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フィガロの結婚・・ウィーン国立歌劇場日本公演・・神奈川県民ホール・・2012/10/28 [オペラ]

指揮:ペーター・シュナイダー
演出・美術:ジャン=ピエール・ポネル

アルマヴィーヴァ伯爵:カルロス・アルバレス
伯爵夫人:バルバラ・フリットリ
スザンナ :アニタ・ハルティッヒ
フィガロ :アーウィン・シュロット
ケルビーノ:マルガリータ・グリシュコヴァ
マルチェリーナ:ドンナ・エレン
バジリオ:ミヒャエル・ロイダー
ドン・クルツィオ:ペーター・イェロシッツ
バルトロ:イル・ホン
アントニオ:ハンス・ペーター・カンメラー
バルバリーナ:ヴァレンティーナ・ナフォルニータ
村娘:カリン・ヴィーザー

ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団


すっかり冷めているので、行くのも面倒でしたが、無駄にすることはなかろう・・・・
と行ってきました。

県民ホールのオケピットはこんなに広かったのかと思ってしまうほど、ピット内はガラガラ。
両サイドに大きな空間があって、全体の半分とはいいませんが、3分の1ほどは空っぽ・・・・
編成が少なく見えましたが、充分すぎるほど鳴るオケの音色はさすがウィーン・・・でした。

演出はあーったり前のあーったり前・・・
でも出演者が生き生きとしていて、古臭さを感じることもなく『フィガロの結婚』の世界を楽しむことができました。

出演者が生き生きとしていたのも指揮のペーターシュナイダーの老練ともいえる巧の技、
ゆっくりめのテンポをベースに、歌手に余裕を持たせながら、適切なテンポの変化やアクセントで作品に息吹を吹き込んでました。

伯爵夫人のアリアはゆっくりと・・・だったわけですが、ゆっくりと歌える人はゆっくりと歌ったほうが良いですね。
ただフリットリにしては珍しく声のコントロールに苦労している様子が垣間見えたのですが、ベテランといえども好不調があるのは仕方ないことでしょう。
ただいつもどの役を歌っても、エリザベッタならエリザベッタ、ミミならミミになる人で、今回もまさに伯爵夫人でありました。
声のコントロールに苦労はしても、作品に溶け込み、役柄の感情を表現できるとでもいいましょうか・・・。
他の出演者を聴きながら、そして動きを見ながら自然に演じ、歌う・・・
重唱でも常に美しく溶け込むので魅了させられるのだと思います。

もちろん声の質によって相性があり、重唱が今ひとつという時もあるのですが、今回は出演者全員の声の相性も良く、重唱が美しかった。

今回一番聴くのが楽しみだったのはアルヴァレスで、メトの『アッティラ』、ウィーンの『仮面舞踏会』とキャンセルで聴けなかった人をようやく聴くことができました。
実に上手い!品のある歌声もさることながら、演技がさりげなくてハマリすぎ。
存在感抜群で公演のキーパーソンだったと言ってよいでしょう。

フィガロのシュロットはミュンヘンでエスカミーリョを聴いて以来なので、聴くのは3年ぶり。
素朴とも粗野ともいえる声が役柄にピッタリ、ちょっと斜に構えた雰囲気が様になってました。

全くノーマークだったのですが、目立っていたのはケルビーノ役のグリシュコヴァ。
声が伸びやかによく響いたのと同時に、ビブラートが揺れる思春期のやるせない思いと重なって説得力のある歌唱になってました。

スザンナ役が以前ツェルリーナ役で聴いたことのあるシュヴァルツちゃんだとばかり思い込んでいて、スザンナだとやはり雰囲気が違うなー・・・なんて思っていたら・・・
本当に違う人でしたm(__)m
ハルティッヒも優しい声で好演してました。

行ってよかった(^-^)/・・・

でも次の日にはオペラ?それが何か?(・。・)
という日々に戻り・・・なんだかなー・・・・(´・_・`)

尚、あーったり前のあーったり前、という演出に思わず、スカラで観たフィガロを思い出してしまいましたが・・・
バッちゃん(バッティストーニ)!充分すぎるほどの時間がある!
急ぐことはなし、周りの必要以上の期待に踊らされることなく、批評を糧に、ゆっくり大きくなってね。
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