SSブログ

リゴレット・・ Bayerische Staatsoper・・2012/12/25 [オペラ]

全ての人がガンダムが好きなわけではありませんよ。
一時期CMで流れてました。

そのとおり!
十人十色、千差万別、蓼食う虫も好き好き・・・割れ鍋に綴じ蓋・・・
あ・・ちと違う方向に進んだ・・・

とにかく世の中、とても一人で全てを掌握するのは無理
一泊もせず海外へサッカーの応援に行く弾丸ツアー
テレビにかじりついて人が走るのを夢中で見ている駅伝オタク
わけわかりませんがな・・・
同様にオペラなぞわけわからない人も大勢いるわけで・・・

そういう自分だって5、6年前はそういう人だったので
オペラの良さがわからないという人の気持ちが非常にわかる。
実際今でもこれじゃオペラ行脚の価値もないという公演もあり、
オペラと一言で言ってもその種類も解釈も味わいも千差万別。
時間や先立つものが湯水のようにあるわけはなく、
自分の興味範囲でハズレのないよう公演を選ぶのは当たり前のこと。
一方で・・・
行きたい時にいつでも行けるという状況ではなくなり、
行ける時に観れる公演から選ばなくてはならなくなってしまった・・・・
相変わらずなのは・・・
せっかく行ったのだから一つでも多く観たい聴きたい、という一種意地汚い田舎者根性^^;

ほいで?
だから何?

Musikalische Leitung Marco Armiliato
Inszenierung Árpád Schilling

Il Duca di Mantova Joseph Calleja
Rigoletto Franco Vassallo
Gilda Patricia Petibon
Sparafucile + Monterone Dimitry Ivashchenko
Maddalena + Giovanna Nadia Krasteva
Marullo Tim Kuypers
Borsa Matteo Dean Power
Il Conte di Ceprano Christian Rieger
La Contessa di Ceprano Iulia Maria Dan
Usciere Goran Jurić
Paggio della Duchessa Yulia Sokolik

初っ端いきなり黒星スタート

現代的オブジェの中での歌合戦

今まで???な演出は数多く接しているので、別に驚くほどのものではなし
しかし、今までと大きく異なるのは音楽的に魅力が乏しいため途中で帰りたくなったこと。

音楽は歌手の力量だよりで、ほぼどうぞご自由に状態。
歌の繋ぎも場面ごとの説得力はあるものであっても、全体として貫かれているものなく、構築感なし。
作品としての流れが存在しない。
ストーリー的緊張感なく、ただの歌合戦
考えてみると今までアルミリアートの指揮で何回か聴いたことはあっても全てベルカントもの
ベルカントものの場合はリサイタルモードになる場面があっても、高度な技術を要する歌を堪能する場として納得できたとしても・・・
ヴェルディでは思い切りダサい。

具体性に乏しい象徴的な演出の良さといえば、歌手が歌に集中できるということだけ。
見た目でごまかしが効かないこの手の演出で歌合戦はダサすぎる。
いや、当たり前の演出でも歌合戦はもちろんダサい。
でも見た目でごまかしが効くので、マシかもしれない。
一人一人の歌を聴くのはリサイタルの方が良い。
公演数が少なくてオペラの主たる楽しみが歌手の歌を聴くことという田舎の国じゃないんだから・・・
この劇場でこんなダサい公演に接することになるとは思いもよらぬことでござった(ーー゛)
せっかく集まって公演を創りあげているのに、何故あえてバラバラなのか?
このプレミエ公演はもともと他の指揮者で計画されていたのではないか?
と思わないでもないナー。


カレーヤは完全にのど自慢大会
プロンプターボックスがお立ち台
実に気持ちよさそうに実力を発揮
素朴な味わいがマントヴァには不向きかも?とは思ったものの、
考えようによってはマントヴァは決して悪ではなく、標準的男子といえないこともない。
能天気なボンボン風マントヴァ
それでもカレーヤはタイプとしては騙すより騙される方が似合うかも。

プティボンは父親を困らせる現代っ子といった役作り
マントヴァのことで頭がいっぱいの少女
調子が今ひとつだったのか?声が出にくそうに聞こえるときがあって、歌に滑らかさが欠けていたような・・・
それが切なさを強調するためにわざとかすれたように歌っているのか?
いずれにせよルルほどの光は放たず、
こちらは騙されるより、騙すほうが力を発揮するタイプ?

一番良かったのはタイトルロールのヴァッサーロ
肝心要の役割を担って感情一杯で歌い、一人現実の苦しみの中にいたリゴレット

そう、コンセプトはリゴレットの孤立
歌手さんたちはコンセプト通りそれぞれしっかり演じ歌っていたというところ
演出はコーラスの人達もほとんど動かず、まるでオブジェのように無機質
マントヴァは自分のことしか考えてないから歌も好き勝手
ジルダも父親よりマントヴァのことしか頭にない自己中娘だから、夢見る夢子で歌う。
この話、所詮リゴレットの一人芝居
というところに救いようのない悲しみが存在してるのだ。

そうか、それぞれ孤立させることこそが重要なわけだ。
よってバラバラ・・・ふーん・・・って
リゴレットの一人芝居なんてこたぁ別に強調しなくたって、誰にだって分かるっちゅーの(  ̄っ ̄)ム

演出のコンセプトがどうであれ、最大の問題は音楽的なバラバラ状態。
ヴェルディの音楽のダサさばかりが印象に残る公演
いや・・・
ヴェルディは歌手のお披露目のための作品?
ダサさがよいのか?
よーわからんが・・・どうでもよいナ・・・・で(・ー・)オワッタナ・・・・


案の定カーテンコールではアルミリアートに対して賞賛に混じりブーもあり
演出家チームはカーテンコールには出てこず・・・
終了直後ブーが混ざったのは演出に対してであることは想像に難くなし。




nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 8

Kew Gardens

Kametaroさん、

年初からキビシーレビューですね。 それだけいろいろご覧になって、期待水準がかなり高くなっているのでは? 

何もない演出は、
>音楽的に魅力が乏しいため
にもつながっていて、がっかりされたのは、私も同感。 逆に演出がないコンサート形式でも、舞台上の出演者たちのInteractionによる緊張感や、昂揚感を感じることもあるので、演出あるなしだけではないと思います。 

そういう意味では、RigolettoとGildaの2重唱も、Act 3のQuintetもなんかばらばらに聞こえて、残念の一言です。 (Petibonはかなり調子が悪かったようで、高音も出ず、それでも出そうとして、顎をあげて一本調子で歌うのが精一杯。 共演者のことなど構っていられなかったのかも) 

オペラガラで、沢山の歌手の十八番を聞くのは楽しいのですきですが、一人の歌手のオペラリサイタルは個人的に好みじゃないかもしれません。 アリア一つも作品の中の流れで変わってくるでしょうし、オケや他出演者とのやり取りの中から生まれてくる”その時”のパフォーマンスをを楽しいむのがオペラだと思っているので。 私が鑑賞した日は、Armiliatoを含め、メインキャストの皆さんに応援団がいたようで、ブーは当然なく、カーテンコールではそれぞれ熱狂的なアプローズをもらっていました。 特定ファンにとっては、てんでばらばらの歌合戦でもよかったのでしょうね。

文句ばっかりいっていますが、
>一番良かったのはタイトルロールのヴァッサーロ
全く! 3月のMacbethでは、だれかさんが”ちゃんと歌えよ”と言いたくなったくらいやる気のないタイトルロールで、そういう人かと誤解しておりました。 もしかしたら一人反抗していたのかしら? いずれにせよ、まともなMacbethを是非聞きたいと思いました。 
by Kew Gardens (2013-01-03 22:48) 

ゆみゆみ

明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
丁度ザルツの申し込みの時期で、「カメタロウさんと昨年ご一緒したな~」と思い出していましたら、又行こうという気持ちになりました。
カメタロウさんがお泊りになったホテルも空いています。ユーロに変動があり今後は行けないかもしれないからと決意。後はチケットが取れるのを待つのみです。フトこちらを覗きましたら、カメタロウさん相変わらず飛び回っていらっしゃる^^。
私はメトで「仮面」を見て以来、もうNYは無いかな。と思い、段々荷物を準備する事も面倒になって来ました。ソロソロ潮時。
カレーヤは新国で、妙薬を歌った方ですね?
プティポンはパリのドンジョに出ていました。高音は出しにくそうでした。とても小さい人です。ジルダも歌うとは・・・。これまた信じられません。

今年は、できれば秋にルツェルンで行われている「ピアノ」の音楽祭へ行きたいと思っています。そのときに久々にバイエルンへ行きたいと思っていますが、あそこの演出を見ると更にオペラから遠のきそうです。
今年も国内も賑やかです。又どこかでお目にかかれるのを楽しみにしています。
by ゆみゆみ (2013-01-04 22:03) 

hbrmrs

>初っ端いきなり黒星スタート

笑いました。本当におっしゃるとおり。アウト~!

演出というのは、本当に音楽の印象さえも変えてしまいます。
私も、「あれ、リゴレットってこんなにつまんない曲だったっけ?」と首を捻ってしまいました。

でもさすがkametaroさんです。ちゃんと「リゴレットの孤立」というコンセプトを読み取ったではないですか!
私なんか、なんにも読み取れませんでしから。この演出には「中身が何も無い」と決めつけてしましましたから。

まあこういうプロダクションもあります。近年は本当にこういうのが増えましたよね。
by hbrmrs (2013-01-04 22:20) 

kametaro07

Kew Gardensさま
>年初からキビシー
あれ?そうですか?そう思ってないところがド素人の恐ろしさヾ(´▽`;)ゝ
>期待水準がかなり高くなっているのでは? 
初めて聴いた『リゴレット』がドレスデンだったのは幸か不幸か・・・・
比べるのは愚と分かっていてもハードルは高くなってしまってるようです。
次の『オランダ人』は新国で聴いただけなのでv(=^0^=)v←バカ正直

>アリア一つも作品の中の流れで変わってくるでしょうし、オケや他出演者とのやり取りの中から生まれてくる
仰るとおり!
それが今回感じられなかったので、これだったらリサイタルのほうがよいだろう・・・と。
リサイタルでシンプルなピアノ伴奏と共に発見できる美しさもありますけど、オペラはチームワークが創り出す総合芸術であってほしい。
オペラでバラバラだと煮え切らないものがあります(´・_・`)

プティボンが調子が悪かったのは残念ですが、歌手さんは誰でも調子を落としてしまう時はありますから。
歌うべきか迷ったかもしれませんが、楽しみにしてくれる観客のために頑張ってくれたのでしょう。

音楽的に一つにまとめるのは公演の要たる指揮者でなくて誰が?という気がするのですが・・・・・。

ヴァッサーロはここは自分ががんばらなくては!と要となるべく奮起したのかもしれません。
by kametaro07 (2013-01-04 22:27) 

kametaro07

ゆみゆみさま
あけましておめでとうございます。
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします<(_ _)> 
今年もザルツとのこと、私が滞在したホテルでしたら、ネットでも予約できますが、e-mailの方がシングルの場合お安くなると思います。ネットはサイト運営会社に手数料を払っているそうです。
私は夏はちょっと迷ってます。
バイエルンの演出は???もありますが、ボエーム、チェネレントラ、カルメンなど普通の演出もありますよ。
秋でしたら来シーズンの発表が待ち遠しいですね。

私は観ませんでしたが、カレーヤは新国で愛妙に出演した人です。
プティボンは今回調子が今ひとつでしたが、二人とも素敵な個性があるので、今後も注目していきたいです。

昨年の夏は偶然にもご一緒できてお世話になりましたが、今回の旅行でも図らずも他のブログ仲間の方々とご一緒でした。
ブログやっていて良かったです。
またご一緒できますように!

by kametaro07 (2013-01-04 23:00) 

kametaro07

hbrmrsさま
>「リゴレットの孤立」というコンセプト
コンセプトといってよいのか?

でも初っ端黒星のおかげで後はそこそこ昇り調子でした(^-^)/
by kametaro07 (2013-01-04 23:30) 

cachaca

あけましておめでとうございます。
やっぱり出かけてらしたんですね。そうですか、歌合戦でしたか(^^) でも主役が素晴らしかったならいいじゃないですか。
カレーヤって、そんなにいいですかね、ただ甘いだけみたい。去年同じ所でグルベさまと歌うのを聞きましたが、リンツで聞いたテノールのほうがよっぽどよかったです。プティボンもミスキャストでは?もともと高音は出ないほうでしょう?

ところで、ドレスデンによく行っておられるようなので、お尋ねですが、あそこでソプラノのバーバラ・セネターを聞いたことありますか?今年2月にヘンデルを歌う予定で、プラハから行こうかと思ってるんですが、去年「メリー・ウィドウ」で声が音楽にかき消され、ひどい印象しかないんです。わざわざ行くのもあほらしいかなと思ってるところ。
by cachaca (2013-01-05 09:48) 

kametaro07

cachacaさま
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします<(_ _)> 
カレーヤは他の人とは一味違う素朴な味わいに注目してます。
プティボンは役に合わないから調子を落とした可能性もありますね。

ドレスデンは行きたい行きたいと言いながら、3回しか行ったことがないのです^^;
バーバラ・セネターは昨シーズンからこの劇場のアンサンブルのようですが、しばらく行ってないので聴いたことはありません。
ヘンデルだったらオケが厚くなることはないでしょうから大丈夫のような気はしますが・・・?

今回ベルリンへ久々に行きましたが、ベルリンフィルとリンデン(シラー)へ行って、他の都市は行く必要ないと思ってしまいました。
ベルリンにいれば、ドレスデンも電車で行けますしね。
リーズナブルなチケット代で充実の内容、他の都市は高いばかりで質はそれだけの価値があるのか疑問に思えてきます。
とはいえ、行ける時にはベルリンフィルが他の都市にツアーに行ってたり、シラーでは好みの演目がなかったりでタイミングが合わないのです(´・_・`)
ロングステイへそろそろご出発でしょうか?
どうぞ良いご旅行を!
by kametaro07 (2013-01-05 22:27) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0