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オリー伯爵・・・MET・・・2011/3/24 [オペラ]

Le Comte Ory / Gioachino Rossini

Conductor: Maurizio Benini
Countess Adèle: Diana Damrau
Isolier: Joyce DiDonato
Ragonde: Susanne Resmark
Count Ory: Juan Diego Flórez
Raimbaud: Stéphane Degout
The Tutor: Michele Pertusi

ダムラウ、ディドナート、フローレスの「オリー伯爵」は昨年のシーズンプログラム発表当時から絶対に観にいこうと楽しみにしていた公演です。
ちょうどその発表の時期に「連隊の娘」と「アッティラ」を観にニューヨークに行っていたのでした。
ほぼ1年ぶりのMETです。

随分前から計画してはいたものの、空港までの交通、また余震が続いて空港閉鎖になる時もあったりで本当に行けるのか?と思ってましたが、24日には交通機関もほぼ平常どおりの運行となり、問題なく行くことができました。

しかし・・・・・
今回の震災後の状況は日が経つほど被災地の悲惨な状況が伝わり、原発のことも重なり・・・・
地震の二日後に観たフィレンツェ来日公演の時にも増して、以前と同じ感覚で鑑賞できない心理状況だったことは想像していただけるかと・・・

感想も書かなくても・・・と思ったのですが、簡単に書いておくことにします。

席はドレス・サークルのサイド。
昨年「アッティラ」の時とほぼ同じ席です。
ところが音が耳に入ってこない・・・・
「アッティラ」の時はもっと響いていたのに・・・・
オケの横、上で聴いているので生の音がもっと届く席だと思うのですが・・・・
歌手の声もとどかない・・・・・
耳がおかしい?
余震で三半規管がおかしくなっているとか?でも聴力までおかしくなるかな?などと考えてしまいました。
音響調整のせいかもしれませんが?
心理的なものもあるかも?

「オリー伯爵」はお洒落な軽快さに満ちた音楽でアンサンブルの心地良さに溢れてました。
「セビリアの理髪師」や「チェネレントラ」のように聴かせどころがあって拍手!そしてアンコール!といったアリアはないのですが、それが今回フローレスには嬉しいことではないかと思えるところもありました。

フローレスにとってアンコールをやるのが当たり前となってしまうのは良いことなのか?
どうしても公演の全体の流れを止めることになってしまうので、フローレスもやりにくい時もあるのでは?
ROHのようにアンコールは絶対なし・・・とした方が良いのかもしれないと思ったり・・・
もちろんアンコールを聴きたい!という気持ちもあるのが本音ではありますが・・・・・。

この「オリー伯爵」では凄く伸び伸びと楽しみながら歌っている様子が伺えました。
ただフローレスの声がいつものように届いてこない・・・・
他の人の声も届いてこなかったのでフローレスの調子が悪いということではないと思うのですが・・・。

ダムラウの声を聴くのは「連隊の娘」以来・・・
なんだか出産後の声は以前よりまろやかになったような・・・・?

ディドナートは凄く縁のある人で「カプレティ家とモンテッキ家」「セビリアの理髪師」「湖上の美人」「ノルマ」と4回も聴いていて、しかも「セビリアの理髪師」以外は全部ロール・デビューを聴いてるのです。
「湖上の美人」「ノルマ」ではその緊張感が伺えるところもありましたが・・・・
今回もロール・デビューとのことですが、コメディーということもあり、また彼女の生まれ故郷ということもあり、より自然体で臨めたのではないでしょうか。

ダムラウ&フローレス、ディドナート&フローレスという組み合わせは2回づつ聴いたことがありますが、やはり3人揃うという機会に恵まれたのは嬉しいことです。
それぞれの技術を要する歌唱を聴けるだけでも贅沢なものですが、その3人のアンサンブルは心地良く、更なる贅沢感を味あわせてくれました。

演出は同じくMETの「セビリアの理髪師」を担当したシャーによるもので、「セビリアの理髪師」に登場したバルトロの召使が登場します。
衣装がセビリアの理髪師の時と一緒なので同一人物だとわかるのですが、今回は黒子のような役割。
始まる前、まだ観客が全員席につく前に舞台に登場してセットを置いたり、
途中で蝶々を飛ばしたり・・・・
舞台は劇中劇のように、黒子の役割をする何人かがウロチョロウロチョロ・・・・
全体的に大きな動きはないのですが、洒落っ気、茶目っ気タップリの演出です。

METは観客の笑いに溢れ・・・
それも演出の一つのように、出演者は観客の笑いを力に、より伸び伸びと楽しく演技し、歌い、出演者と観客が一体になったような素敵な公演でした。


5月7日からライブビューイングです。

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