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トスカ・・・Bayerische Staatsoper・・・2010/7/2 [オペラ]

画像 1291.jpg
マリオ マリオ マリオ!
Tosca / Giacomo Puccini

Musikalische Leitung Fabio Luisi
Inszenierung Luc Bondy
Bühne Richard Peduzzi
Kostüme Milena Canonero
Licht Michael Bauer
Chöre Andrés Máspero

Floria Tosca Karita Mattila
Mario Cavaradossi Jonas Kaufmann
Baron Scarpia Juha Uusitalo
Cesare Angelotti Christian Van Horn
Der Mesner Enrico Fissore
Spoletta Kevin Conners
Sciarrone Rüdiger Trebes
Ein Gefängniswärter Christian Rieger

当初グルベさまの公演を観たら帰ろうと考えていたのですが、日本公演が「ドン・ジョバンニ」から「ロベルト・デヴェリュー」に変わったので、3日のキーちゃん(キフィエチェン)のドンジョを観てから帰ることにしました。
このMETと共同制作の「トスカ」もルイージ指揮ということもあって、ぜひ観たいとは思ったのですが、地元カウフマンが出演するのでチケットは随分前から売り切れ。。。
観れなくても仕方ないと覚悟してました・・・ところがところが・・・前日になってネットでチケット購入可能になっていたのです。
劇場のサイト上では売り切れのままだったのですが、https://secure.staatsoper.de/data/tickets/index.html
で調べたら購入できるようになっていて、チケットゲット[手(チョキ)]
劇場のサイト上で売り切れでもここで調べる価値はあります。

METライブビューイングで番張り疑惑が残ったマッティラのトスカもこの眼で確かめなくちゃ・・・と、こちらも楽しみだったのですが・・・結論から言ってしまうとマッティラのトスカが昔番を張っていたという疑惑は。。。。確信に変わりました^^;
しかし、トスカが昔番を張っていたとして何が悪いの?というくらい番張りトスカになりきっていたので・・・・いえ・・・悪くありません。。。結構です。。。と、それなりに楽しみました^^;。。。おもしろくて笑いをこらえるのに腹筋使いましたけど。。。

昔番を張っていたと確信したのは。。。ひとつひとつの動作が実に胆が据わっている。。。
スカルピア殺害場面、「歌に生き、愛に生き」でナイフを手に取り、スカルピアが通行書を書いた後、ソファに誘い。。。ブス!ブス!ブス!と3回思いっきりスカルピアの腹を刺すのはMETライブビューイングとほとんど一緒ですが・・・・コイツくたばったか・・・とばかりにスカルピアの手を蹴る。。。
窓辺に上って身を投げようとするのも。。。その後スカルピアの手に握られた通行書を取る仕草が、肩を怒らせ、あまりにも勢い良く、スカルピアを忌々しく睨みながら。。。むしり取るので、窓辺に上ったのも殺した後の興奮を冷ましただけのよう。。。
そしてヤッタ!とばかりにソファに横たわり、扇であおぐ。。。これからどうやってマリオと逃げようか・・・算段しているよう。。。
最後、塔に追い詰められた時は軽く足踏みするから。。。ケリ入れるタイミングを計っているな。。。と思ったら。。。なんと。。。2回も!!!ケリ入れるし。。。
歌の方は役に没頭しすぎなのか?何か不安をかかえた緊張感があるようで声に伸びがなく、不安定な部分も・・・。
でも演技の潔さの魅力は^^トスカでは???ですが・・・他の役で聴いてみたい!観てみたい!人ですね。

歌わせることが上手だと以前から思っているルイージ指揮の演奏はもちろん素晴らしかったのですが、その演奏に乗って魅力を発揮したのはカウフマン。
METでもルイージと一緒にやってますから信頼関係もできているのでしょう。
パリでウェルテルを歌ったときより声も前に出ていてずっと調子良さそうでした。
それにこの役の方がウェルテルよりもカウフマンに合っているでしょう。
やさしくトスカに寄り添う演技、絶望の中歌う「星はきらめき」での表現、最初から最後まで正にカヴァラドッシで観客を魅了しました。

スカルピアのウーシタロは品格のあるとっても良い声でいかにも冷血な雰囲気で歌っていて上手なのですが・・・声そのものがそれ程重くなく、スカルピアのイメージとちょいと違うような・・・こちらも他の役で聴いてみたい人でした。
品格があるので2幕で遊女が何人もいる退廃的な場面も厭らしくなく、スカルピアが呼んだというより、しょっぴいてきたみたい^^;
テ・デウムの演出はマリア像の額にキスというMETライブビューイングの演出と違って、マリア像の身に付けている聖衣の裾にキスした後、肩を抱きしめるというものでした。
額にキスよりは少々穏やかかもしれませんが、こういった踏み絵のような演出はやはり考えものです。

スカルピア殺害の場面後、舞台換えのため5分間の休憩があって、バルセロナから何人かでオペラ旅行しているという隣のおばちゃまがお仲間とお喋りしていたのですが、この演出について、「殺害の後に祈りがないけど、どう思います。」と聞いてみました。
「私達もそれをちょうど話していたの。演出は最近はいろんなのがあるから・・・私はクラシックなのが好きだけど・・・。音楽はとってもいいわね。歌手はカヴァラドッシはいいけど、トスカは声に伸びがない。カラスはそれはそれは素晴らしくて・・・・・。」と何故かカラスの話に。。。カラスと比べたらかわいそうです^^;
どうも演出についてはそれほど不快感を示した様子はなかったのですが、それでも「METの演出ではテ・デウムの時にマリア像の額にキスしたのよ。」と言ったら、エッと驚いて、お連れのお仲間とスペイン語で再びお喋り・・・^^。

カーテンコールでも特にブーイングは聞かれなかったのですが、ドイツはプロテスタントが多い国ですし、バルセロナから来たおばちゃまが言ったように演出はいろいろ・・・ドイツは特にとんでもない演出もあるところだからでしょうか。
スペインはカトリックが多い国ですが、ここではそれほど怒った様子を見せないおばちゃま方も、自国で上演してたら周りの反応も違うでしょうし、怒るかもしれませんね。
この後このプロダクションはミラノでも上演予定・・・さらに演出を変更する可能性も・・・。

もうひとつ意外だったのはカーテンコールが比較的あっさりだったこと。
カウフマンの地元ですからもっと凄いかと思ったのですが・・・でもこれは前日のグルベさまのカーテンコールが長すぎたからそう思ってしまっただけかもしれません。
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画像 1284.jpg

ウーシタロは残念ながらピンボケにしか写りませんでした。









終演後、出待ち・・・ルイージのサインをゲット[手(チョキ)]
すごく知的で優しそう^^。
ウーシタロ、マッティラ、カウフマンのサインももらいました。
スキンヘッドでもウーシタロは優しそう。
マッティラがすごく気さくな感じの人でスウェーデン語、ドイツ語、英語でファンの人とずーっとお喋り・・・^^。
カウフマンも常連のファンの人達とドイツ語でお喋り。
舞台上ですごくオーラのある人ですが、近くで見ると意外と普通。。。とか言ったら失礼かしら^^;
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コメント 2

euridice

こんばんは
記事、とても興味深く読みました。

トスカとは直接関係ないことですけど、
ドイツの宗教割合って、一般的にプロテスタントが大多数と思われているようですけど、プロテスタントとカトリックの割合はほぼ同じらしいです。日本の一番有名なカトリック系大学はドイツ系ですし、現教皇はドイツ人ですし・・

スペインはもちろんほとんど全人口カトリックなんですけど、なんというか日本の仏教みたいな感じに習慣化していて、もう数十年前のことですけど、スペイン人の修道女が、スペインはもはや布教対象国だと嘆いていました。


by euridice (2010-07-16 22:24) 

kametaro07

euridiceさま
>プロテスタントとカトリックの割合はほぼ同じらしいです
そうですか。
ベネディクト16世がドイツ人ということは知ってましたが、ドイツのプロテスタントの割合はもっと多いのかと思ってました。
>スペイン・・・日本の仏教みたいな感じに習慣化していて、
ヨーロッパも国、地域によって信仰心もさまざまですね。
演出については表現の自由が尊重される時代なのかもしれませんが、こういった信仰心を傷つける可能性のあるものは眉をひそめてしまいます。
舞台演出のことと割り切ってる人も多いのかもしれませんが・・・。
by kametaro07 (2010-07-16 23:36) 

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