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バラの騎士・・・Wiener Staatsoper・・・2012/4/15 [オペラ]

Jeffrey Tate | Dirigent
Otto Schenk | Regie

Nina Stemme | Feldmarschallin
Kurt Rydl | Baron Ochs auf Lerchenau
Elina Garanca | Octavian
Miah Persson | Sophie
Franz Grundheber | Faninal
Simina Ivan | Marianne Leitmetzerin
Michael Roider | Valzacchi
Janina Baechle | Annina
Wolfgang Bankl | Polizeikommissar
Wolfram Igor Derntl | Haushofmeister bei der Feldmarschallin
Benedikt Kobel | Haushofmeister bei Faninal
Wolfgang Bankl | Ein Notar
Ho-yoon Chung | Ein Sänger

ガランチャ復帰後、初のオペラ公演です。
なおかつ、元帥夫人はシュテンメ!
となれば、見逃す手はありません。
チケットはずーっと売り切れ状態だったので、立ち見覚悟だったのですが、1週間ほど前に5,6席出てきたので、無事座ってみることができました。

久々の平土間での鑑賞でしたが、観客の雰囲気は何か特別のものがあり、ほとんどセレブ社交界。
無作法な服装は避けるよう心がけてますが、[猫]の存在そのものが場違いでした^^;

開演前、舞台が照明で照らされ、何かアナウンスがある雰囲気になって、観客席にはざわめきが・・・
キ・キャスト・チェンジ~?
オックス役のリドルが登場、名前を忘れてしまったのですが、2名の歌手の方にこの公演を捧げますとのスピーチ。
キャスト変更ではなかったと思った次の瞬間、
劇場関係者が引き続き登場し、
まさか今度こそ・・・キ・キャスト・チェンジ~?
指揮のマエストロ・テイトが具合が悪いのですが、降板せずに指揮を執ります
とのアナウンス、
ホっ・・・でした。

本当によくぞ指揮を執ってくださいましたマエストロ!
まさにウィーンでしか味わえないであろう極上の響きの「バラの騎士」を自然な流れで物語ってくれました。
以前ここウィーンで同じ公演を鑑賞したことがありますが、オケの奏でる音楽はその時とは違う、格別のものがありました。
指揮者の違いということもあるでしょうが、観客の雰囲気、注目度は、オケも特別の気概を持って臨んだに違いありません。

シェンクの演出は古典的な美しさ、
あーったり前、と言ってしまえば、あーったり前のものですが、
あーったり前であろうとなかろうと、有無を言わせないだけの圧倒的な輝きに満ちた演奏でした。
その流麗な音楽の中、出演者達は生き生きと、至極当たり前のように、歌も演技も登場人物そのものの自然さで、終始観客を惹きつけてくれました。

久々のガランチャ、
[猫]にとっては、1年と2ヶ月ぶり、リセウの『アンナ・ボレーナ』以来です。
始まってしばらくは・・・・・???
この前2公演、声がよく響くプラハの劇場で聴いていたことが、どうも影響していると思われ、
ガランチャの声のサイズが小さくなったような、(・3・) アルェー?
シュテンメの声も同様でしたが、シュテンメの方がそれほど気になりませんでした。
考えてみると、ガランチャはリセウ、シュテンメはスカラとチューリッヒで聴いたわけですから、比較的声がよく響く劇場で聴いたのでした。
それでもガランチャの姿には舞台に立つために生まれてきた人だと思わされます。
オックスとのやり取りで、時折見せる顔芸は最高!
くっきりとした目鼻立ちと陶器のような肌はまるでティンカーベル、
お茶目に、思いっきり、気取りなく表情を変えるのがなんともキュート!
歌も決して悪かったわけではなく、以前聴いた時より、声量がちょっとコンパクトになったような印象がしただけで、しっとりとまろやかな心地よい歌声は健在でした。

シュテンメはここウィーンではロール・デビューとのこと。
凛とした品のよい元帥夫人で、相変わらず、どの音域でもきれいに前に声が飛んできました。
一幕最後、心の葛藤を見事に表現していて、なおかつ、その後に続いた演奏、弦の一音のなんとせつなく物悲しく響くこと!
胸にしみるシーンでした。

ゾフィー役のペルソン(パーション?)はガランチャとの声の相性がなかなか良くて、好演。

有名な3重唱はウットリ。

さて、シュトラウスは当初、タイトルを『オックス』としたらしいですが、リドルのオックスを見ていると、さもありなん、主役と言ってもよいほどの活躍でした。
ドレスデンのボリスでピーメンを歌った人ですが、キャスト表がなかったら同一人物とは気づきません。
なんだか素のまま、ちょっと舞台に立ってみました、というくらい・・・
こともなげに良い声を深く響かせながら、傲慢でイヤらしいのに、どこか情けなく、普通にトボケまくる。
リドルさんご自身、嫌なヤツなんだけど、憎めないキャラなんだワ、きっと。
( ・g・)うそーん 

この公演が普通でない、観客もオケも特別な雰囲気だったということは、当然キャストも特別だったわけで・・・
ファニナル役にはグルントヘーパー。
歌が文句なしなのは当然ですが、演技も生き生きと、存在感のあるファニナルでした。

当然カーテンコールは大変な盛り上がり



ところで、最近のウィーンは観光客のマナーの悪さが散見されるような話を聞きましたが、今回はいかにも観光客という人はほとんど見かけず、地元の名士の集いといった趣でした。
と言いつつ、自分だって観光客の一人なわけですが・・・^^;
場違いでもなんでも、もぐりこめて幸運でした。

続けて贅沢三昧の旅行をしてしまったので、
かなり食傷ぎみ・・・
もう当分何も観なくてよいかな・・・・(・。・)
当分っていつまででしょう・・・・???

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コメント 4

Sheva

ウィーンのばらとはうらやましい!リドルさんこの役はおはこですよね!イタリア人歌手は誰でしたか?
by Sheva (2012-04-29 13:06) 

Steppke

お久し振りです。
Garanča となると登場しますが..

ネコさんも行かれてたのですね。
キャンセルが無くて良かったですね。

最初に Rydl が話したのは、KS Margarita Lilowa と KS Heinz Holecek に捧げるということでした。2人とも、前々日の13日に亡くなりました。
特に Holecek は、ヴィーンで大人気だったので、テレビや新聞でも特集していましたし、19日の Volksoper "Die Fledermaus" も彼に捧げられた公演でした。

Stemme、良かったですね。
特に中音の豊かさは素晴らしく、Garanča を喰っていました。
美人で立ち姿も美しいので、すごく絵になります。

Garanča は...ちょっと、う~んといったところです。
言われている通り、圧倒的な響きが影をひそめて、まろやかな声質になったように感じられました。
産休明けのオペラ復帰で、コンサートやリサイタルは3月から何回か出演していますが、本人も新聞のインタビューで、6ヶ月間歌っていなかったので声は変わったかも知れないと言っています。
18日の公演にも行ったのですが、少しはマシになっており、2幕・3幕と進むにつれて、やはりさすがだなと感じさせる処は随所にありました。
15日と21日に行った友人の話では、21日は格段に良くなっていたとのことです。(私は、21日は、Sándor Németh さんの記念公演のために Volksoper に行きました)

しかし、2007年と2009年に2回ずつ Octavian を聴いていますが、あんなものではなかった。今回は久し振りなので、それだけ期待も大きかったからかも知れませんが、これから出演を重ねて、戻って来ることを願うばかりです。

演技は相変わらず素晴らしく、他の Octavian を見る気になりません。
ただ、以前より少し丸く女性的になった(太った)感じで、冒頭のくだけた衣装ではちょっと目立ちましたね。以前は、もっと17歳の少年そのものという感じだったのですが..

私は、Jeffrey Tate の指揮には、全く感心しませんでした。ヴィーン風のしなやかさに欠ける、つまらない演奏という感じです。
15日の公演は、Küchl さんがトップに座っていたせいか、まだオケ全体がまとまっていましたが、18日(トップは Steude)は冒頭を含めて何度も崩壊しかけました。舞台を観ると指揮も目に入るような席だったのですが、ほとんどスコア通りにきちんとしか振らない指揮者と、いつものようにヴィーン風に少し崩して歌手に合わせようとするオケとが、全く噛み合わなかったように思われます。
オケの響きはあくまでヴィーンの美しさでうっとりするものでしたが、Adam Fischer のような職人的な指揮者が振っても、もっと水準の高い公演になっていたと思われます。
by Steppke (2012-04-29 15:24) 

kametaro07

Shevaさま
配役に書いてませんでしたね。
書きたしておきました。
なかなかの歌いっぷりで、東洋人が歌うのも一興です。
by kametaro07 (2012-04-29 21:23) 

kametaro07

Steppkeさま

お久しぶりです。
きっとご覧になるだろうと思っておりましたが、
やはりいらっしゃったのですね。

>KS Margarita Lilowa と KS Heinz Holecek
名前が覚えられなくて^^;
ありがとうございます。

>Garanča...ちょっと、う~んといったところ
私は一度しか聴いたことがなく、演目が違うからかな?などとも考えてしまいました。
舞台を離れていると感覚を取り戻すのに時間がかかるのかもしれませんね。
来月は『皇帝ティートの慈悲』のセスト
更に本来の調子に戻ってくることを期待しましょう。

>15日の公演は、Küchl さん
ちらっと目に入ったのですが、やはりそうでしたか。
ここのオケは上手いのにもかかわらず、時々手を抜いたかのように締まらないことがあるのが、正にたまにキズと思うときがあります。
仰るように、しなやかさに欠けているというところもありましたが、この日は緩むことなく、引き締まった演奏で、美しい響きを堪能できただけで満足でした^^。
by kametaro07 (2012-04-29 22:08) 

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