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セビリャの理髪師・・・銀座ブロッサムホール [映画]

セビリャの理髪師 / ジョアッキーノ・ロッシーニ

演出 ジャン=ピエール・ポネル
指揮 クラウディオ・アバド
演奏 ミラノ・スカラ座管弦楽団
合唱 ミラノ・スカラ座合唱団

フィガロ・・・ヘルマン・プライ
アルマヴィーヴァ伯爵 ・・・ルイジ・アルヴァ
ロジーナ・・・テレサ・ベルガンサ
バルトロ・・・エンツォ・ダーラ
バジーリオ ・・・パオロ・モンタルソロ

この映画については昨年から観たいと思っていて、いつ上映されるかもわからなかったのでDVDを購入しました。
ところが購入してしまうといつでも観れると思ってしまって、まだ観てないのですが・・・^^;
気がつくと楽画会主催で映画上映が・・・そこで友人と観てきました。

1972年制作ということで、当然ながらアバドが若い!
スカラの演奏はオペラ・ブッファの軽快な流れの中に優雅さもあるように思いました。

友人は普段オペラ鑑賞する機会はほとんどないのですが「アバドが若いから38年前の作品だと分かるけど、今観ても古い気がしないで楽しめるから凄い」・・・と言ってました。
フィルムの画質、音質は今のものとは比べ物にならないですが、良いものは良いですね。

当時の超一流歌手ばかり集めた映画ですから歌が素晴らしいのは当たり前ですが、全員の声のバランスが良く、重唱の美しさは抜群、なおかつ演技も上手でそれぞれのキャラがおもしろすぎるほどハマッてます。
これまた友人曰く「俳優さんでも充分通用しそうな人ばかり」

アルマヴィーヴァの最後のアリアはカットヴァージョン、アルヴァの声はフローレスより柔らかいのですが、とっても良い声なので聴いてみたかったものです。
これは逆に、歌うのが当たり前というフローレスがいかに特別か・・・ということでしょうか。

モンテルソロは「フィガロの結婚」「コシ・ファン・トゥッテ」にも出演していますが、それぞれ良い意味で別人、凄くいい味だしてます。

楽画会では今年も年末にオペラ映画・フェスティバルを開催しますが、今年は「プラシド・ドミンゴ in Films」です。
http://gakugakai.com/operafesta2010/operafes_index.htm
その他にも「ラ・ボエーム」「コシ・ファン・トゥッテ」等が上映予定。
楽画会ホームページhttp://gakugakai.com/index.htm

フィガロの結婚・・・・東京都写真美術館ホール [映画]

アルマヴィーヴァ伯爵・・・D・フィッシャー=ディースカウ
伯爵夫人・・・・・キリ・テ・カナワ
フィガロ・・・・・・・ヘルマン・プライ
スザンナ・・・・・・ミレッラ・フレーニ
ケルビーノ・・・・マリア・ユーイング
マルチェリーナ・・・ヘザー・ベッグ
バルトロ・・・・・・パオロ・モンタルソロ
バジーリオ・・・・ヨーン・ファン・ケステレン

作曲:W.A.モーツァルト
台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ

監督:ジャン=ピエール・ポネル
指揮:カール・ベーム
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
チェンバロ:フィリップ・アイゼンバーグ
1975/ドイツ映画/イタリア語/カラー/ステレオ/スタンダード/182分/途中休憩あり/提供:ユニテル/配給:T&Kテレフィルム

オペラ映画フェスティバル2009~モーツァルト四大オペラ~

カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏と豪華キャストということで今回もすごく楽しめました。
ただ今回は音声の残響が少々気になりました。上映時の音声調節の問題でしょう。

この作品の特徴は自分の内心を歌っているときは口パクをしないところです。
その間出演者のアップになることが多いのですが、みんな表情の演技がすごく上手なので歌手というより俳優さんといったところ、それぞれの出演者が役のイメージにピッタリの声、容姿、演技です。
当時それぞれの役で絶賛される世界的歌手が登場という説明がパンフレットに記載されてますが納得、重唱も素晴らしいものです。

出演者の人達は現在どうなさってるのでしょう?
ヘルマン・プライは10年くらい前にお亡くなりになったそうです。
キリ・テ・カナワは2月、METの「連隊の娘」で歌わない公爵夫人の役で舞台に立つ予定ですが、何ヶ月か前、引退声明を発表した記憶があります。
ミレッラ・フレーニ は後進の指導者として活躍なさっているようです。
マリア・ユーイングは現在のことは分かりませんが、1990年代、ROHの「サロメ」で踊りながら一枚、一枚と脱ぎ捨て、ぜーーーんぶ取っちゃった・・・・そこまでする?だったとか^^;恐れ入りましたのプロ根性ですね。

これからも往年の名歌手を聴くために、映画も楽しみにしたいと思います^^。

コシ・ファン・トゥッテ・・・東京都写真美術館ホール [映画]

監督:ジャン=ピエール・ポネル
指揮:ニコラウス・アーノンクール
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

出演
 フィオルディリージ・・・エディタ・グルベローヴァ
 ドラベッラ・・・・・・・・・・デローレス・ジーグラー
 フェルランド・・・・・・・・ルイス・リマ
 グリエルモ・・・・・・・・・フェルッチョ・フルラネット
 デスピーナ・・・・・・・・テレサ・ストラータス
 ドン・アルフォンソ・・・パオロ・モンタルソロ

1988年/ドイツ映画/イタリア語/カラー/ステレオ/スタンダード/176分/提供:ユニテル/配給:T&Kテレフィルム

オペラ映画フェスティバル2009~モーツァルト四大オペラ~

若き日のグルベローヴァ、フルラネットを聴いてみたくて行ってきました。

グルベローヴァのかわいらしいこと!!!もちろん映画の説明に書いてあるとおり、コロラトゥーラの女王として面目躍如たる活躍です。
最近のグルベローヴァはやや陰りが見られるようになったと言う方もいますが、[猫]がこの1年で聴いた「ノルマ」「ルクレチア・ボルジア」では陰りって?どこが?としか思いませんでした。
映画の音声ですから、なんとも言えない部分はありますが、この映画1988年当時の方が多少軽い感じはします。
でも20年以上経った今でもコロラトゥーラの素晴らしさはこの頃とほとんど変わらないのですから・・・・・ひたすら尊敬!!!です。

フルラネットがやたらカッコイイ・・・映画俳優のようなイケメンです・・・今年7月にROHで見たバジリオ・フランケンシュタインヴァージョンとは全く別人^^;
声は今よりだいぶ軽い感じがしました。

他の4人の出演者ジーグラー、リマ、ストラータス、モンタルソロも当時の一流のモーツァルトを得意とする歌手揃いということで、一人一人の歌唱も聴き応えがあります。
なにより素晴らしいのは「コシ」ならではの重唱です。
ジーグラー、リマ、ストラータス、モンタルソロは今はオペラ活動を引退したようですから、こういった映画で聴くことができるのはうれしいかぎりです。

ポネルの演出も洒落たものですが、撮影は全てスタジオ内のセットのようでした。
その為、「ドン・ジョバンニ」のような映像美とはいきませんが、出演者全員の名演でモーツァルト独特の荒唐無稽なおもしろさを味わえる映画となってます。
制作費等の関係でスタジオ内での撮影なのかもしれませんね。

アーノンクール指揮ウィーンフィルの演奏の素晴らしさは言及するまでもないでしょう。


オペラ映画フェスティバル2009~モーツァルト四大オペラ~は12月27日までです。
http://gakugakai.com/operafesta2009/09festa_index.html
入場は開演時間の20分前です。
それより前に行った場合は受付で整理番号をもらいます。
前売り券の方が当日券より早い番号をもらえます。
当日券の人は前売り券の人より早く行っても後の番号しかもらえません。
開演20分前になると10番単位で番号を呼ばれますので、順番に入場するシステムです。

それほど大きなホールではないのでどの席でも見やすいと思いますが、席にこだわる方は前売り券で早めに行かれることをお勧めします。

ドン・ジョヴァンニ・・・銀座ブロッサムホール [映画]

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
監督:ジョセフ・ロージー
演奏:パリ「・オペラ座管弦楽団
合唱:パリ「・オペラ座合唱団
指揮:ロリン・マゼール

ドン・ジョヴァンニ‥‥‥ルッジェーロ・ライモンディ
レポレッロ‥‥‥ホセ・ファン・ダム
ドンナ・アンナ‥‥‥エッダ・モーザー
ドンナ・エルヴィラ‥‥‥キリ・テ・カナワ
ツェルリーナ‥‥‥テレサ・ベルガンサ
マゼット‥‥‥マルコム・キング
騎士長‥‥ジョン・マカーティ
ドン・オッターヴィオ‥‥ケネス・リーゲル

1978年製作/フランス映画/フランス語版(日本語字幕スーパー)

北イタリアを舞台とした美しい映像、マゼール指揮の演奏、一流歌手陣の歌唱・・・・・
キャビア、フォアグラ、トリュフ・・世界三大珍味を一度に食してしまった・・そんな贅沢三昧な映画です。

この映画の製作にあたっての裏話、詳細はkeyakiさんのブログで紹介されてます。
http://keyaki.blog.so-net.ne.jp/archive/c15376206-1

制作にあたってレチタティーヴォの部分だけ現場で撮影、録音だそうですが、ライモンディを筆頭とした歌手陣のレチタティーヴォの巧みさで臨場感抜群。なおかつ歌唱は別録音ですから非があるはずもなく、アップで歌っている場面も全く別録音の違和感はありません。
演技もオペラ歌手というより映画俳優のようにそれぞれがハマリ役で実にイイ演技です
背景には北イタリアの自然とラ・ロトンダ、バジリカ、オリンピコ宮殿、ヴェニスのレデントーレ教会、ファンツァーロにあるエモ館、カルドーニョ館等が使われる中でのオペラといったところですから、映画でしか味わうことのできない贅沢極まりないものです。

感想を書くといっても素晴らしいの一言で終わってしまうのですが、それぞれがハマリ役と感じた理由など書くことにします。

ルッジェーロ・ライモンディ
背が高く実に立ち姿が美しい!黒衣に黒いブーツ姿などはその足の細さと長さが際立ちます。
全身アイボリーの衣装で大きな麦わら帽子の姿はいかにもドン・ファンといったところで更に印象が強く、この格好で様になる人が他にいるでしょうか?
パーペもそうですが、ドン・ジョヴァンニとレポレッロを両方こなす人は結構います。しかしライモンディはレポレッロを演じる機会はなかったそうです。
理由は簡単なことだと思いました。ライモンディがレポレッロを演じたらいったい誰がドン・ジョヴァンニを?ということになるからです。舞台でライモンディより見栄えがする人でなくてはいけません。レポレッロの方がドン・ジョヴァンニより格好よくては説得力がありません。
そして目力、特に最後、騎士長の霊と対決する場面の目の演技力はゾクっとさせられます。

ホセ・ファン・ダム
なんともトボケタ感じのする人です。人の良さそうな表情と演技でイイ味だしてます。
喜劇としての中心人物です。
1月にモンテカルロの「ホフマン物語」でパーペに代わって4悪役を演じることになりましたが、この映画では悪の要素を全く感じることができません。
もちろんモンテカルロの4悪役ではベテランの素晴らしいパフォーマンスを披露してくれるでしょう。

エッダ・モーザー
品格のある美人。
父を殺された無念とドン・ジョヴァンニに対する思いとが複雑に交錯する表情が見事。

キリ・テ・カナワ
[猫]のような音楽無知でも昔からこの方の名前は知っていました。
ソフィア・ローレンに少し似ていると思うのですが・・・・タカビーで気の強いドンナ・エルヴィラ役にはピッタリ。

テレサ・ベルガンサ
この映画がツェルリーナ役初挑戦だそうですが、嫌よ嫌よも好きのうち?といった天真爛漫な村娘を演じきってると思います。

マルコム・キング
いかにも単純な田舎の青年。すぐ騙されちゃうタイプに見えました。

ジョン・マカーティ
すぐ殺されちゃう役で最後は石像ですが・・・雨の中負傷して死に行く無念の演技が見どころ。

ケネス・リーゲル
誠実だけが取り柄といった感じ、生真面目を絵に書いたように見えました。

ドン・ジョヴァンニとレポレッロが入れ替わってみんなを騙す場面ではよくできた仮面を片手に持っての演技です。こんなもので騙せるわけないだろうが・・・・ですが、まぁ電気などない時代の暗闇での出来事・・・と、そこは想像力を働かせて見なくてはいけません。

また、映画ならではの演出ですが、一言のセリフもなく歌うこともない登場人物で、すごく気になる存在のドン・ジョヴァンニの従者がいます。
演じているのはイザベル・アジャーニの弟、エリック・アジャーニ。
監督ロージーは「ドン・ジョヴァンニが使用人の女に産ませた私生児なのかもしれないと考えている」とインタビューで語っているとのことですが、監督ロージーと共に脚本作りをしたフランツ・サリエリが作り出した登場人物だそうです。
ドン・ジョヴァンニのコピーのように似た雰囲気で二人共左の額の同じ場所にホクロがあります。
このホクロの意味が何かありそうですが・・・・???
最後はこの従者が屋敷の扉を閉める場面で終わりますが、こういったドン・ファン物語はこれからも続く・・・・とも取れて意味深です。

ただ画質は1978年制作ということでHDに慣れてしまった目で見ると、一瞬自分の目が悪くなったかと思う映像です。実際このところ目がどんどん悪くなっている為、また目が悪くなったと一瞬愕然としてしまいましたが、すぐに慣れました。逆に言うと、HD画像がいかに鮮明jかが判りました。

この「ドン・ジョヴァンニ」12月5日から27日までオペラ映画フェスティヴァル~モーツァルト四大オペラ~、恵比寿ガーデンプレイス内、東京都写真美術館ホールで上映されます。
この「ドン・ジョヴァンニ」の他にも「フィガロの結婚」「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」が上映されます。

[猫]は若き日のグルベローヴァとフルラネットが出演する「コシ・ファン・トゥッテ」も見たいかなー。


「THE AUDITION~メトロポリタン歌劇場への扉」 [映画]

 METライブビューイングを見に行くたび、あれだけ宣伝を見せられれば、行かなくてはいけない気にもなります。
そこで昨日見てきました。

 アメリカという国は大きな国、人材豊富だなーということをつくづく感じました。
 
 決勝に残った人達は歌唱、性格、それぞれの人間模様ではありますが、[猫]がイイナと思ったのはライアン・スミス君、初めは不安定な印象でしたが、練習で唄うたびに変わっていく・・・・本番では感情表現あふれる歌唱です。若さの為か真摯さ、ひたむきさがストイックすぎる印象のファビアーノ君、女性ではワグナーさんもイイカナ?とも見ていました。
 最終審査の発表でワグナーさん、スミス君は早めに呼ばれたのですが、ファビアーノ君は・・・・これだけマジメすぎる人が入賞できなかったらどうなってしまうんだろう??と心配してしまいましたが、最後に名前を呼ばれて何より!!

 この決勝に残った人達の1年後の活躍について説明があり、落選した人達を含め、皆着実に実績をつんでいて晴れ晴れとした気持になりました・・・・・・が・・・・・・最後の最後・・・・・・切なすぎます[もうやだ~(悲しい顔)]

 観客からも驚きの声・・皆しばらく席を立てず・・・・劇場外へ出てもその話題で皆肩を落としていました。

 [猫]も虚脱感に襲われて、このブログもすぐ書く気になれませんでした。
 いつか劇場で聴く機会があるだろうと思っていたのに・・・残念です。