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オルフェオとエウリディーチェ・・・Grosses Festspielhaus ・・・2010/8/7 [オペラ]

画像 859.jpg
前日より雨が降り続く天気・・・雨のミラベル庭園
Orfeo ed Euridice / Christoph Willibald Gluck

Riccardo Muti, Conductor
Dieter Dorn, Stage Director
Jürgen Rose, Set Design and Costume Design
Tobias Löffler, Lighting
Ramses Sigl, Choreography
Hans-Joachim Ruckhäberle, Dramaturgy
Thomas Lang, Chorus Director

Elisabeth Kulman, Orfeo
Genia Kühmeier, Euridice
Christiane Karg, Amore
Vienna Philharmonic
Concert Association of the Vienna State Opera Chorus

頭痛をかかえながら観始めた公演ですが、ムーティ指揮の演奏、ドルンの演出共に透明感に溢れたもので癒されました。

この演目はオルフェオ役がキーパーソンですが、この公演はバリトンではなく、メゾソプラノのクルマン。
その声はまろやかでおっとり、誠実な印象で素晴らしい歌唱を披露してくれました。

エウリディーチェ役のキューマイヤーは以前「カルメン」で聴いた時とは印象が違いました。
ミカエラ役ではひたすら純粋で優しい声だったのですが、今回は強さがあります。
これは声質が代わったのか?調子によるものか?演目の違いで歌い方を変えているため声も違ってくるのか?分かりかねますが、[猫]はミカエラ役での声のほうが他の人とは明らかに違う声で好みでした。
今回は誰が歌っているか?分からないといったところです。
それでも歌唱そのものはしっかりでした。

愛の神役のカルクは声がどこか庶民的でかわいらしく、オルフェオが死のうとするのを止める場面は・・・「なーにやってるのよ!」みたいな感じで何か茶目っ気のある神様でした。

最後エウリディーチェが生き返り、通常、愛の神に感謝する踊りの場面では何組ものカップルが登場し、けんかをはじめ、その後仲直りしそうになるも・・・またけんかするという演技がくりかえされます。
その中に男性同志のカップルも含まれてたのは今では当たり前といったところでしょう。
その間オルフェオとエウリディーチェはみんな何やってるの?と戸惑いながらその様子を見ているのですが、世の中そんな美しいことばかり言ってられないんだよ・・・現実なんてこんなものさ・・といった意味もあり、観客に「良いのですか?皆さん、こんなことで・・・。」と問いかけているように思えました。

ムーティ先生の公演は、歌手がほとんど動かず、歌に集中できる演出が多いと聞いていましたし、実際に観たMETの「アッティラ」ではその傾向があったのですが、今回は自然な演技を伴うものでした。

衣装は現代のもので、抽象的な演出ではありますが、幕が上方向のものと横方向に開くものと両方を一度に使用して四角く広がっていく開き方で、パステルトーンの色合いがすっきりと美しい舞台です。

カーテンコールではブラボーは当然ですが、ムーティ先生は上機嫌ですごくにこやか。
カップルがケンカした際に投げつけられた花束が床に散乱してたのですが、花を踏んではかわいそうと手でよけていたのがムーティ先生だけだったので、なんだか優しそうに見えました。
ただ単に邪魔だっただけかもしれませんが・・・^^;
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写真撮影は禁止だと思うのですが。。。
カーテンコールではやたらフラッシュが。。。
失礼して[猫]も。。。フラッシュなしで撮影。

クルマンとムーティ先生










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キューマイヤーとカルク

キューマイヤーは以前より大きくなったような?





後の公演については帰国後・・・・。
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コメント 8

ゆみゆみ

私は駄目でした・この公演。久しぶりに寝ました。
音は綺麗なのですが、美しすぎてまったりしていたのか^^。
また、クルマンは今一響きがはっきりせず、低音は勢いが無く魅力的ではありませんでした。直前にネトさんを聞いていたから物足りなかったのかもしれません。
キューマイヤーはザルツの「魔笛」で聞きました。彼女のような素直な発声・無理が無く行き過ぎ感の無い歌唱が好きなので今回も楽しみでした。
その時の女王がダムラウだったと思います。この時の声の共演は大変面白かったです。
ですから、今回もほぼお眠りだった私は、彼女の登場に急に目がパッチリ。
言葉の生かし方がとても上手いので、今までの変化に乏しいオペラの中でキラりと光る感が出てきて、その後は真剣に聞く事ができました。
でもあの手の演出は、苦手です・・・。
by ゆみゆみ (2010-08-26 22:42) 

kametaro07

ゆみゆみさま
いつも頭筋オペラとかふざけたように書いてますが、今回は初っ端に聴いた「ルル」の音楽のせいか?本当に頭痛に悩まされてたのです。
この公演の透明感とクルマンのおっとりした声には癒されました。

>キューマイヤー・・・素直な発声・無理が無く行き過ぎ感の無い歌唱
仰るとおりだと思うのですが、ミカエラ役で聴いたときのほうが、以前仰っていた「天使の歌声」のような声で今回とはちょっと印象が違ったと思うのですが・・・。

by kametaro07 (2010-08-27 00:20) 

ゆみゆみ

ルツェルンで合流した、マッチャンファンは、「ルル」の途中で帰られたそうです。プティポンでは無く、演出・音楽がお好きでなかったそうで・・・・。

私、カメタロウさん始めブログをされている方に感謝申し上げます。回りには“オペラ”好きはいない・更に海外へ出かけるなんて口が避けても言えない状態。なので、見ても片っ端から忘れてしまいます。
なので、こちらでコメントさせていただきお返事を頂くと、本当に見てきたんだ~!!と頭も フル 回転します。
昨夜お湯につかりながら
「私はクルマンの何が気に入らなかったのかな?」と思っていましたら、耳元で私が大好きな「エウリディーチェ」のアリアを大好きな人の声が歌っているのがよみがえってまいりました。
この曲は存じておりましたが、頭に刷り込んだのは「ホロ様」でした。彼のCDで聞いていたのです。美しいメロディーがホロ様のあの暖かい綺麗な声で、最高のメロディーとして私の脳の奥に蓄積されておりました。

始めてこのオペラを見たのはビューイングのブライス。
ところがこの時恐らく彼女は、このオペラを彼女の物にしていたのでしょう。私は、ホロ様の歌唱は全く思い出さず、却って
「ブライスの話したいけれど話せない・振り返って抱きしめたいけれどそれもできない。」
その辛さが見にしみ、涙してしまいました。

こんな思いのあるこの曲ですから、私が物足りなかったのも御理解いただけるかと思います。そしてこのことがわかった私は、カメタロウさんに感謝いたします。本当にすっきりいたしました。
キューマイヤーは、マッチャンとの「ドイツレク」では本当に透き通った声でした。「魔笛」もある意味物語的。  中性的  と申しましょうか・・・。
ところが今回彼女の声に「女性」を感じました。
私は彼女がこういう歌い方ができるとは想像できませんでした。相変わらず夫に付いて行くだけの様な、純な妻  かなと想像していました。
この辺の歌い替えが見事と感心したのです。
ディドナートも同じ思いでした。登場した時の指先までアダルジーザを感じましたから・・・。
やはり、声が良い・声が出る だけでなく、声の伸びそしてその役での役柄の気持ちの洞察が深いほど、歌唱も変わり毎回魅力的に感じられ、次は何を歌うの?どの様に歌うの?と見に行きたくなりますよね。

グルベさんの「椿」私は運よく日本で聞かせていただきました。
あの時は、今回のような語り的歌い方ではなく、高貴で力強い意思があの鈴を転がすような美しい声で表しておられ、私が聞いた中では1番のヴィオレッタです。日本ですから、字幕があるのですが、途中から字幕なんていりませんでした。彼女の歌声とメロディーで十分このオペラが理解でき、終了した時には御一緒した方も私もボロボロ泣いていました。
もう一度みたいな~~~!!
by ゆみゆみ (2010-08-27 09:03) 

kametaro07

ゆみゆみさま
>「ルル」の途中で帰られたそうです
私も途中で帰れば頭痛に悩まされなかったかも^^;
でも途中退場はもったいない・・3幕は臨場感のある演出でしたし・・・。

>こんな思いのあるこの曲ですから、私が物足りなかったのも御理解いただけるかと
そうですね。
以前、良い公演を鑑賞したことがあると、それが基準になりますから、聴く耳も厳しくなりますね。

>その役での役柄の気持ちの洞察が深いほど、歌唱も変わり・・・、
私も声の印象の違いは役柄によるものだろうとも思っていて、私が良く使う言葉でいうと、良い意味で別人だったのですが・・・。
以前聴いた、ひたすら純粋で優しい声は他の人では味わえない魅力のある声で今回も聴けるかな?と期待して臨んだのでした。
声は変わるとも言いますし、また違う役でも聴いてみたいと思うと同時に、同じミカエラ役も機会があれば聴いてみたいと思ってます。

>グルベさんの「椿」・・・もう一度みたいな~~~!!
11、12月とハンブルグ、ミュンヘン、ウィーンで歌いますが、もしかすると「椿」はこれが最後かも・・・と思い頑張って聴いてきます。
マッちゃんもホロさまも同時期にヨーロッパで公演はないでしょうか?

by kametaro07 (2010-08-27 14:31) 

ゆみゆみ

11月ホロ様「リゴレット」では?
マッチャンは12月パリでプレイエルに登場。

「又次にお目にかかりましょう」と言いましたら
「パリでしょう?」とマッチャンが言うので
「ストックホルムよ!!」と申しました。
あなたは「クレイジーだ」と言われてしまいました。
by ゆみゆみ (2010-08-27 21:43) 

kametaro07

ゆみゆみさま
>12月パリでプレイエル
調べましたが、3日の一日だけなのですね。
デノケも一緒ですごく良さそうなのに。
やっぱりMETまで我慢しなくちゃいけないかなー。
>「ストックホルムよ!!」
寒い冬ですか?
by kametaro07 (2010-08-27 22:48) 

ゆみゆみ

来月早々でございます。
12月は本当にたった1日でございます。
唯聞いた事の無い曲なんですよ。
フランス語だからわからないのでしょうか?
by ゆみゆみ (2010-08-28 22:21) 

kametaro07

ゆみゆみさま
プログラムを見ると、ドイツ語で歌うと思いますが、字幕はフランス語だけでしょうね。
何回かやってくれれば良いのに・・・せめて12月中旬だったら考える余地ありなのですが・・。
by kametaro07 (2010-08-28 22:58) 

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