セビリアの理髪師・・・Opernhaus Zürich・・・2010/1/22 [オペラ]
Il barbiere di Siviglia / Rossini
Conductor Nello Santi
Producer/production Cesare Lievi
Set design Mario Botta
Costumes Marina Luxardo
Serena Malfi (Rosina), Rebeca Olvera (Berta); Mario Zeffiri (il Conte Almaviva), Carlos Chausson (Bartolo), Massimo Cavalletti (Figaro), Ruggero Raimondi (Basilio), Davide Fersini (Fiorillo), Alejandro Lárraga (Offizier), George Humphreys (Ambrogio)
オコモリあけはチューリッヒから始まりました。
プレミエ公演の「セビリアの理髪師」は一言で言うと、ドラえもん・ヴァージョンです^^。
フィガロは15と書いてあるトランクを持って登場。
15とは・・・?
La bottega? Non si sbaglia;
guardi bene; eccola la'.
Numero quindici a mano manca
quattro gradini, facciata bianca・・・・・
店?間違いようがないよ
ほらそこ、よく見える
15番地は左手
4段の階段、白のファサード・・・・・
フィガロはトランクを左手に持って15を右手で指しながら、これさえあればこっちのもの!とばかりに歌うのです。
洒落た言葉遊びといったところ。
このトランクこそフィガロの店!
このトランク、なーんだって出てきちゃう・・・・ドラえもんのポケットを思い浮かべるのはだけじゃないはず・・・・・。
フィガロの登場からして、トランクから1mくらいある植木とハサミを取り出しちゃう。
そして散髪をするようにパチパチと植木を切るのです。
他にもカツラ、衣装、キリンの首まで!!!
さて何故キリンか?
突拍子もないものだったら何でも良かったのではないのでしょうか?
ただしそれ程大きくもないトランクです。
熊や虎なんかが首を出したってパフォーマンス的に限りがある。
犬やネコだったら全身出れないことはないけど、そんな小さなものよりドーンと長いキリンの首の方がインパクトがある。
同じ長いものといっても像の鼻では・・・・なんか不気味・・・・・。
ということでキリンがこの役をゲットしたんじゃないのかなぁー?・・・・と勝手な想像です。
なんでも出てきちゃうトランクはバルトロの髭剃り時にはトランクのサイドからマジックハンドのように脚が出てきたりして、アナログ的にもかなりの優れ物です。
この「セビリアの理髪師」ドラえもん・ヴァージョン、オリジナルのおもしろさ以外の楽しい演出が他にもたくさんあって、とにかく笑いどころ満載。
トランクを持ったフィガロがドラえもんだとすると、アルマヴィーヴァはのび太、ロジーナはしずかちゃん。
バルトロがジャイアン?
ところが今回バルトロ役のショソンは小柄で痩せているのでジャイアンというよりスネ夫です。
しずかちゃんに思いをよせてるのは今回はスネ夫です。
バルトロによからぬ入れ知恵をするバジリオがジャイアンかな?
ドラえもん・フィガロ役のカバレッティ、背も高く、なかなかのイケメン。
歌の方はアジリタが少々もたつきぎみですがそんなことはご愛嬌、大胆な印象の良い声です。
このドラえもん、残念ながら「どこでもドア」は持ってない。。。。
持ってたらハシゴがなくなったってロジーナの部屋からは逃げ出せたのに・・・・・持ってたら話が変わっちゃうからマズイですね^^。
のび太・アルマヴィーヴァ役のゼッフィリは少し甘さのあるレッジェーロ、この役にふさわしい良い声は持ってるのですが、高音で声質が変わってしまいます。
そのためアジリタもちょっと聞いていてハラハラしてしまいました。
でも休憩後は声質の変化がなくなり、良かったと思います。
他のメンバーが好演してるので奮起したかな?
やはり背が高く舞台栄えする人ですが、ド派手な衣装ととんでもない髪型で笑わせてくれます。
なんてったって最後は頭のてっぺんからつま先まで金ピカ!ピカ!
しずか・ロジーナのマルフィは上手です。
声質が勝気な印象ですが、この公演のロジーナはアルマヴィーヴァを襲っちゃたりするような積極的な現代っ子なのでこの公演にはピッタリ。
バルトロに縄で椅子に縛られたってうまく解いて縄を投げつけちゃう!
こちらの衣装も派手!
スネ夫・バルトロのショソン、ほとんど主役!!!
歌はもちろんのことレチタティーヴォもウマイ!演技も最高!
ちょいとサデスティックですが、かなりマヌケな不良オヤジです。
長いコートの内側に不良グッズを隠し持ってるのが笑えます。
ジャイアン・バジリオのライモンディは威厳と風格のある不気味な大魔神という趣。
御年68歳ということで、さすがに映画「ドン・ジョバンニ」の頃の声ほどの艶はないだろうと思ってましたが、とんでもありません・・・勝手に想像して失礼しました。
深く響き渡る声はその艶を失ってません。
まだまだ現役続行していただきたいものです。
バルトロとバジリオは地味な迷彩色の衣装で、二人つるんでると不良オヤジ二人組み以外の何物でもない・・・・やっぱりスネ夫とジャイアン。
ベルタ役のオルヴェーラ、昨年「セメレ」のアイリス役でも好演してましたが、今回もイイ感じです。
凄く小柄でくしゃみばかりしてるオバちゃん役ですが、声がすごくかわいらしい!
ロジーナのマルフィの写真後方左端に写っている人です。
建築家ボッタによる舞台セットについては休憩前はなんの意味があるのか?でしたが、後半はしっかり笑いに一役買ってます。
演奏は柔軟で表情豊か、十二分にネロ・サンティの世界を堪能させてもらいました。
カーテンコールはブラビーと拍手喝采。
出演者全員深々と長い間頭を下げてお辞儀していましたが、頭を上げたときにショソンは貧血をおこしたような仕草をして笑いを誘います。
とことん芸達者なオヤジであります。
しかしショソンとライモンディの二人の大ベテランをオヤジ呼ばわりして、はとことん失礼なヤツですよね^^;;;
こうしてますますベテラン贔屓となった公演でした。
ところで今回の席はいつものように下から2番目95スイスフランの席、1RANG BOX 8番の2列目でした。
以前8番は7番に比べてよく見えるようなことを書きましたが、前列に大きな人が座ると一巻の終わり!見えないということがわかりました。
幸い隣の席が開いていて助かりました。
やはり高い席じゃないとダメですね^^;
Conductor Nello Santi
Producer/production Cesare Lievi
Set design Mario Botta
Costumes Marina Luxardo
Serena Malfi (Rosina), Rebeca Olvera (Berta); Mario Zeffiri (il Conte Almaviva), Carlos Chausson (Bartolo), Massimo Cavalletti (Figaro), Ruggero Raimondi (Basilio), Davide Fersini (Fiorillo), Alejandro Lárraga (Offizier), George Humphreys (Ambrogio)
オコモリあけはチューリッヒから始まりました。
プレミエ公演の「セビリアの理髪師」は一言で言うと、ドラえもん・ヴァージョンです^^。
フィガロは15と書いてあるトランクを持って登場。
15とは・・・?
La bottega? Non si sbaglia;
guardi bene; eccola la'.
Numero quindici a mano manca
quattro gradini, facciata bianca・・・・・
店?間違いようがないよ
ほらそこ、よく見える
15番地は左手
4段の階段、白のファサード・・・・・
フィガロはトランクを左手に持って15を右手で指しながら、これさえあればこっちのもの!とばかりに歌うのです。
洒落た言葉遊びといったところ。
このトランクこそフィガロの店!
このトランク、なーんだって出てきちゃう・・・・ドラえもんのポケットを思い浮かべるのはだけじゃないはず・・・・・。
フィガロの登場からして、トランクから1mくらいある植木とハサミを取り出しちゃう。
そして散髪をするようにパチパチと植木を切るのです。
他にもカツラ、衣装、キリンの首まで!!!
さて何故キリンか?
突拍子もないものだったら何でも良かったのではないのでしょうか?
ただしそれ程大きくもないトランクです。
熊や虎なんかが首を出したってパフォーマンス的に限りがある。
犬やネコだったら全身出れないことはないけど、そんな小さなものよりドーンと長いキリンの首の方がインパクトがある。
同じ長いものといっても像の鼻では・・・・なんか不気味・・・・・。
ということでキリンがこの役をゲットしたんじゃないのかなぁー?・・・・と勝手な想像です。
なんでも出てきちゃうトランクはバルトロの髭剃り時にはトランクのサイドからマジックハンドのように脚が出てきたりして、アナログ的にもかなりの優れ物です。
この「セビリアの理髪師」ドラえもん・ヴァージョン、オリジナルのおもしろさ以外の楽しい演出が他にもたくさんあって、とにかく笑いどころ満載。
トランクを持ったフィガロがドラえもんだとすると、アルマヴィーヴァはのび太、ロジーナはしずかちゃん。
バルトロがジャイアン?
ところが今回バルトロ役のショソンは小柄で痩せているのでジャイアンというよりスネ夫です。
しずかちゃんに思いをよせてるのは今回はスネ夫です。
バルトロによからぬ入れ知恵をするバジリオがジャイアンかな?
ドラえもん・フィガロ役のカバレッティ、背も高く、なかなかのイケメン。
歌の方はアジリタが少々もたつきぎみですがそんなことはご愛嬌、大胆な印象の良い声です。
このドラえもん、残念ながら「どこでもドア」は持ってない。。。。
持ってたらハシゴがなくなったってロジーナの部屋からは逃げ出せたのに・・・・・持ってたら話が変わっちゃうからマズイですね^^。
のび太・アルマヴィーヴァ役のゼッフィリは少し甘さのあるレッジェーロ、この役にふさわしい良い声は持ってるのですが、高音で声質が変わってしまいます。
そのためアジリタもちょっと聞いていてハラハラしてしまいました。
でも休憩後は声質の変化がなくなり、良かったと思います。
他のメンバーが好演してるので奮起したかな?
やはり背が高く舞台栄えする人ですが、ド派手な衣装ととんでもない髪型で笑わせてくれます。
なんてったって最後は頭のてっぺんからつま先まで金ピカ!ピカ!
しずか・ロジーナのマルフィは上手です。
声質が勝気な印象ですが、この公演のロジーナはアルマヴィーヴァを襲っちゃたりするような積極的な現代っ子なのでこの公演にはピッタリ。
バルトロに縄で椅子に縛られたってうまく解いて縄を投げつけちゃう!
こちらの衣装も派手!
スネ夫・バルトロのショソン、ほとんど主役!!!
歌はもちろんのことレチタティーヴォもウマイ!演技も最高!
ちょいとサデスティックですが、かなりマヌケな不良オヤジです。
長いコートの内側に不良グッズを隠し持ってるのが笑えます。
ジャイアン・バジリオのライモンディは威厳と風格のある不気味な大魔神という趣。
御年68歳ということで、さすがに映画「ドン・ジョバンニ」の頃の声ほどの艶はないだろうと思ってましたが、とんでもありません・・・勝手に想像して失礼しました。
深く響き渡る声はその艶を失ってません。
まだまだ現役続行していただきたいものです。
バルトロとバジリオは地味な迷彩色の衣装で、二人つるんでると不良オヤジ二人組み以外の何物でもない・・・・やっぱりスネ夫とジャイアン。
ベルタ役のオルヴェーラ、昨年「セメレ」のアイリス役でも好演してましたが、今回もイイ感じです。
凄く小柄でくしゃみばかりしてるオバちゃん役ですが、声がすごくかわいらしい!
ロジーナのマルフィの写真後方左端に写っている人です。
建築家ボッタによる舞台セットについては休憩前はなんの意味があるのか?でしたが、後半はしっかり笑いに一役買ってます。
演奏は柔軟で表情豊か、十二分にネロ・サンティの世界を堪能させてもらいました。
カーテンコールはブラビーと拍手喝采。
出演者全員深々と長い間頭を下げてお辞儀していましたが、頭を上げたときにショソンは貧血をおこしたような仕草をして笑いを誘います。
とことん芸達者なオヤジであります。
しかしショソンとライモンディの二人の大ベテランをオヤジ呼ばわりして、はとことん失礼なヤツですよね^^;;;
こうしてますますベテラン贔屓となった公演でした。
ところで今回の席はいつものように下から2番目95スイスフランの席、1RANG BOX 8番の2列目でした。
以前8番は7番に比べてよく見えるようなことを書きましたが、前列に大きな人が座ると一巻の終わり!見えないということがわかりました。
幸い隣の席が開いていて助かりました。
やはり高い席じゃないとダメですね^^;
2010-01-23 01:29
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コメント(2)
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そろそろかな....とキリンの首になって待ってました。
お帰りなさい!
鑑賞レポート一番がセビリアとは嬉しいです。
アルマヴィーヴァはダブルキャストだったんですね。
もう一人の舞台写真に出ているJavier Camarenaは、小柄ですが、このマルフィさんはずいぶんと大きな方ですね。
伝統的じゃない演出なので、面白いかどうかは疑問だな...と思っていましたが、愉快な舞台だったんですね。チューリヒ在住の方のブログでも、めちゃくちゃ面白かった....というレポートでしたので、新演出成功!ということですね。
キリン.....なんだか分からなくても、これはもうキリンじゃなきゃ面白くないでしょ!ということですね。
バリトンのカヴァレッティは、グリゴーロの《ルチア》でエンリーコでしたが、深みのあるバリトンで、私も注目しています。生まれもトスカーナですし....バスティアニーニ系ですよね。
ライモンディも全公演出演したようで、よかったです。ショソンとは共演も多くて、いいコンビなんですよ。
若手とベテランにサンティの指揮....チューリヒ歌劇場ならではの公演ですね。
by keyaki (2010-01-30 19:34)
keyakiさま
いつもは旅行しながら少しでも感想アップしていくのですが、今回は移動が多く、書く暇もなくて遅くなりました。
アルマヴィーヴァがダブルキャストなのは私もプログラムを見て気がつきました。
公演のオフィシャルの写真はJavier Camarenaが写ってますね。
ゼッフィリは大柄でなかなか舞台栄えは良いのですが、高音で声質が変わってしまうのは調子が良くなかったせいか?こういった傾向がある人なのか?
極寒のチューリッヒでしたが、この公演のために来た甲斐がありました^^。
写真メールしましたが、届いてますでしょうか?
送信失敗してたら、また数日後に送信してみます。
帰国してすぐまたパリにきてます。
遊びまわった後の仕事ですから自業自得ですが、ヨレヨレヘロヘロ、頭ガンガンで、ここは誰?私はどこ????ここはどこ?私は誰?ですね^^。
「チェネレントラ」もやたら笑わせてもらいました。
しかしその前に旅行中に観た4公演の感想もかかなくては!全部で5公演、ヨレヨレヘロヘロでも頑張って見ましたので、ゆっくり書かせていただきます。
by kametaro07 (2010-01-31 23:28)