エルナーニ・・・ボローニャ歌劇場来日公演・・・東京文化会館・・・2011/9/18 [オペラ]
演出 ベッペ・デ・トマージ
指揮 レナート・パルンボ
出演 ロベルト・アロニカ、ディミトラ・テオドッシュウ、ロベルト・フロンターリ、フェルッチョ・フルラネット
「カルメン」が始まる前にエルナーニ総裁から、リチートラ氏への哀悼の意と震災からの復興を願うスピーチがありましたが、この日も同様のスピーチがあり、特にリチートラ氏の魂も私達と共にあるという言葉は心にしみました。
そしてその言葉どおり、オケの演奏にも歌手一人一人の歌にも、リチートラ氏の魂が一緒にいるのを感じた公演となりました。
演奏はオケの音色の柔らかさはそのままに、パルンボのタクトからメリハリのあるヴェルディらしい力強さが生まれてました。
歌手との息も合って公演の要であったのは間違いないでしょう。
演出はそこそこ見栄えのするセットと豪華な衣装の学芸会^^;
演技もほとんどないに等しく、各幕の最初の3分だけ見ていればあとは目をつぶっていても想像できるというところ、ベタすぎてないに等しい演出ですが・・・まぁ演出はどうでも良し。
男性歌手陣の歌の饗宴こそがこの公演の魅力、それぞれの役柄に合った歌声で聴き応え充分でした。
代役のアロニカは一幕一場こそ固い印象でしたが、山賊の頭たる荒々しさと貴族の誇りたる誠実さを力強く伸びのある声で表現してくれました。
カルロ役のフロンターリは一幕二場ではエルヴィーラを愛する粗野な一人の普通の男、特に強い印象は持たなかったのですが、3幕では堂々たる王の風格をかもし出し、しっかりとこの役の存在感を表現して一歩も引けを取りません。
そして言わずもがなフルラネット!
舞台にその姿が登場しただけで舞台がひきしまります。
年齢的にもこの役にピッタリでフィリッポ役だけでなく、このシルヴァ役でも右にでる人はいないでしょう。
深く響く味わいのある声が久しぶりに聴けて満足でした。
この3人のバランスが素晴らしかったため割をくったように思えたのが、紅一点のテオドッシュウ。
ちょっと控えめで絶好調とはいえないかも?と思えてしまいましたが、それだけ男性陣の歌声が迫力があったということでしょう。
コーラスと重なった重唱の迫力もこれぞ本場イタリアのヴェルディ!
と思いつつ・・・・
でもこれでのヴェルディ苦手が直ったかというと???
やっぱりブンッチャッチャッには時々意識が・・・・ボー。。。
目つぶっていても変化ない演出だったし・・・^^;
「エルナーニ」という作品は初期のヴェルディのひとつだそうですが、3時間半の間に3回も休憩が入ることもあって、全体の作品の構成自体が散漫な印象を受けてしまいました。
作品のせいにしてますが、もちろん自分自身が散漫な性格だということもあります・・・ハイ。
改めて思ったこと・・・
本場イタリアで今までヴェルディを聴いたことがないのにヴェルディ苦手などと言っていること自体間違っておる!
スカラに二回行ってワグナーしか聴いてないというのはいかがなものか!
今まで聴いたヴェルディではドレスデンの「リゴレット」がダントツで素晴らしかったわけですが、本場イタリアのヴェルディとは一線を画すものでしょう。
やはりヴェルディは本場イタリアの歌劇場で聴きたいものです。
指揮 レナート・パルンボ
出演 ロベルト・アロニカ、ディミトラ・テオドッシュウ、ロベルト・フロンターリ、フェルッチョ・フルラネット
「カルメン」が始まる前にエルナーニ総裁から、リチートラ氏への哀悼の意と震災からの復興を願うスピーチがありましたが、この日も同様のスピーチがあり、特にリチートラ氏の魂も私達と共にあるという言葉は心にしみました。
そしてその言葉どおり、オケの演奏にも歌手一人一人の歌にも、リチートラ氏の魂が一緒にいるのを感じた公演となりました。
演奏はオケの音色の柔らかさはそのままに、パルンボのタクトからメリハリのあるヴェルディらしい力強さが生まれてました。
歌手との息も合って公演の要であったのは間違いないでしょう。
演出はそこそこ見栄えのするセットと豪華な衣装の学芸会^^;
演技もほとんどないに等しく、各幕の最初の3分だけ見ていればあとは目をつぶっていても想像できるというところ、ベタすぎてないに等しい演出ですが・・・まぁ演出はどうでも良し。
男性歌手陣の歌の饗宴こそがこの公演の魅力、それぞれの役柄に合った歌声で聴き応え充分でした。
代役のアロニカは一幕一場こそ固い印象でしたが、山賊の頭たる荒々しさと貴族の誇りたる誠実さを力強く伸びのある声で表現してくれました。
カルロ役のフロンターリは一幕二場ではエルヴィーラを愛する粗野な一人の普通の男、特に強い印象は持たなかったのですが、3幕では堂々たる王の風格をかもし出し、しっかりとこの役の存在感を表現して一歩も引けを取りません。
そして言わずもがなフルラネット!
舞台にその姿が登場しただけで舞台がひきしまります。
年齢的にもこの役にピッタリでフィリッポ役だけでなく、このシルヴァ役でも右にでる人はいないでしょう。
深く響く味わいのある声が久しぶりに聴けて満足でした。
この3人のバランスが素晴らしかったため割をくったように思えたのが、紅一点のテオドッシュウ。
ちょっと控えめで絶好調とはいえないかも?と思えてしまいましたが、それだけ男性陣の歌声が迫力があったということでしょう。
コーラスと重なった重唱の迫力もこれぞ本場イタリアのヴェルディ!
と思いつつ・・・・
でもこれでのヴェルディ苦手が直ったかというと???
やっぱりブンッチャッチャッには時々意識が・・・・ボー。。。
目つぶっていても変化ない演出だったし・・・^^;
「エルナーニ」という作品は初期のヴェルディのひとつだそうですが、3時間半の間に3回も休憩が入ることもあって、全体の作品の構成自体が散漫な印象を受けてしまいました。
作品のせいにしてますが、もちろん自分自身が散漫な性格だということもあります・・・ハイ。
改めて思ったこと・・・
本場イタリアで今までヴェルディを聴いたことがないのにヴェルディ苦手などと言っていること自体間違っておる!
スカラに二回行ってワグナーしか聴いてないというのはいかがなものか!
今まで聴いたヴェルディではドレスデンの「リゴレット」がダントツで素晴らしかったわけですが、本場イタリアのヴェルディとは一線を画すものでしょう。
やはりヴェルディは本場イタリアの歌劇場で聴きたいものです。
2011-09-18 21:57
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コメント(10)
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こんにちは。
ヴェルディの作品群の中でも、エルナーニは初期らしくやっぱりちょっと熟していない作品だと思います。この曲でヴェルディ苦手が治ったら、逆にスゴイです。
やっぱり後期のドン・カルロ、アイーダ、オテロ、ファルスタッフあたりで克服するのがてっとり早いと思います。
>スカラに二回行ってワグナーしか聴いてないというのはいかがなものか!
私も「いかがなものか」と思います(笑)。
kametaroさんがもう少し早くオペラに開眼してくれたら、ミラノでムーティのヴェルディに巡り会えたのになあ。
ないものねだりしても仕方ないので、機会を見つけてイタリアでヴェルディを観てきてくださいな。
by hbrmrs (2011-09-20 21:37)
hbrmrsさま
こんにちは。
ホントいかがなものか!と自覚してるのですよ。
ドン・カルロは3回、アイーダは2回実演を観てますけど・・・・ウ~~~ン・・・
一番印象に残っているスカラ来日公演のドン・カルロでさえ、前半は睡魔と闘ってました。
ムーティさまはメトで「アッティラ」を聴いただけ・・・
確かにハッとさせられる場面も多かったですが、この作品もボーっとしやすい作品ですよね^^;
やっぱりイタリアですよねヴェルディは!
でもイタリアのスタジオーネ制はせっかく行くのだから毎日何か観たいという貧乏性にはちょっと不向きなんですけど・・・・。
by kametaro07 (2011-09-21 15:36)
こんにちわ。
昨日、Furlanetto様のSilvaを、じゃなかったボローニャのエルナーニを見てきました。 清教徒では、あれっと思ったオケでしたが、作品が違うと、それ相応に代わりますし、やっぱりVerdiという響きがありましたよね。
>男性歌手陣の歌の饗宴
と、私も理解はしておりました。 とはいいながら、やはりFurlanetto様の存在が圧倒的。 もともとそれを体験するために足を運んでいるので、自ずとそこに集中してしまい、がんばっていたAronica, Frontaliの印象が薄くなってしまいました。 ははは いずれにせよ、歌手をそろえるのが大変な演目だと思いました。
METの2011/2012シーズンでもこの演目が予定されていますが、 De Biasio/Giordani、ホロさま、Furlanetto様の取り合わせって、Boccanegraみたいなのでしょうか。 HD Live Viewingで確認したいなと思っています。
by Kew Gardens (2011-09-24 13:16)
Kew Gardensさま
こんにちは。
>清教徒では、あれっと思ったオケでしたが、
私は今日清教徒を観てきましたが、やはり、あれっと思いました。
>Furlanetto様の存在が圧倒的。
やはり凄いですよね。
最初エルナーニは観にいかなくてもよいかな?くらいに思ってましたが、行ってよかったです。
>METの2011/2012シーズン
Giordani、ホロさま、Furlanetto様だとBoccanegraと同じ組み合わせですね。
私は観にいってませんが・・・。
ホロさまはあまりヴェルディのイメージがないですが、どうなのでしょう?
by kametaro07 (2011-09-24 21:06)
昨夜メールをお送りしましたが届いておりますでしょうか?
by Sheva (2011-09-24 22:42)
Shevaさま
出かけておりましてお返事遅くなって申し訳ございません。
21時前にメールいたしましたが、届いてませんか?
by kametaro07 (2011-09-24 22:56)
こんばんわ
清教徒の楽日にいらっしゃったんですね。 感想楽しみにしています。
>ホロさまはあまりヴェルディのイメージがないですが、どうなのでしょう?
実のところ、ホロさまの生はIl Trovatoreと来日METのDon Carloしかみたことがないので、わからないのですが、その時思ったのは、この人には、アカペラでロシア歌曲うたってもらいたいあなぁ~でした(失礼なやつ)
前後しますが、昨シーズンのMETのBoccanegraをライブストリーミングで聞いたときは、今までとちょっと違うような気がしました。 舞台を見ていたら、違った感想を持ったかもしれませんが。 Furlanetto様もまた一緒ですから、それなりのVerdiになるのかも。
by Kew Gardens (2011-09-24 23:15)
Kew Gardensさま
こんばんは。
感想を2,3日中にはアップしたいとは思っておりますが、もうちょっと遅くなってしまうかもしれません。
ホロさまファンに伺ったところ、今はヴェルディ・バリトンと言われているそうです。
まだまだオネーギンなどのロシアものを歌ってもらいたいと思うのですが、年齢的なもので、これからはロシアものよりもヴェルディということだそうです。
期待して良いのではないでしょうか。
by kametaro07 (2011-09-25 21:23)
こんにちは。
エルナーニ、良かったですね。
私はフルラネットがオペラのとっかかりなので
ヴェルディ大好きです。(^^)
パルンボの指揮で血湧き肉踊るヴェルディが見事に!
フルラネットはこの役を
フィリッポやフィエスコと違って変化の無い一本調子の頑固爺さん、
みたいに言ってますが、なんのなんの。
彼が演じると俄然深く大きな役になるではないですか!
エルナーニの前に大きく聳え立つ壁の様な…
愛する女を奪われた老いの悲しみも
やりすぎる位やっていましたが、魅せられました。
テオドッシュウが弱いのが残念でしたが男性陣はホント好演でした。
リチートラが付いていてくれたかの様なアロニカ、フロンターリの美声。
カーテンコールに、日本への応援に奏された「黄金の翼に乗って」
泣けて仕方ありませんでした。
by riko (2011-09-27 12:32)
rikoさま
楽日にいらっしゃったのですね!
オペラのカーテンコールでアンコールがあるなんて良い日にいらっしゃいました。
>フルラネットがオペラのとっかかりなのでヴェルディ大好きです。
なるほど!
私もフルラネットのオッカケをすればヴェルディ苦手を克服できるかも。
>リチートラが付いていてくれたかの様な
本当にリチートラの魂が共に合った良い公演でした。
by kametaro07 (2011-09-27 18:22)