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トリスタンとイゾルデ・・・Staatsoper UDL・・・2010/4/5 [オペラ]

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Tristan und Isolde / Richard Wagner

Musikalische Leitung Daniel Barenboim
Inszenierung Harry Kupfer
Bühnenbild Hans Schavernoch
Kostüme Buki Shiff
Chöre Eberhard Friedrich

Tristan Peter Seiffert
König Marke René Pape
Isolde Waltraud Meier
Kurwenal Roman Trekel
Melot Reiner Goldberg
Brangäne Ekaterina Gubanova
Ein Hirt Florian Hoffmann
Ein Steuermann Arttu Kataja
Stimme eines jungen Seemanns Florian Hoffmann

Staatsopernchor
Staatskapelle Berlin

今回の旅行は訳の分からないパンダ公演から始まったのですが、徐々に疲れでヨレヨレ度は増しながらも観た公演は満足度がどんどん高まってきました。

そして締めはバレンボイム指揮の「トリイゾ」です。

ここリンデンでバレンボイム指揮のワグナーを聴くことは、鑑賞するというより、ワグナーの世界にドップリと浸るといった方が良いようです。
オペラハウスを出るときには・・・バレンボイム特製、[猫]のワグナー漬、トリイゾ風味・・・一丁上がり!
これは冗談ではなく、本当にそういった感覚になるのです。

演奏は「パルジファル」の時程ゆっくりと始まるというものではありませんでしたが、オケから引き出される美しい音楽は大きなうねりとなり、渦をまくようにオーディトリアム内に満たされ、圧倒的なスケールの大きさで展開されます。

正直、鳴らすなー・・・と思った部分もあり、[猫]は少々アップアップしたのですが^^;歌手陣はそのうねりに飲み込まれることなく異彩を放ち、流れに乗り、見事なまでの相乗効果で引き立てあっていました。

イゾルデ役のマイヤー、ブランゲーネ役のグバノワと2人のメゾが揃って歌うと、マイヤーさまはやはり高貴な姫の声。
21日は風邪気味だが歌うというアナウンスがあったそうですが、この日はそのようなアナウンスもなく、最後以外は好調で、ザイフェルトとの2重唱は素晴らしい!の一言。
その最後、「愛の死」はちょっと高音がかすれ、声が出にくくなった様子でしたが、トリスタンを亡くした喪失感で精魂尽き果てたような印象で、これも計算づくなのか?とも思えました。

ザイフェルトのスタミナとパワーは圧倒的、3幕の長々としたソロも骨太とも言える豊かな声で朗々とせつなく歌い上げます。

グバノワは何故か縁のある人で、今まで「アイーダ」のアムネリス役で2回聴いたことがありますが、このブランゲーネ役の方が合っているように思えました。
姫をお守りしなくちゃ!というけなげさがアムネリス役では現れることのなかった愛らしさとして歌声に響きます。
これはヴェルディよりワグナーの方が好みという単なる個人的嗜好のせいかな?という気もしますが・・・^^;

パーペはそれはもう懐の深ーい、かっこいいマルケ王だったのは当たり前!ですが、ちょっとおもしろいことに気がつきました。
Wの発音です。
wohinという単語、カタカナで書くとヴォーヒンですが、パーペの発音は濁りが薄く、限りなくフォーヒンに近く聞こえたのです。
あれ?と思って他の単語に注意していたところ、warumはしっかり濁っていてヴァルム。
ところが次のwohinがまたフォーヒンのように聞こえる。。。
これはパーペの癖なのか?ザクセン地方の方言なのか?ドイツ人ではよくあることなのか?ちょいと不明。。。
まぁ、大した問題ではなく、やはりパーペの声の響きはワグナーで聴くのが一番!と改めて思ったのでした。
今後オペラ出演を減らすようなことを言ってたらしいのですが。。。それならワグナーだけ歌ってればイイから。。。他歌わなくてイイから。。。と・・・これまた全く個人的嗜好・・・ですね^^;

さて、以前鑑賞した「魔笛」ではパパゲーノ役で凄く目立っていたトレーケルですが、大声大会?的な要素もあった今回は目立たなくなってしまいました。

本当にチョイ役ではあるのですが、テノールが良い声してると思って名前をチェックしたら、フローリアン・ホフマン?
リンデンのアンサンブルで出演回数は多いけどチョイ役ばかり・・・。
まだ若い人のようで海のものとも山のものとも?ですが・・・名前がクラウス・フローリアン・フォークトとペーター・ホフマンを足して2で割ったみたいで、名前だけは既に有名人みたい。。。ですね。

演出は2008年の来日公演と一緒だそうですが、[猫]はこの時観にいってません。
非常にシンプルですが、雰囲気があり、バレンボイムの壮大な演奏と合っているように思いました。
序曲の間、真っ暗だった舞台が一瞬明るくなり、またまた前面に薄い透ける幕があったのには勘弁して下さいよ!でしたが、結局その時だけでホッ。
この透ける薄い幕は流行っているんだかなんだか・・・。。。
自分自身の目に薄い幕がかかってきたようなお年頃なんだから。。。イラン!ちゅうの。。。

カーテンコールは当然大ブラヴィー!!!でした。

今シーズンでリンデンは改修工事に入ってしまうので、シラー劇場に場所を移しての上演とのことですが、またバレンボイム特製ワグナー漬になりにきたいものであります。
スカラでも味わえますが、リング風味は格別でしょう。
なんといってもパーペがヴォータン!
パーペが発音したらフォータンだったりして???
おそらく母音がOのときに濁りが薄くなるのでは?と想像してる[猫]です。
画像 1022.jpg

写真はピンボケばかり。。。
左からパーペ、グバノワ、ザイフェルト、マイヤー、バレンボイム









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左からホフマン、ゴルドベルク、パーペ、トレーケル、グバノワ
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コメント 4

galahad

kametaroさんは、まさにオペラ行脚ですからお疲れ様でした。 UDLトリイゾ、聴いた人がみな「歴代最高」とおっしゃっているのでいいもの聴いたな~と思います。 グバノワ、可愛かったですよね! フロリアン・ホフマンもきれいないい声でした。 
パーペのヴとフ、私はレクイエムの「voca me」でそう思ったので母音がoの時ってのはまちがいなさそうです。 こちらは「ボカ メ」といちおう聴こえるんですが、響きは「フォ~」なんですよね。 おもしろい現象です。 次はヴォータン、楽しみです~♪
by galahad (2010-04-25 18:56) 

kametaro07

galahadさま
ようやく書くことができました^^;
これだから少しでも旅行中に書いておきたかったのですが、最初がパンダでしたからねー。
バレンボイム指揮の演奏にマイヤーとザイフェルトはピッタリで本当に素晴らしい公演でした。
>UDLトリイゾ、聴いた人がみな「歴代最高」とおっしゃっている
私は実演鑑賞は初めてでしたから、これから他の「トリイゾ」は聴く耳が厳しくなりますね。
また違った趣ですが、個人的にはバーンシュタイン指揮、ベーレンス、ホフマンの「トリイゾ」はやはり大好きなんです^^。
>次はヴォータン、楽しみです~♪
もちろんです~♪
by kametaro07 (2010-04-25 22:21) 

keyaki

>wohinがまたフォーヒンのように聞こえる。。。

>パーペのヴとフ、私はレクイエムの「voca me」でそう思ったので母音がoの時ってのはまちがいなさそうです。 

なるほど....パーペは、フィリッポのアリアで、"voltaヴォルタ"が"foltaフォルタ"に聞こえるので、気になるんですが、ドイツ人なんで、ついうっかりvがfになるのかと思ってましたが、ドイツ語でもそうだとすると.....パーぺの訛りってこと...ですか....

by keyaki (2010-04-26 14:08) 

kametaro07

keyaki さま
ドイツ語なので絶対にヴォと発音してるのでしょうが、濁りが薄いのでフォに近く聞こえるのだと思います。
イタリア語でも同じようになってしまうのですね。
パーペ個人の癖かもしれませんが、ドイツ語もいろいろ方言があるようですから、地方訛りのような気がします。
江戸っ子がシとヒを区別できないようなものでしょうか?・・・^^;
by kametaro07 (2010-04-26 15:09) 

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