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タメルラーノ(コンサート形式)・・ Opéra Royal de Versailles・・2012/7/11 [オペラ]

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Direction Marc Minkowski

Tamerlano Christophe Dumaux
Asteria Julia Lezhneva
Bajazet Tassis Christoyannis
Andronico Tim Mead
Irene Marianne Crebassa
Leone Luca Tittoto
Les Musiciens du Louvre Grenoble

ベルサイユ宮殿内にある劇場です。
終了が遅くなることは予想できたので、ベルサイユに宿を取るか迷いましたが、パリから日帰りすることにしました。

宮殿内にあるといっても宮殿は広く、劇場は初めてなので早めにベルサイユに到着。
観光案内所で入口は正面向かって右の棟、Bという表示があるところと確認、軽く食事を取ってから劇場に向かいました。

入口を入り、長い廊下を歩いていくと劇場がありました。
652席と小さな劇場ですが、装飾は豪華絢爛、でも照明が暗く、写真はよく撮れませんでした。
雰囲気もサイズもバロックには最適です。
ひとときのマリー・アントワネット気分・・・
パンがなければケーキを食べればいいじゃない(^-^)/

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                                   劇場中央天井


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                                   バルコン天井


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コンサート形式なので、オケが舞台に上がり、その前方で歌うという形でしたが、譜面台はなく、歌手の人達はそれぞれ譜面を手に歌っていました。
あらすじは調べていきましたが、字幕は当然フランス語のみで万歳お手上げ・・・
耳に入ってくる音楽の心地よさを味わう公演となりました。
考えて見るとヘンデルのオペラは3年前の『セメレ』以来です。

ミンコフスキ率いるルーブル宮音楽隊は昨年のザルツのコジ以来、2度目ですが、劇場の違いもあってか、今回は非常に鮮明でくっきりとした輪郭のある音で、バイオリンの揃った音色などはまるで一つの大きな楽器で演奏しているかのようでした。
今回ガルニエで聴いたコンセール・ダストレよりも力強く、明晰な印象となりましたが、この『タメルラーノ』の内容が重い、シリアスな物語だからということもあるでしょう。

歌手陣も充実
二人のカウンターテノールはそれぞれ違った魅力をみせてくれました。

タメルラーノ役のデュモーのアジリタのなんと見事なこと!
声量はそれほどあるタイプではありませんが、どの音程でも声質が均一な上、アジリタは一糸乱れず
観客からも最も多くブラヴォーの声が上がってました。

もう一人のCテノール、ミードは柔らかい声で伸びやか、声量も豊かでうっとり。
デュモーと全く異なるタイプのCテノールですが、二人の声の相性は素晴らしく、重唱はお互いを引き立てあって、それは美しいものでした。

アステリア役のユリアちゃん(レジネヴァ )
1989年生まれ、まだ23歳です。
劇場の違いもあるかもしれませんが、一昨年ザルツで聴いた時より声が成熟したようでした。
ピュアな愛らしさがある声という印象だったのが、豊潤さが加わり、コロラトゥーラもなめらかで美しい。

そしてイレーネ役のクレバッサの声のなんと瑞々しいこと!
ユリアちゃんと一緒にザルツの『タメルラーノ』にもご出演なのが嬉しい。

バヤゼット役はテノールが歌うことが多いようですが、今回はバリトンのクリストヤニス
コンサート形式とはいえ、役になりきり、自害の場面では演技を伴ってました。
バロック専門の人ではないようですが、存在感のある歌声で、アジリタもこなしてました。

レオーネ役も納得の出来。

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大変聴きごたえがあり、濃厚な時間を過ごすことができた公演でした。

残念ながら終演が11時を過ぎ、帰りのことが心配だったので、カーテンコールもそこそこに、劇場をあとにしました。
パリへの最終電車があるのは分かっていたのですが、タクシーを奮発してもよいかな?と思い、タクシーがつかまるならと思って早めに出たのですが、タクシーなど影も形もなし・・・・
結局最終電車になってしまいました。
パリ市内及び近郊の電車は最終目的地の到着が午前1時まで、ということを基準に走ってます。
パリ市内に入ってから乗り継ぎのメトロの最終に間に合うか心配でしたが、これも最終に間に合って無事ホテルにたどりつくことができました。
電車は結構人がいて、怖い雰囲気は全くありませんでした。

ベルサイユのオペラハウスは公演数は少ないですが、機会があれば、ぜひマリー・アントワネット気分を(*´∀`*)
いえいえ、そんな浮かれた観光気分でなく、本格的バロック等を味わえる劇場です。
ベルサイユ・ロイヤルオペラの2012/13シーズンはこちら
フランスはバロックの本場
ガルニエでもベルサイユでも本格的なバロックを聴けて大満足な旅となりました。

ザルツの『タメルラーノ』は女性歌手は一緒ですが、男性歌手は全員交替。
はてさて?バヤゼットを歌うドミンゴさまはアジリタなしでしょうか?
ドミンゴさまに気を取られてましたが、レオーネ役がフォレというのも意外です。
ヘルデンじゃなくてヘンデルですよ・・・(・◇・)
歌ったことあるのでしょうか?
アジリタは?
はてさてはてさて・・・・


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レイネ

ヴェルサイユ宮殿内の劇場で聴くバロック・オペラは、さぞや雰囲気抜群だったことでしょう。若手実力派歌手が揃ってるし。デュモー選手とティム・ミードの2人CTの重唱やユリアちゃんの成熟度が増した歌唱もナマで聴きたかった!デュモー選手は、小さな劇場ではどんどん主役を張っていて、今後も大きな飛躍が期待できそうです。

ヴェルサイユは、来シーズンも面白そうなプログラムで興味津々。(5月31日6月2日の『アレッサンドロ』に惹かれます。5月にはちゃんとした舞台形式で『オランダ人』しかもミンコさん指揮でやっちゃうし、1月6日のワーグナー・コンサートはミンコさん指揮で今話題のニキーチンがソリスト。。。)ぜひ一度は遠征したいと思ってます。パリから日帰りはきついかな、と思ってましたが、結構長いバロック・オペラでも終電には間に合ったんですね。

TVで鑑賞したドミンゴ先生がバヤゼットの『タメルラーノ』は、やっぱり、彼の歌唱だけとてつもなく違和感がありました。舞台装置が美しく幻想的でしたが、シリアスで重いストーリーというより、バカ殿タメルラーノの軽薄さが浮いてるドタバタ劇の印象が。

(ところで、一昨日、バスティーユの『イポリトとアリシー』全編の動画を観ることができました!)
by レイネ (2012-08-02 16:33) 

Ree

タメルラーノのご鑑賞記、心待ちにしておりました!
やはりこのオペラ、kametaroさまが聴かれたようなこじんまりした空間で鑑賞するのがベストなんでしょうね。
ザルツの祝祭大劇場は大き過ぎますよね…

ザルツで鑑賞予定なのでgalahadさまに教えて頂いたDVDで予習中ですが、確かにドミンゴ先生にはバヤゼットはちょっとキツイかも・・・??
でも、コンサート形式とはいえ、最後の自害のシーンでは演技も伴っているだろうからそちらを期待することにいたします。

他のメンバーに関しては、もう本当に楽しみにしてます。
イレーネ役のクレバッサが素晴らしいとのこと、一層楽しみになってきました。
それにしてもフォレは、なんでこんな演目に出演するのだろう?
あまり出番は少ない役だけど、さりげなく演技してくれる事をたのしみにしてます。

もしかして、kametaroさま、ザルツでもご鑑賞予定なのでしょうか?
by Ree (2012-08-02 20:22) 

kametaro07

レイネさま
デュモー選手は小さめの劇場ではさぞかし大活躍でしょう。
今後も要チェック!了解しました。

>『オランダ人』
これはコンサート形式のようですが・・・?
詳細のページに進むとニキーチンの名があるのですが、このページからリンクしたところではヴァンサン・ル・テジエになってます。
キャスト・チェンジでしょうか?
いずれにせよミンコさんのワグナーは珍しいですし、ジュノー&チェンチッチ出演の『アレッサンドロ』ともども注目ですね。

ヴェルサイユ発パリ行きC線の電車の最終は23時55分だったと思います。
でもやはり泊まったほうがゆったり気分で鑑賞できるので、機会があれば泊まりがけで行きたいです。

『イポリトとアリシー』は放送でご覧になってもその美しさが伝わることでしょう。
DVDになるかもしれませんね。
by kametaro07 (2012-08-02 21:42) 

kametaro07

Reeさま
実はザルツの『タメルラーノ』も観る予定です。
この夏は個人的にはバイエルンの方が注目だったのですが、7月は行けないと思っていたので、8月のザルツを先に決めてしまいました。
結局7月に行けるようになったので、行ってきたのですが・・・
今食傷ぎみです^^;
最初から7月が行くと分かっていれば、8月はおとなしくしていたのですが・・
どう考えても遊びすぎです_(._.)_ 

>それにしてもフォレは、なんでこんな演目に出演するのだろう?
そう思いますよね。
今はバイエルンのアンサンブルですが、以前チューリッヒのアンサンブルだったので、ペレイラさんのお声がけのような?
二人いれば恐くない・・・
ドミンゴさまの違和感が和らぐかもしれません^^;
いずれにせよ楽しみにしましょう(^-^)/

どうぞ良いご旅行を!
by kametaro07 (2012-08-02 22:04) 

アルチーナ

初めまして!
この公演、気になっておりました。最後のCTのデュエットは歌われることが珍しいようですが、きっとザルツの方でもありますよね?聴きに行けないのでせめて放送が聴ければ・・と思っていたのですが、無いようなので残念です。
こちらも聴きに行かれるとの事、レビュー楽しみにしております。
Ree様もgalahad様の所のコメント欄で聴きに行かれると書かれていたので、どこかに感想を書かれること、楽しみにしております。(色々コメント欄をチェック致します!笑)

それにしても、良いですね。このような会場で聴けたら・・・
機会があれば行って見たいです♪
by アルチーナ (2012-08-03 10:51) 

kametaro07

アルチーナさま
初めまして!
ファジョーリのファンでらっしゃるのですね。
ザルツもCTのデュエットが聴きたいものですが、2公演あるうちの後の方の公演が20時半始まりなのが気になります。
ヴェルサイユでは19時半始まりで23時15分終了でしたが、20時半始まりだと24時15分終了になってしまいます。
カットがあるかも?ですが、カットするなら他でお願いしたいものです。

ヴェルサイユは機会があればぜひ!
by kametaro07 (2012-08-03 20:17) 

cachaca

kametaroさま、いいのをご覧になりましたねー!このデュモーは何年か前グラインドボーンでヘンデル「チェーザレ」のクレオパトラの弟トレミー(トロメーオ?)を歌ったCTです。若いし、ステージでとんぼ返りをしたり(^0^)、役にぴったりでした。丸みよりシャープな声ですよね。

ヴェルサイユ宮殿内の歌劇場は明らかに観光客向けではなく、質のいい公演をするんですね。シェーンブルン宮殿内歌劇場もこんな感じで小さく豪華絢爛でしたが、歌手の質がかなり落ちるので行く価値無いです。中が暑くなかったですか?シェーンブルンは冷房設備がなく、小さな劇場内に満席で汗がじっとり。だからオペラは夏やらなかったのかと、変なところで納得でした(^0^)
by cachaca (2012-08-06 10:04) 

kametaro07

cachacaさま
>ステージでとんぼ返りをしたり
すごくスマートで運動神経よさそうですけど、そこまでとは( ・_・)
コンサート形式ではとんぼ返りまでは披露してもらえないので、やはり演出のある公演を見なくては!

>中が暑くなかったですか?
快適でした^^。
2009年に2年間の改修を終えて再公開したのですが、安全面の強化と劇場の近代化ということで改修されたそうです。
空調の改修もあったのではないかと思います。

>シェーンブルン宮殿内歌劇場
ウィーンは国立歌劇場やアン・デア・ウィーン、更には楽友協会などなど・・・いろいろありすぎてシェーンブルンまで頭が回りませんでした^^;
たとえ観光客用でも一度観劇してみたいです。
by kametaro07 (2012-08-06 21:39) 

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