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エレクトラ・・・Staatsoper Unter den Linden・・2019/2/3 [オペラ]

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MUSIKALISCHE LEITUNG Daniel Barenboim
INSZENIERUNG Patrice Chéreau

KLYTÄMNESTRA Waltraud Meier
ELEKTRA Ricarda MerbethSabine Hogrefe
CHRYSOTHEMIS Vida Miknevičiūtė
AEGISTH Stephan Rügamer
OREST René Pape
DER PFLEGER DES OREST Franz Mazura
DIE VERTRAUTE, DIE AUFSEHERIN Renate Behle
1. MAGD Bonita Hyman
2. MAGD Marina Prudenskaya
3. MAGD Katharina Kammerloher
4. MAGD Anna Samuil
5. MAGD Roberta Alexander
DIE SCHLEPPTRÄGERIN Marina Prudenskaya
EIN JUNGER DIENER Florian Hoffmann
EIN ALTER DIENER Olaf Bär

 タイトルロールのオリジナルはヘルリツィウスだったのが1か月前くらいにメルベートに変更。しかし当日になってみると始まる前にメルベートが具合が悪くホグレーフェが歌うとのアナウンス。
 シェロー演出のこのプロダクションはエクサンプロヴァンスで鑑賞済みで、タイトルロールが出ずっぱりの演出なのに大丈夫かと思ったのですが、最後の踊りの場面以外は違和感なく無難にこなしてました。後で調べてみるとメトでも代役として同演出で歌ったことがある人と判明。ただ踊りが終始緩慢だったのは、ヘルリツィウスの緩急交えた熱く激しい踊りによって高揚感が最高潮になったのと比べると肩透かしといった感は否めず。メトでもここでも演技指導はあったはずなので、あのヘルリツィウスの踊りは彼女だからこそということなのか、演出家が故人となった今、演技指導は型通りということもあるかもしれません。
 結局、最も印象に残ったのはオレストとエレクトラの再会の場面。声のトーンを変え、語りかけるように歌うパーペの上手さは贔屓目ではなく際立ちました。マイヤーさまもさすがと思わせる面もありましたが、年月には逆らえないと思うところもあり。クリソテミス役の人が細くて華奢なのによく通る声で好演でした。
 
 演出はセットの雰囲気からして夏のエクサンプロヴァンスが合っているものですが、舞台の広さもしかり。ここの舞台がいつになく狭く見えて閉塞感がなきにしもあらずでした。

 演奏はワーグナーを聴いているようなゾクゾク感を感じることしばしば。いつもここでワーグナーを聴いているせいかとも一瞬思いましたが、ワーグナーの影響が色濃く表れた時代の作品です。それを強く感じた演奏でした。

 席はオケピを覗けるサイドの席。改修後に何回かこの位置に座った時と同様、こういった席では音響改善は演奏ほど歌手にはプラスに働かず、演奏の方が勝ってしまうことしばしば。しかし、この後4月に行ったときは同じような位置の席だったのに、そんなことは全く気にならず、歌手の声が演奏に埋没することはありませんでした。気づくとオケピの上方に下の写真のような反響版が設けられてました。この2月に訪れたときにはなかったように思うのですが、いつから装備されたのでしょう?
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セルセ・・・Oper Frankfurt・・・2019/2/2 [オペラ]

 この時期に遠征したのはベルリンフィルデビューが決まっているカリディスが指揮を執るこの公演が気になったからです。
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Musikalische Leitung Constantinos Carydis
Regie Tilmann Köhler

Xerxes Zanda Švēde
Arsamene Lawrence Zazzo
Romilda Louise Alder
Atalanta Elizabeth Sutphen
Amastre Katharina Magiera
Ariodate Božidar Smiljanić
Elviro Thomas Faulkner

Frankfurter Opern- und Museumsorchester
Vokalensemble
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 様式だけにとらわれず、劇としての信憑性と面白さも追求していた公演でした。
 
 しっとりと聴かせるアリアでは歌手はほとんど動くことなくゆっくりと歌ったのに対し、歌い方も演技も感情を露わに激しく表現する時があり、おのずとテンポが変化したのですが、演出と合って自然な流れでした。 
 ある歌手のインタビュー記事でカリディスは歌い方を細かく指示する指揮者だったと読んだことがあります。ドイツでは指揮者が歌い方を指示することは伝統的とはいえ、イタリアもの、しかも古楽を主としている歌手の人達にとってはどうなのだろうと思いながらの鑑賞でしたが、素人に指揮者の指示の有無を判断できるわけがありません。歌手の人達はテンポの変化も激しい演技もなんら苦も無く歌い演じていて、再演の最後の公演ということもあり、オケの演奏も含めて完成度の高い公演でした。
 途中カスタネットやタンバリンの周囲のシンバルを鳴らしたような音がしたのは今までこの作品で聴いたことがなく、そんな新鮮さとアグレッシブともいえる音楽づくりは同じギリシャ出身のクレンツィスに少し似ているような気もしました。

 オケピの周囲に歌手が通れる通路を設け、舞台の奥行が狭い歌手に優しいセット、時代は現代に設定した演出でした。幕や壁の背後でも演じることがあり、それをカメラで撮影しながら幕や壁に映し出すという手法はシンプルな舞台には効果的に思えました。

 カーテンコールは賞賛に溢れ、歌手の人達の満足気な笑顔が印象的でした。

 
 
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ニュルンベルクのマイスタージンガー・・Staatsoper Unter den Linden・・2019/4/14 [オペラ]

 フォークト半端ない。フォークト神ってる。
 フォークトについては今までも不思議くんだのユニコーンだの超サイヤ人などさんざん普通でない表現を使ってきたので、何を今更という感がなきにしもあらず。しかし、前日ザルツブルクで同役を歌ったのにもかかわらず、代役として歌ったこの日もトップフォームと言って良いほどで、やはり半端ない、神ってる、と書かずにはおれません。この役は少々調子悪いくらいのほうが緊張感に信憑性がでて良いかもなどと書いたこともありましたが、我ながら笑止千万。単なる世迷言でしかなかったと思い知らされたのでした。
 尚、シャーガーが神った『ダフネ』からフォークトが神った『マイスタージンガー』までの間八公演鑑賞してますが、神ったついでで先にこの公演をアップ。他は気が向いたら書くこととします。
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MUSIKALISCHE LEITUNG Daniel Barenboim
INSZENIERUNG Andrea Moses

HANS SACHS Wolfgang Koch
VEIT POGNER Matti Salminen
EVA Julia Kleiter
WALTHER VON STOLZING Klaus Florian Vogt
DAVID Siyabonga Maqungo
MAGDALENE Katharina Kammerloher
KUNZ VOGELGESANG Graham Clark
KONRAD NACHTIGALL Adam Kutny
SIXTUS BECKMESSER Martin Gantner
FRITZ KOTHNER Jürgen Linn
BALTHASAR ZORN Siegfried Jerusalem
ULRICH EISSLINGER Reiner Goldberg
AUGUSTIN MOSER Florian Hoffmann
HERMANN ORTEL Arttu Kataja
HANS SCHWARZ Franz Mazura
HANS FOLTZ Olaf Bär
NACHTWÄCHTER Erik Rosenius
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 舞台上は始まる前から一人、二人と人が集まり始め、その中に往年の名歌手達の姿が現れると隣のおじさんはイェルサレム、クラーク、マツーラ、ゴルトベルクなど指さしながらワクワク。生粋のワグネリアンでした。すると舞台にマイクを持った人も登場。ベルリンは真冬の寒さだったのでキャスト変更があるだろうとは予想してましたが、ユンとクレンツレが降板。サルミネンとガントナーが代役とあって往年の名歌手度アップ。さらに・・・隣のおじさん「今ヴォーグトが歌うって言った?」「はい。フォークトです。」おじさん頭をかかえて「ヴォーグト?本当にヴォーグトが歌うの?」「ハイ!ヴォーグトです!」ドイツの人ではなかったのでヴォーグトと言ったほうがピンとくるらしく、始まる前からおじさんは昇天するのではないかと思うほど大興奮。いや、おじさんだけでなく、会場全体が始まる前から熱気に包まれ、公演は観客の興奮と期待そのままに、素晴らしい現在進行形の『マイスタージンガー』となりました。
 フォークトは元ゼンパーのアンサブルなので、今回SKDとSKBの公演が同時期になってしまったことでSKDの公演を優先せざるをえなかったのは仕方のないところ。しかし、この公演も初演時に出演したとあって、できることなら出演したいと思っていたに違いありません。カーテンコールでの晴れやかで満足気な笑顔がそれを物語っていました。初演時から三年以上経過しているにもかかわらず、演出はしっかりと身に沁みついているといったところで公演に溶け込み、コッホとのやり取りなどは自然すぎてアドリブでやっているかとも思えた場面もあり。歌合戦での『朝はバラ色に輝いて』は往年の名歌手の人達も聞きほれているようでしたが、個人的に最も素敵だと思ったのはエファに向かって歌ったとき。エファ役のクライターもこの演出では一段と活き活きと輝いて美しく、印象的な名場面でした。
 フォークトだけでなく、コッホとクライターも初演時より演出に対する熟練度が進んでいるように思われ、この三人によって初演時より進化した印象の公演となったのですが、さらにエンディングの演出を変えていたことも進化したと思えた要因です。初演時は古い伝統に縛られることなく未来志向といったコンセプトで、往年の名歌手の人達に疎外感が残るものだったのに対し、今回は往年の名歌手の人達も一緒にみんなで青空を眺めるという最後で、古い伝統を大切にしながらも未来志向というコンセプトだったのはより現実的で一体感のある気持ちよいものでした。
 更には新しい才能が加わっていたのも魅力。ダフィット役は発表時は初演時に歌ったリューガマーだったと記憶してますが、リューガマーはフェスのもう一つの演目で主役を歌うことになっていて負担を考えるとバレンボイム先生は他に適役を探していたに違いありません。Siyabonga Maqungoは1989年生まれの南アフリカ人。ボータの後輩です。2018/19シーズンからケムニッツのアンサンブルですが、その前にマイニンゲンで数年間アンサンブルメンバーだったとのこと。小太り体型がなんとも憎めない素朴な雰囲気で、芯のある若々しく張りのある声で好演。バレンボイム先生の指導もあったでしょうが、既にドイツでキャリアを積んでいることもあってか歌い方も自然で、カーテンコールでは他のメインキャスト同様、盛大に称賛されてました。キャスト変更によって往年の名歌手度がアップしたことで、テレ朝の『やすらぎの郷』状態になってもおかしくないところを、グっと未来志向という演出に引き寄せる力を発揮した存在で、この機会は彼自身にとっても大きなステップアップとなったに違いありません。
 バレンボイム指揮の演奏は全体を通していうと、やや速めという印象。キャスト変更もあったのでテンポの変化は歌手に寄り添い、登場人物の心情に合わせた自然な流れでした。2幕最後の殴り合いの場は快速特急でしたが、さすが長年寄り添っているオケとあってよくついていって、その活力溢れるさまは痛快でした。

 尚、マツーラは御歳95になったとのこと。来シーズンの再演はありませんが、近い将来再演があることを願い、元気なお姿でご出演いただきたいものです。

 今回三公演あったうち、フォークトが歌ったのはこの公演のみ。初演時からのメインキャスト、コッホ、フォークト、クライターのうち一人でも欠けたらここまで充実した公演になったかは分かりません。この公演に接することができたことは幸運というほかなく、これで運を使い果たし、やがて不運もやってくるとまで覚悟してしまいました。そしてすぐにその時は訪れ、帰国便の機内で悪寒がすると思っていたら帰国したときにはフラフラで鬼の霍乱状態。発熱で一週間ほどダウンしてました。それでもこの程度で済んだとしたらまだまだ幸運です。
 
 
 
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