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タメルラーノ(コンサート形式)・・Grosses Festspielhaus・・2012/8/12 [オペラ]

Marc Minkowski, Conductor

Bejun Mehta, Tamerlano
Plácido Domingo, Bajazet
Julia Lezhneva, Asteria
Franco Fagioli, Andronico
Marianne Crebassa, Irene
Michael Volle, Leone
Les Musiciens du Louvre • Grenoble

ザルツブルクが個人的にあまり面白くなくなってしまったのも、その前に行きたかったバイエルンなどの公演に行けてしまったので、既に満腹状態だったということが最大の原因であります。

このタメルラーノもヴェルサイユで聴いてきたばかり・・・・

それでもキャストはこちらの方が豪華でしょう。
ただ始まってしばらくして、アリアの度に拍手が結構長く続くのには少々困惑・・・
ヴェルサイユでは1幕などはほとんど途中の拍手はなかったので、音楽の流れが良く、集中して鑑賞することができたのですが、途切れ途切れ状態になってしまって流れが悪いのが残念
大きな劇場では仕方ないのかもしれません。

ベルサイユでは19時半始まりで30分の休憩を入れて終了が23時15分、今回は20時半始まりです。
この調子では、一体終了は何時になってしまうのか?
カットがないととんでもない時間になりますヨ・・・・いずれにせよ明日になるのは間違いなし(-_-;)
休憩が20分ほどと短めに設定して対応しようとしていたのですが、そんな休憩時間ではトイレが並んで充分ではなく、25分くらいはあったと思います。
最後のカウンター・テノールの重唱はカットされてしまうかしら?
と懸念したのですが、そこは歌ってくれました!
結局カットしていたのは1幕8場レオーネのパート、
他にもあったと思うのですが、テープレコーダーのようには記憶できませんので、言及しないでおきます。
それでも終了は24時20分くらい・・・
もー勘弁してよ・・・という時間
せっかくのカウンター・テノールの重唱も最後の方なので、気持ちよすぎてボーッとしながら聴く状態に・・・m(__)m
どう考えても最初から開始時間の設定に無理のある公演でした。

舞台には譜面台が3台置かれ、歌手の人達はそれぞれ自分の譜面を持ちながら登場し、譜面台に置いて歌うという形でしたが、
3台しかないので、それ以上の人数が舞台に登場すると足りません。
アステリア役のユリアちゃんはドミンゴさまが登場するたびに、譜面台をお譲りして自分の手に譜面をもっての歌い・・・・
そこはやはり大先輩への配慮は怠り無い様子でした^^。

ユリアちゃんは大劇場で少々意気込みすぎか緊張のせいか、声の豊潤さがベルサイユで聴いたときほどではなく、最初は堅い感じがしたのですが、それでも心地よい歌声、きれいなコロラトゥーラで充分に魅力を発揮してました。
ただイレーネ役のクレバッサもベルサイユの時ほど瑞々しい声に聴こえなかったので、劇場の響きの違いなのでしょう。
二人とも譜面台があったことで両手が自由に動かすことができ、ヴェルサイユの時より感情を込めて歌っているように見え、充実の歌唱だったと思います。

その譜面台もほとんど必要なしで歌っていたのがタイトル・ロールのメータ!
その艶やかな声のなんと輝かしく通ること!
大きな劇場でも声量充分でしかもアジリタも素晴らしい
終盤の毒薬の場面まで全く譜面を見ず、一人全身で演技しながらの迫力の歌唱はお見事!

もう一人のC・テノールのファジョーリは序盤こそ低音で声質が変わるのが気になりましたが、中盤以降はそのようなこともなく、サラサラと心地よいアジリタ三昧の歌唱を披露してくれました。
サラサラと表現したのは、声が少々乾き気味み聴こえた為ですが、女性歌手が同様に乾き気味に聴こえてましたし、また声量を考えても、このような大劇場ではなく、小さめの劇場で聴きたいタイプでした。
先日のデュモーも大きめの劇場より、小さめの劇場の方が似合うタイプですが、この二人のデュエットもさぞかし素晴らしいことだろうと想像してしまいました。

ドミンゴさま、執念?のバヤゼット
マドリッドの公演では馴染んでいなかったというような批評も散見されたので、覚悟して聞いたのですが・・・
『Ciel e terra armi di sdegno』はアジリタが聞こえにくい部分はあったものの、躍動感溢れる力強さ!
これにはオケのメンバーも笑顔で拍手、パチパチ(((o(*゚▽゚*)o)))
他の部分も違和感というほどのことはなし、これだけ決めていただければ、ま~~ったく期待してなかったので期待以上でござる(^ー^;)

レオーネのフォレもアジリタが聞こえにくい部分はありましたが、専門ではないことを考えれば充分でした。

ミンコ率いるルーブル宮音楽隊の力強く躍動感溢れる音楽はヴェルサイユの時と同様、満足感の高いものであったことは言うまでもないでしょう。






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Ree

恐らくザルツでは、タメルラーノ以降、kametaroさまとほぼ同じ演目を鑑賞したのではないかと思います?!

会場に関しては、このオペラ鑑賞するにはkametaroさまが直前に鑑賞されたヴェルサイユのような空間がベストなんでしょうね。
祝祭大劇場でバロックのコンサート形式なんて、かなり無理があるのではないかと恐れていましたが、それがこんなに感激感動のコンサートになるとは驚きでした。

メータ、本当に素晴らしかったです。
実は05年にミトリダーテでメータを聴いているのにすっかり名前を失念しており…
ある意味初めて、一流のカウンターテノールとはこんなにすごいのか!!と衝撃を受けるくらいの感動いたしました。

ファジオーリ、最初のうちはなんだか抑えているのかしら?と思いましたが後半はとても素晴らしかった。
最後のこの二人の二重唱、聴けるものならまた聴きたいです。

素人の私が言うのもなんですが、やはりドミンゴさま、技術的にはアリアは苦しいかも。
でも、その表現力は素晴らしいです。
コンサート形式なのに、ちょっとした仕草や表情、視線で舞台を感じさせてくれるその存在感はすごい。
ユリアちゃんやクレバッサが、技術的に安定した歌唱を聴かせてくれるけど、どちらかというと淡々と歌っているのとは対照的でした。

フォレは、1曲しか聴かせどころのアリアがないのに楽譜と格闘していたのが微笑ましい。
それに、コンサート形式だから皆さん自分のアリア終わると退場するのに、フォレはイレーネの従者として、イレーネ役のクレバッサがアリア歌っている間は舞台脇に控えているのがまた微笑ましかったです。
やはりこのレオーネ役、ペレイラから来年ハンス・ザックスの交換条件として提示されたんでしょうか??

12時半近くに終演でしたから、あまりの素晴らしい舞台に大興奮したのと、時差もあって朝まで眠れませんでした(笑)。
by Ree (2012-08-23 20:36) 

アルチーナ

お疲れの所、レビュー、どうもありがとうございました。
又、カーテンコールの動画もありがとうございました♪

聴きに行けない私はツイッター、レビュー、ブログなどで追っておりましたが
初日はジャルスキーやティム・ミードが聴きに来ていたようですね。
又、メータはSento la gioiaを歌ったとか・・アリアを差し替えたのか、加えたのかよく分かりませんが・・・

ドミ様に関しては賛否両論のようですが、メータは素晴らしかったと言うのは皆さん仰しゃっていますね♪
私はメータを生で聴いた事がなく、録音だと時折声が薄くなるのが気になるのですが(高音、低音、アジリタなどで)特にカウンター・テナーは録音と生とで印象がかなり違うようですので、機会があればぜひ聴いてみたいです。(日本には来ませんよね・・・泣)
ファジョーリはメータよりも一回り以上年下なので(そうは見えないですが・
笑)徐々に舞台上での存在感などを増していってくれると嬉しいです♪

まあ・・それにしてもやっぱりバロックオペラをやるのには大きい劇場ではあったようですね・・・
そして、例えミンコフスキの演奏が素晴らしくても、長いオペラですし疲れてしまいますよね。聴く順番、会場が逆でしたら又違ったかも知れませんが・・

どうもありがとうございました。
by アルチーナ (2012-08-24 13:47) 

Kew Gardens

Kametaroさん、Reeさん、ご覧になった方が熱くなっていらっしゃるので、うらやましい限り。 やはりライブでの鑑賞は何にもかえがたいですよね。 

ところで、お二人がいらしたのは、初日ではないのですよね? たまたま私の読んだものが異例だったのかもしれませんが、初日のレビューがちょっと辛口でした。 ドミンゴ様がオケとあわずに苦労されていた所があったとか、声はクリアで十分威厳があっていいけれどマンネリ演技のMehta等々。 個人的感想だからとは思うのですが、ちょっと理解しにくい場所がありまして、様子をお聞きしたいことがあります。 

目をつぶって聞いていると素晴らし声をしているFagioliだけれど、見ると・・・・説明の喩が、ひどかったのですが、今回はコンサート形式ですけれど、何かかわったことしていたのでしょうか? 

http://www.seenandheard-international.com/2012/08/12/salzburg-festival_tamerlano_domingo_minkowski_jens-f-laurson/#more-22251


by Kew Gardens (2012-08-24 22:17) 

kametaro07

Reeさま
ご一緒の日程でらっしゃたとのこと、マチネの公演も多く、一番集中していろいろ楽しめましる日程でしたよね。
>最後のこの二人の二重唱、聴けるものならまた聴きたいです。
私もできることなら・・・・
チューリッヒから電車で6時間45分くらいかけて移動してきたので、24時過ぎは正直きつかったです^^;
>ドミンゴさま
やはりバロック向きではないことは否めませんが、前評判からして、もっと酷いことを想像していたので^^;Ciel e terra armi di sdegno・・・をあれだけ頑張って歌っていただければ、他は(・3・) アルェー?というところがあっても良いかな、と思えました。
>フォレ
ハンス・ザックスをザルツで歌う実力は文句なくあるので、
別に交換条件云々ということなく、以前チューリッヒでお世話になったということで、ペレイラさんからお声がかかったら受けるのではないでしょうか?
ザルツのコンサート形式は2年前の『ノルマ』もそうですが、時々お祭り的なキャストはありますよね。
あの時はグルベさま以外全員ロール・デビューで、男性二人はおまけのようでした。
あの時の男性二人に比べたら今回はドミンゴさまもフォレもしっかり準備してきたように思いました。
by kametaro07 (2012-08-24 22:39) 

kametaro07

アルチーナさま
>メータはSento la gioia
すみません_(._.)_ 
バロックは詳しくなく、感想もヴェルサイユの公演を思い出しながら書いているのですが、これは気づきませんでした。
>録音だと時折声が薄くなるの
そういったことは気になりませんでした。
メータは私も初めて聴きましたが、声量、アジリタの技術、両方とも備えているので、大劇場でも圧倒的な存在感を示すことができる人です。
>ファジョーリ
アジリタの技術においては既に存在感大なのではないでしょうか?
本文にも書きましたが、小さめの劇場でデュモー&ファジョーリの重唱も聴いてみたいです。
by kametaro07 (2012-08-24 23:20) 

kametaro07

Kew Gardensさま
随分と辛口な評ですね^^;
私が観た公演は初日ではなく、後の公演です。
>ドミンゴ様がオケとあわずに苦労されていた所があった
なるほど・・・
初日は合わなかった可能性もなきにしもあらず・・・
Ciel e terra armi di sdegno・・・の後、オケのメンバーがニコーっと笑って拍手でドミさまを賞賛している様子が、今日は上々ですね!といった様子にも見えました。
何故かそういうことはしっかりオペラグラスでチェックしていたのでした^^;
>何かかわったことしていたのでしょうか
席が後ろの方だったのですが、譜面台があったので、両方の手を大きく動かして気持ちを入れて歌っている様子に見えましたが・・・
この評は理解しかねます。
by kametaro07 (2012-08-24 23:35) 

レイネ

アルチーナさんが強力にプッシュしているファジョーリなんですが、アルチーナさんがブログで何度か紹介されてるファジョーリの色んなコンサート動画を見てるので、seenandheard-internarionalでの評の言わんとするところがよくわかります。ファジョーリ氏は、顔芸もすごいけど、ノリだすと、タコ踊りみたいな何とも形容しがたい(失礼)初めて見る人は引いちゃうようなジェスチャーが思わず出てしまうんです。わたしがナマで聴いた『ポッペアの戴冠』でのファジョーリは、コンサート形式でなく、演技があったのでそういうことはありませんでしたが。。。
ともあれ、男声キャストの異なる『タメルラーノ』を短い期間に二度も聴くことができて、kametaroさんはなんと幸運な方なんでしょう!
by レイネ (2012-08-25 00:39) 

Ree

長文の感想を厚かましく書かせて頂いたばかりなのに、またお邪魔してしまい大変申し訳ありません(汗)。
Kew Gardensさまがご紹介下さった評を読みながら、これを書かれた方はCTがあんまり好きではないのかしらと思ってしまいました(笑)。

ファジョーリに関する記載は、レイネさまが仰る通り、その「顔芸」に注目したものだと思います。
私が見たのは2回目の公演で「タコ踊り」まではありませんでしたけど、豊かな表情の変化と、演技というには何だか大げさな仕草が最初のうち少し気になったのは確かです。
でも、幕が進むにつれて、その素晴らしい声と安定した技術を伴ったアリアにすっかり引き込まれて、私としては全然気にならなくなりました。

メータの演技はコンサート形式の舞台を丁度良く盛り上げるもので、その歌とともに大変素晴らしいと思いました。
ネットで視聴した「Written on skin」だと当然全く違う演技でしたし、ワンパターンの演技しかできないような大根役者では全くないと思います。

ドミンゴさま、前半はオケと合っていない、と思わせるところは、素人の耳からするとあんまり無かったと思います。
でも、実は3幕で、レチタティーヴォの入りのミスがあって、メータの台詞とかぶってしまった箇所がありました。なので、そのあとに続くアリアと自害の場面が、動揺のあまり前半と比較すると少し失速したように思えたのですが気のせいかな・・・?
またまた長文すみません・・・


by Ree (2012-08-25 13:44) 

Kew Gardens,

Kametaroさん、レイネさん、Reeさん、

皆様、丁寧な解説ありがとうございました。 批評家のいうことも所詮は個人的感想にすぎないとはわかっているつもりが、想像の域を超えていたので、思わずお伺いしてしまいました。 なるほど、あれ?のジェスチャーがはいってしまうのですね、Fagioli氏。 しかし、歌のテクニック、声が素晴らしいということであれば、聴いてみたいです! でも、オペラで鑑賞したほうがいいかもしれませんネ。 

CTを生で聴いたことがほとんどない私なので、その芸術性を理解するのは、かなり時間がかかるかも・・・。


by Kew Gardens, (2012-08-25 21:25) 

kametaro07

レイネさま
>ファジョーリ
後ろの方の席なので、表情は全くわかりませんでした。
コンサート形式で顔芸つきで聴いてもよいですが^^;
やはり演出のあるオペラで聴いてみたいですね。
7月に行けるとは6月上旬までは考えもつかなかったことで、本当に2回も鑑賞できて自分でも(゚O゚)幸運だったと思ってます。
でも欧州在住で適度に観に行けることがやはり最高だと思います。
日本から行くとついつい欲張ってしまって、ザルツでは満腹すぎて最後は吐きそうでした^^;




by kametaro07 (2012-08-25 21:47) 

kametaro07

Reeさま
大歓迎ですので、どうぞ何度でも、ご遠慮なくコメントお寄せください_(._.)_
私は席が後ろの方だったので、歌手の表情や詳しい演技まではよくわかりませんでした。
ファジョーリやメータの様子を伺えて嬉しいです^^。

>ドミンゴさま
仰るとおり!
入りのミスありました。
私も一番(・3・) アルェー?と思ったのは自害の場面で、なんだかあっさりと終わってしまってましたね。
ただ、一曲でも意地を見せていただけた気がして充分に思えました。
ファンというわけではないのですが、何故かドミさまには甘口です。
by kametaro07 (2012-08-25 22:23) 

kametaro07

Kew Gardensさま
>CTを生で聴いたことがほとんどない
私も同じく、です。
CTもいろんなタイプの人がいてハマると深そうです。
機会がありましたら、ぜひ。
古楽オーケストラも魅力的です。
by kametaro07 (2012-08-25 22:36) 

アルチーナ

遅くなりましたが・・私もseenandheradのレビューは読んでおりました。
レイネさんはオペラではそのような事は無い・・と書いて下さってますが、
私が見た時は時折やっぱり変な顔をしており、気になりました(笑)
基本的には演技も(踊りも)上手なんですけれどね・・
なんとなならないもんでしょうか・・・(笑)

>そういったことは気になりませんでした。
メータは私も初めて聴きましたが、声量、アジリタの技術、両方とも備えているので、大劇場でも圧倒的な存在感を示すことができる人です。

ありがとうございます!それは是非、聴きたいです!

by アルチーナ (2012-08-27 10:19) 

kametaro07

アルチーナさま
>時折やっぱり変な顔をしており、
なかなかハンザムな方ですが、どんな顔芸なのか(’◇’)
なんだか皆さんのお話を聞いて、コンサート形式で舞台近くで見たくなってきました(#^.^#)
後日ブログにお邪魔してコンサート動画を拝見させていただきます_(._.)_ 



by kametaro07 (2012-08-27 21:47) 

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