サンフランシスコ人

サンフランシスコの1983年の「ナクソス島のアリアドネ」.....

http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id773.pdf

"もちろん子供のようなタダのないものねだり"のキャスト?
by サンフランシスコ人 (2019-09-25 06:47) 

kametaro07

サンフランシスコ人さま
 ドホナーニは最近2回ふられました。(ベルリンのサロメとスカラのイドメネオ)ご高齢のため今後指揮を執る機会があるかどうか?
 ないものねだりはなかなか治りそうにありません。
by kametaro07 (2019-10-07 22:44) 

サンフランシスコ人

「ピエチョンカは定評のある元帥夫人の方が生き生きとしていたというのが、素直な感想。
でもこのアリアドネという役でももちろん決して非があるわけではなく、美しい発声で聴かせてくれました....」

http://vancouversun.com/entertainment/music/qa-internationally-celebrated-canadian-soprano-adrianne-pieczonka

最新 (?) インタビュー......
by サンフランシスコ人 (2019-11-10 06:22) 

kametaro07

元帥夫人は何人か聴きましたが、未だに一番はピエチョンカです。
by kametaro07 (2019-11-10 23:56) 

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