ラインの黄金・・Finnish National Opera ・・2019/9/10 [オペラ]

快晴のヘルシンキ
サロネンの初リングとあって観ることにしたものの、ベルリンリングの間というのはいかがなものか。この公演はフィンランド人によるフィンランド人のためのリングなので、ドイツ語圏のリングとは異なると予想しなくてはいけません。ドイツ語圏以外の国となると伴奏のような演奏にイタリアオペラ風の歌。それでも期待値を下げて臨めば予想より良かったと思えるかもしれませんが、直近で本場のワーグナーを聴いてしまうと期待値を下げようにもそうは上手く対応できず。これを見てからベルリンへ行ったほうがよいのは分かっていても日本を離れるのはなるべく短期間にしたいという思惑もあり。しかし、予想しながらその通りだったら自己嫌悪に陥りそうと思いながら臨みました。
CONDUCTOR Esa-Pekka Salonen
DIRECTOR Anna Kelo
WOTAN Tommi Hakala
FRICKA Lilli Paasikivi
LOGE Tuomas Katajala
FREIA Reetta Haavisto
DONNER Tuomas Pursio
FROH Markus Nykänen
ALBERICH Jukka Rasilainen
MIME Dan Karlström
FAFNER Jyrki Korhonen
FASOLT Koit Soasepp
ERDA Sari Nordqvist
WOGLINDE Marjukka Tepponen
WELLGUNDE Mari Palo
FLOSSHILDE Jeni Packalen

結果予想通り。
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鑑賞しながらここはドイツじゃないからと何回も念じてしまいました。なにせラインの黄金から神々の黄昏どころか神々ほぼ全滅。どういうことかというとワーグナー歌いとは言い難かったということ。歌い方や役作りといった面でドイツでも通用するワーグナー歌いはアルベリヒとミーメくらい。あとは演技のなかった巨人とエルダがいけるかもしれないという程度。後でキャストを確認したところ、アルベリヒはベテランのラジライネン、ミーメ役の人もライプツィヒで活躍する人と分かりました。
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オケは決して下手ではなく、耳に心地よい演奏で、冒頭部分は凄く良かったし、序盤それほど鳴らしてなかったので巨人族登場場面はハグリッド並みの巨人は想像できたので
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それでもベルリンに帰ってから臨席のドイツ人に演奏は綺麗だったけど物語を語らないし、歌はイタリアオペラみたいだったとグチってしまったところ、ワーグナーを歌うのはものすごく難しいんだよと諭されてしまいました。結局、
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演出は照明を上手く使っていたので良く言えばファンタジック。ただ神々の衣装と演技が見事なまでに不自然。初演なのだから演出家が演技指導するのが普通だと思うのですが、ツメが甘すぎてコメディかとツッコミを入れたくなるような場面もあり、ほとんど学芸会でした。
それでもフィンランドの人達にとっては待望のフィンランド人によるリングということなのでしょう。カーテンコールは称賛に溢れてました。
最も違和感があったのは某サイトで目にした評論。この公演に最高の5つ星がついていたのはいくらなんでもトンチンカン。(これもアンポンタンからトンチンカン呼ばわりされても、あるいはその逆でもどうということはないでしょう。)一方同サイトで今回のベルリンリングはR3、W5、S4、G4。ちなみに2018年のゼンパーリングはR3,W3,S4,G3,2015年のバイエルンリングがR3,W5、S3,G4。つまりバレンボイム、ティーレマン、ペトレンコのラインの黄金は仲良く★3つしかもらえてないということ。もちろん筆者が違うので単純に比較はできません。おそらくドイツのリングは生粋のワグネリアンの評価で、ヘルシンキはワーグナーに興味のないサロネン信奉者でしょう。これが全くの素人が書いた感想だったらそれでも違和感を持つことはないのですが、評論家や音楽関係者だとしたら。。。
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2019-10-08 20:54
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