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チェネレントラ・・・Wiener Staatsoper・・・2015/9/19 [オペラ]

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Michael Güttler | Dirigent
Sven-Eric Bechtolf | Regie

Benjamin Bruns | Don Ramiro
Gabriel Bermúdez | Dandini
Pietro Spagnoli | Don Magnifico
Margarita Gritskova | Angelina
Marco Vinco | Alidoro
Hila Fahima | Clorinda
Juliette Mars | Tisb
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 ギュットラー指揮の『チェネレントラ』というと、シャンゼリゼ劇場で鑑賞した公演を思い出します。その公演は古楽器の演奏だったのですが、そんなことも分かっておらず、ちょうどウィーンで鑑賞後で、シャンゼリゼの音響がデッドなせいもあり、ヘボい音などと暴言を吐いてしまったのでした。それでも音にはすぐ慣れ、すごく良い公演で、最高に面白かった『チェネレントラ』でした。

 今回も指揮はギュットラー、同じ公演に出演していたスパニョリも一緒です。
オケピはガラガラにもかかわらず、席の位置がバルコンサイドだったために、オケ強すぎじゃない?などと一瞬思ったものの、その上質な演奏の心地よさといったら最高!
コーラスの人たちが女装など、おもしろい恰好して足踏みをしながら歌う場面があったのですが、その足音まできれいに揃っていて、おもしろさの中にもあくまで上質を追及する心意気に感心しつつ、口元が自然とほころんでました。

 ラミーロはイタリアの自動車メーカーの若旦那で、ダンディーニに元で修行中といった設定。

 歌手はマニフィコ役のスパニョリとアリドー役のヴィンコ以外はウィーンのアンサンブルメンバー。
 スパニョリのマニフィコは今回も最高。考えてみるとキャストの中で唯一のイタリア人。歌はもちろん、2枚目が意地悪父さんを演じるときはかくあらんというお手本のような渋い面白さ。

 驚いたのはラミーロ役のベンジャミン・ブルンス・・・どこかで聞いたことがあると思って、ご一緒した人にふともらすと、バイロイトのオランダ人で舵取り役だったとのこと。確かにその時もよいパフォーマンスでしたが、ロッシーニでこれほど魅力を放つとまで想像してませんでした。アジリタは少々粗さがありながらも、高音をパーンと決めてくれて爽快感抜群。芯の太い声ですが、固すぎず、親しみやすい暖かさとまろやかさがあるのも大きな魅力。一生懸命ダンディーニの元で修行するボンボンを若さ溢れる演技で好演してました。

 アンジェリーナ役は遠目で観ているとオードリー・ヘップバーンのようにスマートな美人。高音の発声が少々強引で、そこまで頑張らなくても聞こえるのに・・・というのが気にはなったのですが、それ以外は文句なく、お茶目で素敵なアンジェリーナでした。

 ダンディーニ役のバミューデスが低めのバリトンで、縞のスーツ姿なのがマフィアっぽい雰囲気。この凄みがトボけた演技と重なって独特の面白さを出すことに成功してました。

 ウィーンはSKBのコンサートと『ホヴァンシチナ』を目的に立ち寄ったのですが、これも鑑賞できたのは幸運だったと思えた公演でした。

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