セメレ・・・Opernhaus Zurich・・・2009/1/9 [オペラ]
Semele/Georg Friedrich Handel
Dirigent ・・・・・・・・・・・・・・William Christie
Inszenierung・・・・・・・・・・ Robert Carsen
Einstudierung der Regle
und der Choreografie・・・ Elaine Tyler-Hall
Ausstattung ・・・・・・・・・・Patrick Kinmonth
Choreinstudierung ・・・・・・Jurg Hammerli
Choreographie ・・・・・・・・・Philille Girsudeau
Spielleitung ・・・・・・・・・・・Achim Sieben
Orchester ・・・・・・・・・・・・・Scintilla
Semele・・・・・・・・・・・・・・・・ Cecilia Bartoli
Ino ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Liliana Nikiteanu
Juno・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Birgit Remmert
Iris ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Rebecca Olvera
Jupiter/Apollo ・・・・・・・・・・・・Charles Workman
Cadmus/Somnus ・・・・・・・・・Anton Scharinger
Athamus ・・・・・・・・・・・・・・・・Thomas Michael Allen
日本からの機内のオーディオでヘンデル特集があり、次のような説明があった。
「ヘンデルはどこの国の作曲家でしょう?バッハと同じ年1685年にドイツのハレで生まれました。音楽的に飛躍、成長したのは、20代でイタリアに3年間いた時のこと。しかし、一番かかわりが深いのはイギリス、74年の生涯のうち50年間ロンドンで音楽活動をし、イギリスに帰化しました。多くの英語のオラトリオ、オペラがイギリスで作曲されました。彼の仕事は作曲のみならず、歌手の出演交渉、舞台演出、劇場の運営にまでおよび、今で言うプロデューサーのような仕事をしていました。」
このセメレという作品はもともとオラトリオとして作曲されたものだが、ヘンデルがこのオペラを見たら何と言うだろう?この説明によると仕切り屋みたいだから、どんなに良いものでも何らか口出しせずにはいられないタイプのような気がしてしまう。
プログラムを購入してみると、no oratorio,but a bawdy operaとある。ドイツ語ではKein Oratorium,aber eine obszone Oper(zoneのoはウムラアウトがあるのだが、パソコンでどう打ったらいいのかわからず、省略。)オラトリオでなく俗っぽいオペラ?何じゃ????
見終わってみると、コミカルな人間味あふれるシニカルファンタジーといった感じで、プログラムに書いてあったbawdy operaというのもなんとなくわかる気がした。オペラだというのに上演中、クスクスと笑い声が客席からもれるなんて、初めてのこと。もともとはギリシャ神話からの話なのだが、神々しい雰囲気は全くない。
カーセンの演出だが、最初の場面は昨年見たカプレティ家とモンテッキ家とイメージが一緒。限りなく黒に近い濃紺一色の部屋、左奥の両面開きの扉から舞台対角線上に赤いカーペットが敷かれ、カーペットの両脇にたくさんの椅子が扉に向かって2列に並べてある。なんだ一緒か?と思っていたが、2幕後半から、すばらしくファンタジジック!に変わった。大きなベッドがひとつ置かれたセメレの部屋、何もない壁と思っていたが、星空のように小さな光が一面に散らばる。壁に小さな電球が埋め込まれているのか?小さな穴が開いていて、背後からライトが当たっているのか?まるで星空にベッドが浮いているよう・・・・!3幕セメレの部屋がうって変わって、生活感あふれる感じで衣装や箱で散らかっているのも、色とりどりで愛らしくて良い。
この散らかった部屋でセメレが鏡を見ながら自己陶酔の世界に入ってしまうのだが、その間、バルトリの真骨頂、アジリタが延々と続く。セメレの自己陶酔の演技、それを見ているジュノのうんざりとした演技等がおかしく、かつあまりにも長く続くアジリタには恐れ入りました・・という感じで観客席からクスクスと笑い声がもれる。これでもか!!と続いたアジリタが終わったとたん、まだ演奏は続いているのにブラバーと拍手のフライングであった。
このオペラ、バルトリの為のオペラには違いないが、他の出演者達もレベルが高い。特にジュピター役のワークマンはアジリタも見事にこなした。ジュノ役のレンマートとアイリス役のオルヴェーラのコミカルな演技も見物だし、それぞれ歌唱も役にあったもので聞きごたえがある。
クリスティーはチェンバロ(小さいピアノみたいな古楽器)の前に座り、時折、自らも演奏しながらの指揮。古楽オーケストラ、シンティッラの演奏はとても繊細にバロック音楽をかなでていた。
終了後、日本人の若い女性二人が「見てよかったね。おもしろかったね。」と話てるのが耳に入った。そう、このオペラ、見て楽し聞いて楽しなのです。
バルトリのスケデュールを調べると、コンサートは各地で行うが、オペラはここチューリッヒでしか聞けない。このオペラハウスは、あまり大きくなく音響も抜群なので、バルトリのようなコロトゥーラ歌手にとっても、バロックという音楽を楽しむにも最適の劇場なのであろう。
極寒のチューリッヒであったが、見れて良かった!
ピンボケ写真しか撮れなかったが、左からオルヴェーラ、レンマート、バルトリ、クリスティー、ワークマン、ニキテアヌ、アレン
オルヴェーラ、レンマート、バルトリ、ワークマン
Dirigent ・・・・・・・・・・・・・・William Christie
Inszenierung・・・・・・・・・・ Robert Carsen
Einstudierung der Regle
und der Choreografie・・・ Elaine Tyler-Hall
Ausstattung ・・・・・・・・・・Patrick Kinmonth
Choreinstudierung ・・・・・・Jurg Hammerli
Choreographie ・・・・・・・・・Philille Girsudeau
Spielleitung ・・・・・・・・・・・Achim Sieben
Orchester ・・・・・・・・・・・・・Scintilla
Semele・・・・・・・・・・・・・・・・ Cecilia Bartoli
Ino ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Liliana Nikiteanu
Juno・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Birgit Remmert
Iris ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Rebecca Olvera
Jupiter/Apollo ・・・・・・・・・・・・Charles Workman
Cadmus/Somnus ・・・・・・・・・Anton Scharinger
Athamus ・・・・・・・・・・・・・・・・Thomas Michael Allen
日本からの機内のオーディオでヘンデル特集があり、次のような説明があった。
「ヘンデルはどこの国の作曲家でしょう?バッハと同じ年1685年にドイツのハレで生まれました。音楽的に飛躍、成長したのは、20代でイタリアに3年間いた時のこと。しかし、一番かかわりが深いのはイギリス、74年の生涯のうち50年間ロンドンで音楽活動をし、イギリスに帰化しました。多くの英語のオラトリオ、オペラがイギリスで作曲されました。彼の仕事は作曲のみならず、歌手の出演交渉、舞台演出、劇場の運営にまでおよび、今で言うプロデューサーのような仕事をしていました。」
このセメレという作品はもともとオラトリオとして作曲されたものだが、ヘンデルがこのオペラを見たら何と言うだろう?この説明によると仕切り屋みたいだから、どんなに良いものでも何らか口出しせずにはいられないタイプのような気がしてしまう。
プログラムを購入してみると、no oratorio,but a bawdy operaとある。ドイツ語ではKein Oratorium,aber eine obszone Oper(zoneのoはウムラアウトがあるのだが、パソコンでどう打ったらいいのかわからず、省略。)オラトリオでなく俗っぽいオペラ?何じゃ????
見終わってみると、コミカルな人間味あふれるシニカルファンタジーといった感じで、プログラムに書いてあったbawdy operaというのもなんとなくわかる気がした。オペラだというのに上演中、クスクスと笑い声が客席からもれるなんて、初めてのこと。もともとはギリシャ神話からの話なのだが、神々しい雰囲気は全くない。
カーセンの演出だが、最初の場面は昨年見たカプレティ家とモンテッキ家とイメージが一緒。限りなく黒に近い濃紺一色の部屋、左奥の両面開きの扉から舞台対角線上に赤いカーペットが敷かれ、カーペットの両脇にたくさんの椅子が扉に向かって2列に並べてある。なんだ一緒か?と思っていたが、2幕後半から、すばらしくファンタジジック!に変わった。大きなベッドがひとつ置かれたセメレの部屋、何もない壁と思っていたが、星空のように小さな光が一面に散らばる。壁に小さな電球が埋め込まれているのか?小さな穴が開いていて、背後からライトが当たっているのか?まるで星空にベッドが浮いているよう・・・・!3幕セメレの部屋がうって変わって、生活感あふれる感じで衣装や箱で散らかっているのも、色とりどりで愛らしくて良い。
この散らかった部屋でセメレが鏡を見ながら自己陶酔の世界に入ってしまうのだが、その間、バルトリの真骨頂、アジリタが延々と続く。セメレの自己陶酔の演技、それを見ているジュノのうんざりとした演技等がおかしく、かつあまりにも長く続くアジリタには恐れ入りました・・という感じで観客席からクスクスと笑い声がもれる。これでもか!!と続いたアジリタが終わったとたん、まだ演奏は続いているのにブラバーと拍手のフライングであった。
このオペラ、バルトリの為のオペラには違いないが、他の出演者達もレベルが高い。特にジュピター役のワークマンはアジリタも見事にこなした。ジュノ役のレンマートとアイリス役のオルヴェーラのコミカルな演技も見物だし、それぞれ歌唱も役にあったもので聞きごたえがある。
クリスティーはチェンバロ(小さいピアノみたいな古楽器)の前に座り、時折、自らも演奏しながらの指揮。古楽オーケストラ、シンティッラの演奏はとても繊細にバロック音楽をかなでていた。
終了後、日本人の若い女性二人が「見てよかったね。おもしろかったね。」と話てるのが耳に入った。そう、このオペラ、見て楽し聞いて楽しなのです。
バルトリのスケデュールを調べると、コンサートは各地で行うが、オペラはここチューリッヒでしか聞けない。このオペラハウスは、あまり大きくなく音響も抜群なので、バルトリのようなコロトゥーラ歌手にとっても、バロックという音楽を楽しむにも最適の劇場なのであろう。
極寒のチューリッヒであったが、見れて良かった!
ピンボケ写真しか撮れなかったが、左からオルヴェーラ、レンマート、バルトリ、クリスティー、ワークマン、ニキテアヌ、アレン
オルヴェーラ、レンマート、バルトリ、ワークマン
2009-01-09 23:24
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コメント(4)
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こちらも凄い豪華メンバーですね!!
バルトリは一度も生で聴いたことがありませんが、
>その間、バルトリの真骨頂、コロラトゥーラが延々と続く。セメレの自己陶酔の演技、
いやはや想像しただけでノックダウンです~!!
>このオペラハウスは、あまり大きくなく音響も抜群なので、バルトリのようなコロトゥーラ歌手にとっても、バロックという音楽を楽しむにも最適の劇場なのであろう。
5月にミンコウスキー指揮の「アグリッピーナ」を聴きに行きます。チケットも取りやすく、チューリッヒは大好き!!
by alice (2009-01-26 23:57)
初めまして♪
dognorahさんの処からまいりました。
猫とヘンデルが好きな者です。
カーテンコールの写真で、出演者の凸凹ぶり(笑)がとても良くわかりました。
ジュノーのレンマート、本当に長身ですね。
ジュノー役にぴったりかも!
by REIKO (2009-01-28 09:49)
アリーチェさま
チューリッヒはペレイラ総裁が辣腕で著名な指揮者、歌手が集まり、演出も斬新でここでしか楽しめない佳作が多いと聞きました。目の離せない劇場です。でもペレイラさんはもうすぐ辞めるとか?いずれにせよ魅力的な劇場であり続けてほしいものです。
by kametaro07 (2009-01-28 14:54)
REIKOさま
初めまして。
ヘンデルの専門家でらっしゃるのですね。このオペラは演出でコメディータッチの部分が強調されてるように思いますが、もともとのオラトリオもちょっとシニカルでユーモアのある作品と解釈してよろしいのでしょうか?
音楽無知のトンチンカンですが、今後共どうぞよろしくお願いいたします。
by kametaro07 (2009-01-28 15:59)