清教徒・・・ボローニャ歌劇場来日公演・・・東京文化会館・・・2011/9/24 [オペラ]
指揮 ミケーレ・マリオッティ
演出 ジョヴァンナ・マレスタ
出演 アントニーノ・シラグーザ、デジレ・ランカトーレ、ニコラ・ウリヴィリエーリ、
ルカ・サルシ
二日続けてオペラ鑑賞すると、印象が飛んでしまってもったいないと以前も思ったことはありましたが、来日公演ラッシュで今回も次の日に「ローエングリン」を聴いてしまったがため、吹っ飛んでしまったような・・・・。
大編成のバイエルンのオケに比べると演目の違いから当然編成が少ないオケですが、考えてみるとボローニャは3演目ともオケの編成数も合唱もバイエルンに比べたら少ない人数ですむはず・・・・
劇場の格という面でもボローニャのチケット代は高すぎ・・・
総統閣下のお怒りもごもっとも、ごもっとも・・・ではありませんか?
清教徒を実演で聴いたのは昨年1月にウィーンでグルベローヴァが出演した公演だけ・・・・。
比べたりするのはナンセンスなのは百も二百も三百も・・・ガッテン承知・・・しかしデータとして残ってしまっているのは消去不能。
今回はさまざまな要因によって微妙な違和感を覚えることがしばしばあり、集中がとぎれがちになってしまったというところでした。
マリオッティ指揮の演奏はカルメンの時と打って変わって、くっきりと陰影が浮き彫りにされてました。
それぞれの役でアリアをゆっくりと歌わせ、場面ごとの印象を深くさせてるのですが、そのゆっくり感が歌手と息が合っていないように思える時があり、少々わざとらしく、ちょっとした間合いに違和感を感じる時も・・・。
しかし単に自分のすり込みから抜け出せなかったということでしょう。
冒頭で長いアリアがあるリッカルド役のサルシは代役ということもあるかもしれませんが、そのゆっくりと歌わされる場面で少々オケと合ってなかったよう、声もこの役に合っているかは疑問に思えました。
でもしっかりとした歌いっぷりで、特に2幕でのジョルジョ役のウリヴィリエーリとの2重唱は聴き応えがあり、幕が降りはじめると演奏が続いているにもかかわらず、拍手のフライング。。。。
今回はこの場面だけでしたが・・・興ざめするのでおやめください・・・フライングした皆様・・・どーかひとつ!お願いしますよ!
この2幕は言わずと知れた狂乱の場があり、「清教徒」の最大の聴かせどころ。
ランカトーレは頑張ってましたが、声質が時々変わってしまって、ここでもやや違和感が・・・
特に低音部の声がなんとも不思議な声になってしまいます。
それでも熱唱、熱演にはブラヴァーでした。
ジョルジョ役のウリヴィエーリが品格のある声で好演して、一番安心して聴いていられました。
シラグーザは今まで何回か聴いたことはありますが、優しさと力強さの両方を兼ね備えた歌声で、ガッツのある人、頼もしい人という印象があります。
この公演の前の藤原歌劇団公演では今ひとつ調子よくないような噂を耳にしていましたが・・・
1幕ではそれほど調子悪くなく、正義感溢れ、凛とした印象で心地よい声を響かせていました。
いつもの力強さはありませんでしたが、役柄によるものにも思え、代役としてこの一公演だけの登場という不安も感じさせず、演出にも溶け込んでました。
しかし3幕途中から失速・・・・
声が伸ばしきれなかったり、最後の高音も力なく・・・。
狂乱の場に続き、もうひとつの聴かせどころも。。。。。。
やはり体調が万全でなかったのでしょう。
でもアルトゥーロは難役です。
代役を引き受けてくれたことに感謝!です。
演出は可もなく不可もなく。
以上、
個人的にはボローニャ歌劇場の3公演の中ではリチートラの魂が共に合った「エルナーニ」が一番!でした。
演出 ジョヴァンナ・マレスタ
出演 アントニーノ・シラグーザ、デジレ・ランカトーレ、ニコラ・ウリヴィリエーリ、
ルカ・サルシ
二日続けてオペラ鑑賞すると、印象が飛んでしまってもったいないと以前も思ったことはありましたが、来日公演ラッシュで今回も次の日に「ローエングリン」を聴いてしまったがため、吹っ飛んでしまったような・・・・。
大編成のバイエルンのオケに比べると演目の違いから当然編成が少ないオケですが、考えてみるとボローニャは3演目ともオケの編成数も合唱もバイエルンに比べたら少ない人数ですむはず・・・・
劇場の格という面でもボローニャのチケット代は高すぎ・・・
総統閣下のお怒りもごもっとも、ごもっとも・・・ではありませんか?
清教徒を実演で聴いたのは昨年1月にウィーンでグルベローヴァが出演した公演だけ・・・・。
比べたりするのはナンセンスなのは百も二百も三百も・・・ガッテン承知・・・しかしデータとして残ってしまっているのは消去不能。
今回はさまざまな要因によって微妙な違和感を覚えることがしばしばあり、集中がとぎれがちになってしまったというところでした。
マリオッティ指揮の演奏はカルメンの時と打って変わって、くっきりと陰影が浮き彫りにされてました。
それぞれの役でアリアをゆっくりと歌わせ、場面ごとの印象を深くさせてるのですが、そのゆっくり感が歌手と息が合っていないように思える時があり、少々わざとらしく、ちょっとした間合いに違和感を感じる時も・・・。
しかし単に自分のすり込みから抜け出せなかったということでしょう。
冒頭で長いアリアがあるリッカルド役のサルシは代役ということもあるかもしれませんが、そのゆっくりと歌わされる場面で少々オケと合ってなかったよう、声もこの役に合っているかは疑問に思えました。
でもしっかりとした歌いっぷりで、特に2幕でのジョルジョ役のウリヴィリエーリとの2重唱は聴き応えがあり、幕が降りはじめると演奏が続いているにもかかわらず、拍手のフライング。。。。
今回はこの場面だけでしたが・・・興ざめするのでおやめください・・・フライングした皆様・・・どーかひとつ!お願いしますよ!
この2幕は言わずと知れた狂乱の場があり、「清教徒」の最大の聴かせどころ。
ランカトーレは頑張ってましたが、声質が時々変わってしまって、ここでもやや違和感が・・・
特に低音部の声がなんとも不思議な声になってしまいます。
それでも熱唱、熱演にはブラヴァーでした。
ジョルジョ役のウリヴィエーリが品格のある声で好演して、一番安心して聴いていられました。
シラグーザは今まで何回か聴いたことはありますが、優しさと力強さの両方を兼ね備えた歌声で、ガッツのある人、頼もしい人という印象があります。
この公演の前の藤原歌劇団公演では今ひとつ調子よくないような噂を耳にしていましたが・・・
1幕ではそれほど調子悪くなく、正義感溢れ、凛とした印象で心地よい声を響かせていました。
いつもの力強さはありませんでしたが、役柄によるものにも思え、代役としてこの一公演だけの登場という不安も感じさせず、演出にも溶け込んでました。
しかし3幕途中から失速・・・・
声が伸ばしきれなかったり、最後の高音も力なく・・・。
狂乱の場に続き、もうひとつの聴かせどころも。。。。。。
やはり体調が万全でなかったのでしょう。
でもアルトゥーロは難役です。
代役を引き受けてくれたことに感謝!です。
演出は可もなく不可もなく。
以上、
個人的にはボローニャ歌劇場の3公演の中ではリチートラの魂が共に合った「エルナーニ」が一番!でした。
2011-09-26 22:27
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コメント(8)
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こんにちは。なんか、私の感想と全く一緒で、なんとなく嬉しく、なんとなく笑っちゃいました。
シラグーサは、好調だったら多分聴衆をもっと熱狂させたことでしょう。でも、本当にピンチを救ってくれただけで感謝ですね。もう一人のセルソ・アルベロ、聴いてみたかったですね。
エルナーニが一番良かったというのも同感です。おっしゃるとおり、リチートラの魂が乗っかっていたのでしょう。
by hbrmrs (2011-09-27 20:22)
こんばんは。
私達、ボローニャ3公演は同日だったみたいですね。
実は私は以前からkametaroさんと似た感想だっり好みだったりすることが比較的多いのではないかと勝手に思っておりました。
私はまだ海外で観たことがないのですが、何に目標?目的?を絞っていいのか分からなくて、とりあえず来日公演・国内オペラをなるべくたくさん観てきました。震災の有無に限らずもともとバイエルンを区切りとしていい加減に自分の方向性を決めようとも思っていました。(難しそうですが、、、)
好みが比較的似ているような気がするkametaroさんに是非今後のご相談にのって頂きたいのです。あ、私は割と雑食系です(^^),,,
また後で是非是非お願いします。
by sora (2011-09-27 21:40)
こんばんは
楽日にご覧になったんですね。 私は初日でしたが、こじんまりとして、柔らかい音に、主張しないオケに聞こえて、拍子抜けしました。 これの前のオペラがSalzburgのMutiというのも敗因かもしれません。 1か月たっているというのに、耳が忘れていないようで、困ったものです。
代役できてくれたセルソ君は、よかったです。 最初は、緊張しているのが遠い客席からも、見て取れましたが、すこしづつりラックスしてきましたし。 最後は、果敢に超高音にチャレンジしましたが・・・。 でも、いくらテノールだといっても、Actobat singingだけが、オペラではないと思います。 彼の、自然に歌っている声は美しかった。 それに彼は高音もフォルセットではないのでは? これから着実にキャリアアップしていってほしいです。
by Kew Gardens (2011-09-27 23:50)
kametaroさま
鑑賞した日は違いますが(私は17-19日と連続してボローニャ聴きました)、3演目の中では、私もエルナーニに一番満足しました。
清教徒は、代役のアルベロも頑張っており悪くなかったのですが、イタリアの歌劇場によるベルカントもの、ということで、もっともっと熱いものを期待していたら、オケが意外に端正でさらさらした感じだったので、個人的には少し残念に思ってしまいました。
Kew Gardensさまが上でコメントされてますが、ボローニャ来日公演前に聴いたオペラが、ザルツブルグのティーレマンやムーティ、ミンコフスキだったので、素人なりに耳が贅沢になってしまっていたのもあるかもしれません。
そして、25日にバイエルンのローエングリン聴いて、ボローニャの印象が更に薄れてしまったかも??
kameratoさまのローエングリンの記事、楽しみにしております!
by Ree (2011-09-28 08:24)
hbrmrsさま
ご一緒だったのですね。
聴き所が本来の「清教徒」とはちょっと違うような・・・でしたね。
拍手のフライングもここじゃありませんから・・・と言いたくなりました^^;
シラグーザは他に歌える人がいたらキャンセルしているような体調だったのではないでしょうか?
やはりガッツのある人だと思いました。
by kametaro07 (2011-09-28 16:43)
soraさま
全部ご一緒だったとは!
>似た感想だっり好みだったりすることが比較的多いのではないかと
それは嬉しいです^^。
私も雑食ですが、リンデンの「パルジファル」がオペラにハマッたきっかけですし、ドイツ語圏はオケのレベルも観客のマナーも成熟してますから、安心して音楽空間に浸れるので好んで行ってます。
特にドイツは公的資金のおかげでお手頃価格で楽しめますし、何よりグルベローヴァもパーペもドイツ中心に活躍してますしね。
作曲家で選ぶのも良し、指揮者や歌手をオッカケるのも良し、いずれも一興です。
でも思わぬところで新たな発見があるのもオペラですから、観たいものを観るということで良いような気もしますが・・・・^^;
またぜひお越しください。
by kametaro07 (2011-09-28 17:39)
Kew Gardensさま
>柔らかい音に、主張しないオケに聞こえて、拍子抜けしました。
私も「カルメン」の時に同様の感覚で、耳が悪くなったかと思ってしまいました^^;
「清教徒」の方が「カルメン」に比べたら主張していたと思います。
ザルツの音はなかなか抜けませんね。
>セルソ君
高音もファルセットではないと聞きました。
私も聴きたかったのですが、台風にメゲてしまいました。
次の機会を待ちたいと思います。
by kametaro07 (2011-09-28 17:50)
Reeさま
>素人なりに耳が贅沢になってしまっていたのもあるかもしれません。
ザルツへ行った人達はみんな同様の感覚に襲われたということですね。
バイエルンの音を聴いてなんだかホッとするような^^;
違和感なく、安心して音楽空間に浸れる心地よさを味わってました。
100名の団員が来日拒否したということよりもNHKホールということが懸念でしたが、ほとんど気にならず、満足でした。
ここ数日書く暇がないので、週末までアップできないかもしれません。
by kametaro07 (2011-09-28 18:02)