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西部の娘・・・Opernhaus Zürich・・・2010/11/14 [オペラ]

画像 1088.jpg
右から2番目ハリー役の北嶋さん、ご活躍です!

La Fanciulla del West / Puccini

Dirigent Massimo Zanetti
Inszenierung David Pountney
Choreinstudierung Ernst Raffelsberger

Emily Magee (Minnie); Ruggero Raimondi (Jack Rance), Jose Cura (Dick Johnson), Shinya Kitajima (Harry), Davide Fersini (Jack Wallace), Martin Zysset (Nick), Giuseppe Scorsin (Ashby), Cheyne Davidson (Sonora), Tomasz Slawinski (Sid), Pablo Ricardo Bemsch (Trin), Kresimir Strazanac (Bello), Boguslaw Bidzinski (Joe), Thomas Tatzl (Happy), Valeriy Murga (José Castro), Simon Wallfisch (Postillon), Aaron Agulay (Larkens), Thomas Forde (Billy); Bettina Schneebeli (Wowkle)

この日は昼と夜のニ公演。
一日ニ公演があるのはこことMETくらいでしょうか。

ザネッティ指揮のオケが全く不安なく、勢いと緊張感を終始維持してドラマティック!
主要キャスト3人の力強い歌唱にはプッチーニの醍醐味を堪能させてもらいました。
つまり音楽的には文句なし・・・・
って何か文句ありそうな書き方をしますが・・・・
ハイ・・・贅沢[猫]は言わせていただきます・・・って[猫]じゃなくても皆同じ事を思ったに違いない・・・のです。
演出もオーソドックスでほとんど良い・・・・・けどね・・・・

クーラは2008年に「ル・シッド」でここチューリッヒで聴けるはずだったのが、お父上の急逝でキャスト・チェンジ。
その後いつか機会があれば・・・と思っていたのになかなかご縁なく今回に至りました。
このところ軽めのテノールばかり聴いていたので登場時にはあれ?テノール?
でも高音では、なるほど!ポスト3大テノールと言われるのが納得!

圧巻は2幕です。
マギーとクーラのやり取りは二人共声に力があるだけでなく、熱い!
二人のパフォーマンスにぐいぐい惹きつけられます。
そして正に聴かせどころ!・・・・
突然ガタっと音がしたと思ったらセットの壁がゆっくりと後ろへ倒れ・・・・なんてこと[むかっ(怒り)]今日はオケでなくセットが崩壊[exclamation&question]
外は吹雪の場面ですから、二人にその吹雪がかかります。
その聴かせどころが終わったところでギーと音がして壁が元へもどる・・・・・こ・これって・・・・
そういう演出なわけ・・・・ハァ~~~?
あのねー・・・・・こんなに素晴らしいパフォーマンスを二人がしている時にガタッとかギーとかって音たててまで背後全面吹雪にしたい???
勘弁してくださいよ・・・どうか・・・ひとつ・・・・
家の中にいるのに突然全面吹雪って・・・・そんな「国定忠治」みたいな田舎芝居風にしなくったって・・・・いえ、「国定忠治」が全面吹雪の背景なのかも知りませんけど、イメージです・・・・クサイ田舎芝居のイメージなんですよ・・・この部分だけ・・・・モ~~~~~
公演毎、この二人の聴かせどころでガタッとかギーとかやっているかと思うと[猫]の小さな小さなハートは痛くて痛くて・・・・・・
冗談抜きにこの二人の熱唱を静かに聴かせて!・・・なのです。

さてその後のミニーとランスの賭けの場面、
ガタガタと手を振るわせるミニー、ミニーの身を案じるが故に易々と騙されてしまい、すぐ騙されたと分かっても去っていくランス・・・マギーとライモンディの緊張感みなぎる演技も見事です。

ライモンディはロールデビューということですが、そんなこと超ベテランにはどーってことないのですね。
力強く響く声はまだまだ現役続行OK。
3月来日公演も楽しみです。

何故かこの公演はドイツ語も英語も字幕なし。
でもそんなもの必要ないと思えるほど演出も分かりやすいし、プッチーニの音楽とマギー、クーラ、ライモンディに聴き入った公演でした。

もちろんカーテンコールはブラヴィー!

席が最上階だったので小さい劇場とはいえ舞台はそこそこ遠く、[猫]のお粗末撮影ではカーテンコールの写真もマシに写ったのは一枚だけ・・・・。
画像 1089.jpg
でも昼間の公演だったのでデマチしました。

クーラはふと気づくと外に・・・他のファンの人達が捕まえていてくれたから、なんとかサインをゲットできました。
どうもお急ぎのようでしたが、すごくニコニコと優しい!


マギーとライモンディはごゆっくりとご登場。
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二人共すぐに常連さんたち?お知り合い?と思われる人達とずっとオシャベリ・・・お話の邪魔しちゃ悪いと思いながらも、その他の人達は列に並んでサインをゲットでした。





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keyaki

Kametaroさん
出待ちの写真ありがとうございます。
ライモンディの追っかけさんたちも、とてもよかったとコメントしてました。
クーラは、得意のレパートリーですし、ライモンディも初役とはいえ、気心の知れたクーラとの共演なのでこころ強かったと思います。
なかなか好評だったようで、よかった、よかった....です。

しかし、壁が倒れるって....舞台事故かと勘違いするような演出なんですね。変な演出でも、ビッグな3人が出演ですから、DVDにして欲しいです。
by keyaki (2010-11-26 01:19) 

kametaro07

keyaki さま
>舞台事故かと勘違いするような演出
そうなんです。
本当にこの一部分だけで、後はなかなか良くできた演出なのですが・・・・。
これがマギーとクーラの熱唱に聴き入っている時にガタっとやられるものですから・・・余計なことしないで!と思ってしまいました。
どうしてもやりたければ、少なくとも音をたてずに、静かにお願いしたいです。

見応え聴き応えのある公演です。
DVDになるといいですね。
by kametaro07 (2010-11-26 14:15) 

りょー

kametaroさま
はじめまして。
Keyakiさん経由でお邪魔しました。公演をご覧になったそうで、とても羨ましいです。ここでこうやって感想をお聞きできてとても嬉しいです。

>舞台事故

チューリヒの演出は見たことがないのですが、実はこのシーンのリブレットのト書きには
 「扉が何度も激しく繰り返し開閉する。
 吹雪が荒れ狂い、雪が部屋の中に舞い込んでくる」
と指示されてるんですよ^^;原作が西部劇の戯曲なせいか、微妙~にコメディなんですよね…ジョンソンがウォークルを追い出すのも…。ROHのモシンスキーの演出でも、バタンバタンとドアや窓が開閉して雪が舞い込んでました。ここは、「ヾ(・・ )ォィォィ」って突っ込みを入れて正解なんだとおもいます。でも、歌から注意が逸れるほど音をたててやらないでほしいですけどね。

それにしても、Le Cidは残念でしたが、ジョンソンはクーラの素のまま(?)の当たり役ですから、kametaroさんに聴いていただけて一ファンとしても嬉しいです。

舞台裏の写真も見せていただいて、ありがとうございます。
by りょー (2010-11-26 23:51) 

hbrmrs

私の大好きな西部の娘をご覧になったなんて、ウラヤマシすぎます。

この曲、単なる三角関係物語ではなく、背景に労働者どもの温かい心や故郷へのノスタルジーが盛り込まれていて、なかなか泣けると思います。

クーラは全力で歌っていましたか?好不調の波があったり、時に手抜きがあったりするやっかいな歌手ですが、全力を出した時のクーラには誰もかなわない強いオーラとパワーがあります。今回良かったとしたら、それはラッキーでしたね!

壁が倒れるというのも、D・パウントニーだったらやりかねないなあ。なんかやる演出家だからなあ。

kametaroさんが西部の娘をご覧になったので、私も来年鑑賞を計画しようと思います。もちろん、向こうでね!(笑)
by hbrmrs (2010-11-27 06:18) 

kametaro07

りょーさま
はじめまして
>リブレットのト書き・・・
確かに
 「扉が何度も激しく繰り返し開閉する。
 吹雪が荒れ狂い、雪が部屋の中に舞い込んでくる」
という演出で扉がバタンバタン・・閉じた勢いで壁に掛けてあるものがガタンとおちたり・・・でした^^。
でもそれは自然な状況の中で演技も伴っていたので気にならなかったのですが、二人の愛の二重唱の最中に突然、家の壁全体がガタっと向こう側へ倒れていった時は・・・エッ!
その後また壁が戻ってきたので・・・・ハァ~???でした^^;

クーラの熱い力強さはやはり他の人ではなかなか味わえない魅力がありますね。
改めてル・シッドでも聴きたかったと思ってしまいました。

>舞台裏の写真
何かご用でもあったのでしょう。お急ぎのご様子だったので、正面から撮らせてくださいと声をかけるのを遠慮してしまいましたが、ニコっと満面の笑みでサインしてくれて、とっても優しそうな方でした。


by kametaro07 (2010-11-27 17:20) 

kametaro07

hbrmrs さま
>私の大好きな西部の娘
そう、お好きでらっしゃいましたね。書いてらっしゃったのを覚えております。
確かAFのトラブルでアムステルダムでご覧になる予定が・・・アッ思い出させて失礼・・・パンチ!ですね。
仰るように無調を取り入れた劇的な激しさと、しんみりジーンとくる優しさと、多様な美しさを堪能できる音楽ですね。

>全力を出した時のクーラには誰もかなわない強いオーラとパワーがあります。
ハイ。とっても好調で、役になりきっているというより、りょーさんが書いてらっしゃるように素のままジョンソンのオーラでした。

来年ぜひ!ご覧下さい。
by kametaro07 (2010-11-27 17:55) 

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