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スペードの女王・・・Nationale Opera & Ballet・・・2016/6/18 [オペラ]

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Muzikale leiding   Mariss Jansons
Regie   Stefan Herheim

Hermann   Misha Didyk
Graaf Tomski/Plutus   Alexey Markov
Vorst Jeletski   Vladimir Stoyanov
Tsjekalinski   Andrey Popov
Soerin   Andrii Goniukov
Tsjaplitski   Mikhail Makarov
Naroemov   Anatoli Sivko
Gravin   Larissa Diadkova
Liza   Svetlana Aksenova
Polina/Daphnis   Anna Goryachova
Gouvernante   Olga Savova
Masja   Maria Fiselier
Chloë   Pelageya Kurennaya
Ceremoniemeester   Morschi Franz

The Royal Concertgebouw Orchestra
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 ヘアハイムの演出、それもヤンソンス指揮RCOとなれば興味をそそらずにはいられません。

 ROHとの共同制作ということで予算は結構あったようで、セットはシャンデリアや鏡を駆使した素敵なものでした。
 ヘアハイムというとどこで何をやらかすか分からない意外性とファンタジックな面白さが魅力ですが、その辺はやはり保守的なROHとの共同制作ということがネックになったのか?比較的大人しく、少々肩透かしぎみだったといえないこともなし。
 もちろんヘアハイムらしい‘やらかし’が全くなかったわけではありません。詳細を書くことは控えますが、一幕最後にヤンソンスが観客のほうを向いて指揮してくれるとは思ってもおらず、ちょっと感動しました。ただし、観客がコーラスに促されて総立ちとなるのはいかがなものか?立つという動作は音楽に集中できなくなるし、背の低い人は何も見えなくなってしまって気の毒でした。

 この演出の主役はチャイコフスキー。さて、そこで思い出されるのがザルツの『マイスタージンガー』これを鑑賞したわけではありませんが、確かワーグナーが登場したはず・・・・。デュッセルドルフで鑑賞した『セルセ』は作曲した時代、場所を再現したようなセットでしたが、もしかするとヘンデルがいたの?などと思い起こしてしまいました。
 今後も作曲家ををクローズアップして登場させる演出を制作するのでしょうか?いずれにせよこれからもも注目すべき演出家であることは間違いありません。今回もチャコフスキーについてよく調べてあって、なるほどと思わされることは多々あり。チャイコフスキー役はエレツキー役も兼ね、ヘルマン役はチャイコフスキーが好意を持っている人物の役も兼ねてましたが、ヘルマン役がチャイコフスキーを見下すような場面が織り込まれ、チャイコフスキーが悩みながらこの作品を制作していることを表していたのは面白いアイデアです。それにもかかわらず、終わってみると肩透かしぎみに感じたのは、終わり方が’やはり’と想像できてしまったからかもしれません。

 歌手では演出上の主役チャイコフスキー&エレツキー役のストヤノフが歌う場面は多くないのにほとんど出ずっぱり、作品の主役ディディクもヘルマンとして悩んでいたと思ったら女王に変装してチャイコフスキーを嘲笑したりと強烈な印象を残し、この2人が好演していたのが印象に残りました。

 チャイコフスキーを主役にした演出とあってか、ヤンソンス指揮RCOの演奏は特に大袈裟なところはなく、作品の流れの美しさをそのままを大切にしたというところ。ただし、以前ここで『パルジファル』を聴いたときにも感じたことですが、音響のせいか否か?RCOの音は柔らかく、どちらかというとヘナチョコ系でした。もっともSKBのリングの間に聴いてしまうと、ほとんどのオケはヘナチョコ系に聞こえてしまうのは致し方なしではあります。

 カーテンコールは大変盛り上がってスタンディング・オベーションでした。

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