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ディオニュソス・・・Haus für Mozart・・・2010/8/8 [オペラ]

画像 1455.jpg
???会場に入ってまず目についたのがこの幕???でしょ。。。この写真はプログラムから。
幕の絵はセット・デザインのメーゼによるもの。

Dionysus / Wolfgang Rihm

Ingo Metzmacher, Conductor
Pierre Audi, Stage Director
Jonathan Meese, Set Design
Jorge Jara, Costume Design
Jean Kalman, Lighting
Martin Eidenberger, Video
Klaus Bertisch, Dramaturgy
Jörn H. Andresen, Chorus master

Johannes Martin Kränzle, N.
Mojca Erdmann, First Soprano
Elin Rombo, Second Soprano
Matthias Klink, “A Guest” / Apollo
Virpi Räisänen, Mezzo-soprano
Julia Faylenbogen, Contralto
Uli Kirsch, “The Skin”
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
Concert Association of the Vienna State Opera Chorus

猫という動物は好奇心の塊のような動物です。
[猫]も例外ではなく好奇心だけは旺盛。。。

この公演についてはチケットをこちらに来てから購入しました。
ワールド・プレミアなるものを体験したかったのですが。。。
尚、チケット・オフィスで購入するよりネットで購入した方が安いということに気づき、ネット購入。
チケット引取りはフェルゼンライトシューレにあるチケット・オフィスではなく、祝祭劇場の右の通りを渡って左に少し行ったところにあるボックス・オフィスで引き取ります。

ハウス・フュア・モーツァルトはフェルゼンライトシューレと同じ建物内にあります。
劇場内に入ってすぐ幕を見て???マズイ。。。
購入したプログラムを見たら。。。演出はアウディ。。。METの「アッティラ」ターザン・ヴァージョンの人だ~~~。。。脳みそが筋肉になる。。。頭ズキンズキンの頭筋オペラにちがいない。。。
だいたい「ルル」でさえ100年早いよって思ってるのだから現代音楽なんて鑑賞するのは200年早い。。。好奇心が勝ってチケット買ってしまったのは失敗か。。。?

もちろん鑑賞するにあたってちょっとはネットで調べてみましたが、ワールド・プレミアですから、あらすじは載ってないのは当たり前、Wikiでディオニュソスを調べたら・・・セメレの息子・・・そして・・・
。。。。。。。
フリードリヒ・ニーチェは、ディオニューソスを陶酔的・激情的芸術を象徴する神として、アポローンと対照的な存在と考えた(『音楽の精髄からの悲劇の誕生』もしくは『悲劇の誕生』)。このディオニューソスとアポローンの対比は思想や文学の領域で今日でも比較的広く知られており、「ディオニューソス的」「アポローン的」という形容、対概念は、ニーチェが当時対象としたドイツ文化やギリシア文化を超えた様々な対象について用いられる。
。。。。。。。
以上Wiki丸写し。。。

公演の説明には作曲家リームはニーチェの詩、Dionysus-Dithyrambs からインスピレーションを受け、この作品を創作したとあります。

登場人物のNはニーチェを表しているのか?
公演にはアポロが登場するのだから『悲劇の誕生』とやらが関係してるに違いない。。。

それで???

思いっきり言い訳をすれば。。。[猫]は文系動物ではありません・・・って言い訳になってないか。。。
とにかく『悲劇の誕生』など知らん。。。勉強したことも多分ない。。。と思う。。。ニーチェくらいは一般教養で勉強したかもしれないが???そんな大昔のこと覚えとらん。。。

見れば分かるかも・・・などという淡く甘い期待も打ちのめされ・・・ズキンズキン。。。という結果になったのでした。。。

普通、公演が始まる前に指揮者が登場して拍手ですが、この公演は真っ暗になると、女性の高い笑い声・・・そのまま幕が開き、音楽が始まります。
休憩の時は幕に休憩ルームの様子が映し出されていて・・・始まる時間だというのに・・・いつまでたってもざわつきが静まらないと思ったら・・・それはPAで流れているもので、そのまま幕が開き音楽が始まったので、ここでも拍手なし。
演奏中もPAが使用されて効果音のように左から右へと音が流れるときがあったり、いかにも現代音楽らしいところもありますが、音楽自体は頭が痛くなるというものではありません。

歌手の人達は魅力的な歌唱を披露していました。
サイト上、第一ソプラノとなってましたが、プログラム上では高いソプラノ・アリアドネのエルドマンは本当に高い!声が美しい。
主役のNは最初声がでない役でしわがれ声を出したり、ファルセットで歌わなくてはいけない部分ありと、大変だと思うのですが、クレンツルは味わいのある歌唱と熱演で伝わるものがあります。
ゲスト、アポロ役のクリンクは淡々としながらもなかなかの歌唱ですが、Nの相棒にも見えたり、宿敵にも見えたり・・・微妙な役どころ。。。

しかし。。。とにかく話の内容がワカラン。。。話が抽象的なら、演出も抽象的。
ラビリンスというセリフが何回か繰り返されるのですが、まさに迷宮。。。「不思議の国の[猫]」状態。。。ラビリンス中。。。ラビリンス虫。。。無視して下さい。。。この感想自体虫シリーズです。。。全く。

最後Nは服を脱がされ、その姿はヤギのように毛が生えていて・・・ディオニュソスというよりパーンのよう・・・。
アポロにその皮まで剥がされてしまって。。。かわいそう。。。「羊達の沈黙」を連想しちゃいますよね。
でもNは真実を悟った。。。だそうです。。。

以上、公演後のワケ分からなかったという感想。。。
復習も試みましたが、ワールド・プレミアだと本当に限られた資料を調べるしかありません。

アリアドネとバーンをWikiで調べてみたら・・・(  )内Wiki丸写し
(アリアドネーはテーセウスに恋をし、彼女をアテーナイへと共に連れ帰り妻とすることを条件に援助を申し出た。テーセウスはこれに同意した。アリアドネーは工人ダイダロスの助言を受けて、迷宮(ラビュリントス)に入った後、無事に脱出するための方法として糸玉を彼にわたし、迷宮の入り口扉に糸を結び、糸玉を繰りつつ迷宮へと入って行くことを教えた。)
(ある時、パーンは竪琴の神アポローンと音楽の技を競うことになった。)

[ひらめき]一幕、湖の場面でアリアドネはNを糸でクルクル巻きに!
ではNはテーセウス???というわけでもなさそう・・・。
「あなたは私のラビリンス」「私はあなたのラビリンス」とかワケ分からないセリフを言っていましたが、最後は私のもとに戻ってくるのよ・・・というのが糸でクルクル巻きの意味か。。。
ギリシャ神話ではアリアドネはディオニュソスとナクソス島で結ばれる・・・それは「ナクソス島のアリアドネ」でもご存知の通り、ディオニュソスはローマ神話のバッカスです。
しかし、その後登場するゲスト・アポロも「私はあなたのラビリンス」とか言い出すから???でしょ。
最後Nの皮はアリアドネの腕の中・・・Nは真実を見出す。。。ディオニュソスは死と再生の神でもあることを意味してるような。。。

Dionysus-Dithyrambsをちらっと見てみましたが、確かにリブレットと重なるフレーズがあります。
でもこのDionysus-Dithyrambs。。。リブレット。。。両方とも、だから何?ってなフレーズの集まり。。。

おそらくこの「ディオニソス」はギリシャ神話をモチーフに、Nが愛と真実を求めるファンタジーなのでしょう。。。
ギリシャ神話、「アポロ的」「ディオニュソス的」概念に馴染んでいるヨーロッパの人達にはきっとおもしろい公演なのでしょうが。。。復習しても[猫]の脳みそのキャパではバンザイお手上げ。。。

終演後は大ブラヴィーでしたが、作曲家のリーム氏も登場。
それはそれは活気に満ちたブラヴォーとなりました。
もっと驚いたのは劇場外で待機している人達が大勢いたこと!!!
みんなリーム氏を一目見たいのでしょう。
ド素人、音楽無知の[猫]は今回初めて知ったのですが・・・^^;

全く猫に小判でスミマセン。。。

頭ズキンズキン状態でいよいよ今回の旅行の目的「エレクトラ」です。
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コメント 6

レイネ

はじめまして、オランダ在住のレイネと申します。今までROMでしたが、初コメントさせていただきます。
このオペラ、来年アムステルダムのDNOでも初演されるので、どんなものなのか、知りたかったんです。世界初演に接することができてよかったですね。
期待と不安のせめぎあいだったことでしょう。
現代物は、初演というのは価値あることだし、また後世に伝えるためにも見なくちゃ、と妙な責任感も感じるのですが、ハズレ、ということも結構ありますよね。博打ですね。
でも、なんとなく面白そうだから、パズルを解く気分で臨み、来年観に行こうと思います。

これからも、よろしくお願いします。
by レイネ (2010-08-14 18:06) 

kametaro07

レイネさま
はじめまして。
私もMusic for a while、拝見させていただいてます。
オランダ在住でらっしゃって、羨ましいです。
この「ディオニュソス」ぜひご覧になってみてください。
やはりNはニーチェを暗示していて、ニーチェの世界観をファンタジー仕立てにしたものだとは思うのですが・・・。
いろいろと深い意味が込められてるに違いありません。
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
by kametaro07 (2010-08-14 22:01) 

Ree

はじめまして。
初めて書き込みさせていただきます。

私もkameraroさんと同じ日に、この「ディオニュソス」とその後のエレクトラのプレミエを鑑賞しました。

「ディオニュソス」、本当に難解なオペラでしたよね・・・
歌手と音楽がなかなか良かったので最後まで聴き届けることができましたが、内容は全く理解できませんでした。
字幕も小さくて見にくいし・・・

でも、終演後は盛り上がり、リームに対するブラヴォー!もすごかったですよね。
この公演を鑑賞しにきているヨーロッパ人は、皆さんニーチェの著作を読んでおり内容を熟知しているのでしょうか??
それとも会場にはリームの信奉者が多数いるのでしょうか??
謎のオペラ体験でした。

ちなみに、翌日月曜には、私もメンヒスベルクからの眺望を楽しみました!

by Ree (2010-08-16 17:31) 

galahad

「ディオニソス」すごーく気になります。 なぜかというと、kametaroさんのレポからモーリス・ベジャールの作品「ディオニソス」との類似を感じるからです。 私はベジャールの「ディオニソス」、大昔に一度しか見たことがないのですがとても好きなので。 ニーチェの詩からのインスピレーションというのがたぶん同じです。 ベジャールのほうは音楽はワーグナーとギリシャ的音楽が使用されていました。 やはり登場人物の中にニーチェが出てきます。(ワーグナーやコジマも出てくるんですが) 頭痛がするかも、ということですが観てみたいな!
by galahad (2010-08-16 18:23) 

kametaro07

Reeさま
はじめまして。
ご一緒にあのラビリンスを体験してらしたのですね^^。
>この公演を鑑賞しにきているヨーロッパ人は、皆さんニーチェの著作を読んでおり内容を熟知しているのでしょうか??
ヨーロッパではおそらく小さい頃からギリシャ神話には馴染んでいるでしょうし、ニーチェは少なくともドイツでは学校で習うでしょう。
次のgalahadさんのコメントにベジャールの「ディオニソス」について書かれてますが、ヨーロッパではニーチェの著作を熟知とまではいかなくても、「アポロ的」「ディオニュソス的」という概念は広く理解されているのではないでしょうか。
>それとも会場にはリームの信奉者が多数いるのでしょうか??
ヴォルフガング・リームはかなり有名な作曲家のようです。
私は知りませんでしたが・・^^;
>翌日月曜には、私もメンヒスベルクからの眺望を楽しみました!
あそこは気持ち良いですね。
今回は眺望を楽しんだだけですが、もし機会があれば近代美術館も見て、テラスでランチかお茶をしながらゆっくり眺望を楽しんでみたいです。

by kametaro07 (2010-08-16 20:05) 

kametaro07

galahad さま
ベジャールの「ディオニソス」でワグナーやコジマが出てくるとのことですが、ニーチェはワグナーに心酔した時期があったからですね。
このリームの「ディオニソス」も「ナクソス島のアリアドネ」のパロディやワグナーをパクッた部分も聴こえてくると感想を書いてらっしゃるオーストリア在住の方のブログを発見しました。
http://happawien.jugem.jp/?eid=663
私は「ナクソス島のアリアドネ」は部分的に聴いたことしかないので分かりませんでしたし、ワグナーも気づかなかったですが・・・^^;
機会があったら迷宮の謎解きをぜひお楽しみください。
by kametaro07 (2010-08-16 20:25) 

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