ランメルモールのルチア・MET来日公演・東京文化会館・2011/6/19 [オペラ]
指揮 : ジャナンドレア・ノセダ
演出 : メアリー・ジマーマン
ルチア : ディアナ・ダムラウ
エンリーコ : ジェリコ・ルチッチ
エドガルド : ピョートル・ベチャワ
ライモンド : イルダール・アブドラザコフ
アリーサ : テオドラ・ハンスローヴェ
アルトゥーロ : マシュー・プレンク
ノルマンノ : エドゥアルド・ヴァルデス
ダムラウ渾身のルチアでした。
今までルチアはモシュクとネトレプコで聴いてます。
ネトレプコについてはさておき^^;
モシュクのルチアはひたすら脆く儚く・・・・桜吹雪のルチアという印象でした。
ダムラウのルチアの印象は脆く儚くではありません。
脳裏に浮かんだのはゲーテの詞「野ばら」
私を折らないで・・・トゲで傷つけるわ・・・
可憐に咲く真っ赤な野ばらが無情にも手折られた憐れさ、トゲで傷つく痛み・・・・
狂乱の場では目が回らないかと思うほど激しくまわりながら歌ったり、横たわって歌ったり・・・・内面からあふれ出てくるような無理のないコロラトゥーラは突風に真っ赤な花びらを散らすような鮮明な印象を残しました。痛々しさが胸をうちます。
フルートと共にグラスハーモニカが一部効果的に使われてましたが、ウィーンのネトコのルチアでは狂乱の場ほとんど全部フルートの代わりに使用されてましたましたから、おそらく違う種類のグラスハーモニカだと思われます。
ノセダ指揮の演奏は今まで聴いたものとちょっと違う間合い、テンポだった部分があり、狂乱の場の後半、ここでブンチャッチャッが入る?と思ったときもあったのですが、おそらく最終日ということでダムラウに疲れがあったのでしょう。息を整えるのに時間がかかったか?単に入りを間違えたか?
全体的にいっても歌手の演技、歌に合わせた演奏で、それが演劇のように各シーンを印象的なものとし、ダムラウ迫真のルチアを生んだのではないでしょうか?
ダムラウに圧倒されて他の出演者がオマケになってしまいそうでしたが・・・
ベチャワは3月にロミオで聴いた時は調子悪いが歌うというアナウンスがあったのですが、今回はしっかりとその実力を発揮したでしょう。
声も姿も誠実な好青年の印象で、高音で適度な泣きがはいるのもせつなくて良い感じ。
最後の墓場の場面では聴かせてくれました。
ナイフで自らを刺した後の歌い方ですが、以前聴いたカレーヤは演劇的な苦しみは少なく、音楽的にしっかり歌いましたが、フィリアノーティは演劇的にすごく苦しそうに歌ってました。
これは演出あるいは指揮者の意図による場合もあるかもしれませんが、今回ベチャワの歌い方は適度な苦しさで歌われ、演劇的にも音楽的にも自然な表現だったと思います。
ルチッチはドレスデンのリゴレット以来です。
大柄で演技が不器用そうに見えるのに、微妙にさまざまな雰囲気をかもし出す人で、やはり声と歌の魅力なのかな?と思っている結構好きなバリトンですが、なかなかその後ご縁がありませんでした。
ヴェルディの印象が強い人ですから、エンリーコにキャスティングされたのは意外でしたが、ダムラウと一緒に聴けるのは嬉しいことでした。
今後も歌うことは滅多にないでしょうから貴重なルチッチのエンリーコでしょう。
ただエンリーコを歌ってもヴェルディ調だったように思え、演奏が歌手に合わせているだろうということをルチッチの歌でも想像できました。
ルチッチの歌とブンチャッチャもあったことが重なってヴェルディ調が見え隠れしてたような印象が残ってしまいましたが、決してマイナス要素ではありませんでした。
ダムラウとの2重唱の緊迫感、嵐の場のベチャワとの2重唱の迫力、聴き応え充分でした。
アブドラザコフも納得の出来。
もちろん有名な婚礼の場の6重唱も良かったです。
もう一度聴いてみたい!ダムラウのルチア!(些細なことではありますが、できたらお疲れでない時、ブンチャッチャッなしで)
演出 : メアリー・ジマーマン
ルチア : ディアナ・ダムラウ
エンリーコ : ジェリコ・ルチッチ
エドガルド : ピョートル・ベチャワ
ライモンド : イルダール・アブドラザコフ
アリーサ : テオドラ・ハンスローヴェ
アルトゥーロ : マシュー・プレンク
ノルマンノ : エドゥアルド・ヴァルデス
ダムラウ渾身のルチアでした。
今までルチアはモシュクとネトレプコで聴いてます。
ネトレプコについてはさておき^^;
モシュクのルチアはひたすら脆く儚く・・・・桜吹雪のルチアという印象でした。
ダムラウのルチアの印象は脆く儚くではありません。
脳裏に浮かんだのはゲーテの詞「野ばら」
私を折らないで・・・トゲで傷つけるわ・・・
可憐に咲く真っ赤な野ばらが無情にも手折られた憐れさ、トゲで傷つく痛み・・・・
狂乱の場では目が回らないかと思うほど激しくまわりながら歌ったり、横たわって歌ったり・・・・内面からあふれ出てくるような無理のないコロラトゥーラは突風に真っ赤な花びらを散らすような鮮明な印象を残しました。痛々しさが胸をうちます。
フルートと共にグラスハーモニカが一部効果的に使われてましたが、ウィーンのネトコのルチアでは狂乱の場ほとんど全部フルートの代わりに使用されてましたましたから、おそらく違う種類のグラスハーモニカだと思われます。
ノセダ指揮の演奏は今まで聴いたものとちょっと違う間合い、テンポだった部分があり、狂乱の場の後半、ここでブンチャッチャッが入る?と思ったときもあったのですが、おそらく最終日ということでダムラウに疲れがあったのでしょう。息を整えるのに時間がかかったか?単に入りを間違えたか?
全体的にいっても歌手の演技、歌に合わせた演奏で、それが演劇のように各シーンを印象的なものとし、ダムラウ迫真のルチアを生んだのではないでしょうか?
ダムラウに圧倒されて他の出演者がオマケになってしまいそうでしたが・・・
ベチャワは3月にロミオで聴いた時は調子悪いが歌うというアナウンスがあったのですが、今回はしっかりとその実力を発揮したでしょう。
声も姿も誠実な好青年の印象で、高音で適度な泣きがはいるのもせつなくて良い感じ。
最後の墓場の場面では聴かせてくれました。
ナイフで自らを刺した後の歌い方ですが、以前聴いたカレーヤは演劇的な苦しみは少なく、音楽的にしっかり歌いましたが、フィリアノーティは演劇的にすごく苦しそうに歌ってました。
これは演出あるいは指揮者の意図による場合もあるかもしれませんが、今回ベチャワの歌い方は適度な苦しさで歌われ、演劇的にも音楽的にも自然な表現だったと思います。
ルチッチはドレスデンのリゴレット以来です。
大柄で演技が不器用そうに見えるのに、微妙にさまざまな雰囲気をかもし出す人で、やはり声と歌の魅力なのかな?と思っている結構好きなバリトンですが、なかなかその後ご縁がありませんでした。
ヴェルディの印象が強い人ですから、エンリーコにキャスティングされたのは意外でしたが、ダムラウと一緒に聴けるのは嬉しいことでした。
今後も歌うことは滅多にないでしょうから貴重なルチッチのエンリーコでしょう。
ただエンリーコを歌ってもヴェルディ調だったように思え、演奏が歌手に合わせているだろうということをルチッチの歌でも想像できました。
ルチッチの歌とブンチャッチャもあったことが重なってヴェルディ調が見え隠れしてたような印象が残ってしまいましたが、決してマイナス要素ではありませんでした。
ダムラウとの2重唱の緊迫感、嵐の場のベチャワとの2重唱の迫力、聴き応え充分でした。
アブドラザコフも納得の出来。
もちろん有名な婚礼の場の6重唱も良かったです。
もう一度聴いてみたい!ダムラウのルチア!(些細なことではありますが、できたらお疲れでない時、ブンチャッチャッなしで)
2011-06-22 13:41
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コメント(2)
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ありがとうございます。早速upしていただいて感謝です。19日ご覧になられたのですね。耳の肥えているkametaroさんにはいい選択だと思います。歌唱的に一番のテノールはやはりベチャワでしたから。ボエームの初日はもっと良かったです。彼って疲れがたまるタイプかもしれません。ダムラウも初日がベストでした。
by Sheva (2011-06-23 07:54)
Shevaさま
身体はやや肥えておりますが、耳は肥えてないと思います^^;
カレーヤのエドガルドは聴いたことがあるので、ベチャワを選んだのです。
今回はちょっと寄せ集めのようなところがありますから、後半の方が馴染んでくるかと思ったということもありますが、なるほど歌手さんが疲れてくるということも考えなくてはいけませんね。
ルチアを何回もご覧になれて羨ましいです。
今回私自身の選択で一番正解だと思ったのは最終日のボエームを観れたことです。
by kametaro07 (2011-06-23 22:27)