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ドン・カルロ・MET来日公演・NHKホール・2011/6/18 [オペラ]

指揮: ファビオ・ルイジ
演出: ジョン・デクスター
ドン・カルロ: ヨンフン・リー
エリザベッタ: マリーナ・ポプラフスカヤ
ロドリーゴ: ディミトリ・ホロストフスキー
エボリ公女: エカテリーナ・グバノヴァ
フィリッポ2世: ルネ・パーペ
宗教裁判長: ステファン・コーツァン


改めて書くまでもなく、これはド・ド・ド・・・ドが十個くらいついてしまう素人の感想です。
最近更新もしてないのですが、なぜか徐々にアクセスが増えていてノミの心臓の[猫]は恐怖に似たものを覚えとります(vv;

さて豪華キャストを日本公演のために揃えてくれたMETが終わってしまいました。
困難を乗り越えて来日を果たしてくれたことに感謝です。

豪華キャストということではありますが、特別に集まるという面もあり、鑑賞するなら慣れてくる後の方が良いだろうという予想のもと、最後の2日で3公演を観るという選択をしました。

ルイージはドレスデンで二回、ミュンヘンで一回聴いてますが、そのうちのひとつが「リゴレット」です。
テンポの伸び縮みで躍動感と推進力を生み出した素晴らしい演奏でした。
出演者のダムラウ、ルチッチはそれぞれの良さを際立たせてましたが、フローレスは素晴らしいながらも、一瞬先走りしそうに・・・。
作品全体をしっかりと構築するタイプで全ての歌手が歌いやすいかといえば、否であろうという印象でした。
しかし、それはドレスデンで音楽監督として取り組んだ公演の話。

今回は歌手が歌いやすいように仕上げるだろうとは思っていましたが・・・・。

おおむねその通り。
ほとんどテンポの変化はなく、要所要所での変化があるのみ、これが正統派ヴェルディの演奏なのでしょうかね?
問題はオケに覇気がない・・・ひたすら真面目に間違えないように慎重に演奏しているかのよう・・・
自分自身がヴェルディ不得意ということもあり、特に前半はは退屈。
後半も盛り上がりをみせるかのような変化はあるのですが、また元の木阿弥・・・
物語の背景、人間関係を浮かび上がらせることなく終わってしまった感があります。

でもなんといってもこの公演のコンセプトは豪華キャストの声と歌を堪能すること。
演奏は歌手にとって歌い易いものであれば良いのかもしれません。

歌手はそれぞれ大変ご立派で、急遽来日してくれた歌手の方々を含め充分な出来でした。
よって一人一人について小さな不満はあってもあえて省略。
この公演はもともとパーペさえ出演しなければ観ることもなかったのでパーペのことだけ簡単に・・・。
調子よさそうでした。
ファンの贔屓目だけでしかないかもしれませんが、他のキャストから一人抜きんでていたように思います。
声の響きも一時期密度が薄くなったように聴こえてましたが、以前の濃さにもどりつつあるようにも思えました。
この公演の前もリンデンで歌ってるのでしっかりと仕上がっているのでしょう。
しかし来シーズンもこれでもかってほどフィリッポ、フィリッポ、フィリッポ歌います。
そんなにカバのひとつ覚えみたいに歌わなくてもイイヨ・・・バレンボイム親分と一緒にワグナーを歌っている時が一番良いのだから!
カバって言うと
カバって言う・・・・
こだまでした。
親分がワグナーやる時は全部一緒にやってます。
親分もワグナーばかりやってるわけではありません。
フィリッポはまだまだフルラネット大先輩に歌っていただいた方が・・・と思う部分もあるのですが・・・
(自分がヴェルディ不得意なため、そんなに歌わなくて良いという勝手な言い分です)
大先輩はこのところ他の役でお忙しいようで、パーペに回ってきてしまうようです。

脱線しました。
公演のことに話をもどします。
現在のハイトナー演出はROHで観たことがありますが、セットは一幕のフォンテーヌブローのシーン以外はあまり好きではないので、この古いセットでも良いと思えました。
しかしパーペとホロストフスキー以外はこの演出は初めてということで急遽キャスト・チェンジで来日してくれた人達は演技のことまでつめることは難しかったでしょう。
それぞれの心情を表現する歌は聴き応えはあっても、人間関係を浮き彫りにしたかというと・・・何回か見えてきそうになっても、演奏と一緒にいつの間にか元の木阿弥・・・・結局ストーリー性は浮かばず・・・でもそれを急遽来日した歌手に要求するのは酷というものです。
尚、衣装についてですが、宗教裁判長がどう見ても白いエプロンをつけたサンタクロースにしか見えず・・・お声も若かったのでちょっと浮いてました。

全体の印象は見事な歌合戦・・・・パチパチパチ。
それで良しとしておきましょう。

それにNHKホールの音響はやはり問題。
安席で鑑賞していると歌手の声と演奏のバランスがライブビューイングのようで、これだったらライブビューイングで良い・・・と、この日は思ってしまったのでした。

ところでグバノヴァが「呪われし美貌」を歌っていた時のこと、地震がありましたが、グバノヴァもオケも何事もなかったように続けました。
ドキっとしたと思いますがプロでした。

またこの日の観客は拍手が早すぎ・・・・
いくら存在感の薄い演奏とはいえちょっと考えもの・・・・。

以上公演の感想、以下蛇足です。

時々ご近所の仲間と井戸端会議ならぬスタバ会議をしてるのですが・・・
以前オペラ映画やライブビューイングを誘って観にいったところ、最近ライブビューイングにハマッてるらしく、「ワルキューレ」を観にいこうと誘われました。
[猫]「それより来日公演観にいったほうが良いでしょ。せっかく来日してるんだから。」
「何言ってるの?メトは日本ではライブビューイングで充分。こんな値段出すんだったら格安チケットでNYに行った時観ればイイの!」
ちなみにこの連中・・・何回かNYに行ってメトで観てます。
それで誰が出演したの?指揮は?と聞くと・・・
「え?そんなの誰だか忘れたけど・・・みんな外人。」
という[猫]と似たり寄ったりのド素人連中。
聞くだけヤボでした^^;

格安航空券とライブビューイングとで本場に観にいく人が増え、その分来日公演を高いチケットを購入してまで観にいこうという人は減ったのかもしれません。
週末だということで「ドン・カルロ」はそこそこ埋まってましたが、日曜の「ルチア」「ボエーム」は空席が目立ちました。
確かにバブル時代のような値段の設定は???です。
震災がなかったとしても売れ行きが悪かったかもしれません。
特に今年は来日公演ラッシュということで全部お付き合いというわけにもいかないということもあるでしょう。
招聘元は他の歌劇場の来日時期も考慮した方が良いのでは?
今年ほど重ならなければもっと集客可能だったような気もします。

もったいない空席でした。

なかなかNYまで行けない人も大勢います。
次の来日公演がいつになるかは?ですが、招聘元には時期と値段設定を考慮していただきたいものです。
それにNHKホール以外でお願いしたいです。


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Sheva

ハロー!パーペさま素敵でしたよね。ルチアの記事楽しみにしています。
by Sheva (2011-06-22 08:15) 

kametaro07

Shevaさま
ハロー!
ルチアの記事アップ完了。
ルチッチも素敵でした。
by kametaro07 (2011-06-22 23:10) 

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