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フィデリオ・・・アン・デア・ウィーン劇場・・・2013/3/26 [オペラ]

ゴールデンウィークになったら時間ができるだろうと思い、放っておいた感想
これがすっかり書く気がしなくなったしだいヾ(´▽`;)ゝ

でも少し書き残しておきます。

Musikalische Leitung Nikolaus Harnoncourt
Inszenierung Herbert Föttinger
Leonore Juliane Banse
Don Pizarro Martin Gantner
Florestan Michael Schade
Rocco Lars Woldt
Marzelline Anna Prohaska
Orchester Concentus Musicus Wien

聴きごたえのある公演
惜しむらくは、なにせ到着日、疲れから睡魔と戦うハメになったこと
ウィーンが雪で乗り継ぎの飛行機が遅れ、その他もろもろの思わぬ時間のロスで公演前に休むこと能わず・・・

アーノンクール先生とウィーン・コンツェントゥス・ムジクスはザルツで『魔笛』を聴いて以来、ソツがなかったザルツの時に比べると少々緩かったような・・・
しかし、天下のウィーンフィルも本拠地で聴くよりザルツのようなフェスティバルの間の方が引き締まった演奏をすることが多いように思えるので、どこのオケもそうなりがちなのかもしれず・・・
それにそんなことは些細なことで、大局的には緊張感のある演奏、なおかつ歌手陣が劇的信憑性という点においても歌についても充実していて、舞台に釘づけ・・・・
釘付けになったからこそ・・・眠るのはもったいないという気持ちと睡魔とが戦うハメになったので、少々辛かった。
もー寝よーと思えるほうが戦わずにすむというもの。

白眉だったのはシャーデ、
2幕冒頭、真っ暗闇に響き渡る美声の悲壮感に震える
自ら灯すマッチの火の明かりの中でしばらく歌う姿は恐いほど痛い。
さらに両手を縛られ、上に吊るされそうな状態で長い間歌わなくてはならず、ここまで痛々しく見せなくてはいけないかと思ってしまったくらい。
どんな体勢でも歌いにくそうなところは全くみせず・・・
芯と張りのある輪郭のはっきりとした美声の悲惨さは、強烈なインパクトを残しました。

タイトルロールのバンセがフィデリオに扮しているときと、妻と明かすときを見事に歌い分けていて、
陰りのある落ち着いた歌声は実にクール、
容姿も知的で、マルツェリーネをエスコートする姿も格好良いスマートな男性
一方ヤキーノ役のテノールも上手く演じていて、
声もなかなか良いのですが、野暮で粗野な雰囲気を作っているのが対照的
これはマルツェリーネがフィデリオに惚れるのは仕方ない。
しかし、夫の悲惨な姿を前に、抑えきれない感情となんとか助けたいという妻の必死な思いが伝わり、
ガラリと印象を変えました。

ロッコ役のヴォルトが声量たっぷりで存在感があったのですが、父親役にぴったりの年配の人かと思ったら、1972年生まれということでちょっとビックリ。

プロハスカもちょっと気の強いマルツェリーネを好演

エンディングは譜面は置いてなくても譜面台が置かれ、コンサート形式のようになり、
フェルナンド役はベートーヴェンの姿
ここアン・デア・ウィーンはフィデリオが初演された劇場!
ベートーヴェンへのオマージュといった趣で、粋な雰囲気でした。

カーテンコールは賞賛に溢れてました。

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Ree

3月24日の公演観ました!
ザルツ復活祭音楽祭の合間に1日だけウィーンに行きフィデリオ観たのですが、kametaroさまの仰る通り聴きごたえ・観応えのある充実した舞台で本当に素晴らしかったです。

バンゼのフィデリオ、スリムな美人なので男装がびったりでまるで宝塚みたいでした。
フィデリオ(レオノーラ)はワグナーもレパートリーとしているような歌手が歌うことが多いと思いますので、実際の舞台で男装が似合うソプラノを聴けることはなかなか難しいと思いますが、バンゼのフィデリオなら、kametaroさまの仰る通りマルチェリーナが惚れて当然。
結構、フィデリオが積極的に?マルチェリーナを誘惑していましたしね(笑)。

そして演出がとにかく凄い!
フィデリオ、最後はいきなりハッピーエンドで皆で楽しく合唱、というのが唐突に思えるのですが、最後の場面だけをコンチェルタントにした事により、物語の弱点が克服されたように感じられました。
一番最後には、アーノンクールの前に置かれているスコアに照明があてられて、仰る通り「ベートーヴェンへのオマージュ」をうまく表現できていましたよね。

この前日に観たザルツのパルジファルの演出が酷かった(音楽と歌手は良いのに)ので、ウィーンで演奏・歌手・舞台が高いレベルでバランス取れたフィデリオ鑑賞出来て本当に良かったです!
by Ree (2013-04-28 18:36) 

kametaro07

Reeさま
おー!ザルツの『パルジファル』へ行かれたのですね。
演出の評判はよくないようですが・・・・
日程的に合わないので今回は全く念頭になかったのですが、ゼンパーで再演があるはずなので、行けるといいなーと思ってます。

>結構、フィデリオが積極的に?マルチェリーナを誘惑していましたしね(笑)。
そうそう、それが凄く自然でスマートなので、こういう知的な雰囲気がする男性っているなーと思って見てました。

>アーノンクールの前に置かれているスコアに照明があてられて、
そうでした!
そのことは忘れちゃってましたけど(^^;;;
初演されたこの劇場ならではの終わり方で、粋な計らいに思えました。
by kametaro07 (2013-04-29 12:15) 

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