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アイーダ [METライブビューイング]

Aida / Giuseppe Verdi

Conductor:Daniele Gatti
Production: Sonja Frisell

Aida:Violeta Urmana
Amneris: Dolora Zajick
Radamès: Johan Botha
Amonasro: Carlo Guelfi
Ramfis: Roberto Scandiuzzi
The King: Stefan Kocán

ガッティ指揮の「アイーダ」はミュンヘンで、ウルマーナ、ボータの「アイーダ」はスカラ来日公演で聴いてます。
このライブビューイングは見なくてもいいかな?とも思ったのですが、演出が豪華そうなのと、スカラ来日公演では「ドン・カルロ」のエボリを演じたザージックのアムネリスを聴いてみようと行ってきました。

スカラの演出も華やかでしたが、さらに一回り豪華にした演出で本物の馬も登場します。
劇場で見たらもっと感動することでしょう。

豪華な衣装を身に付けて歌うだけでも体力勝負でしょうが、主要登場人物3人がそれはそれは立派な体格でその姿だけで迫力!!!
3人とも立派なのでバランスがとれてました。

ボータは日本公演では最初の「清きアイーダ」でやや不安定さがありましたが、今回は最初から最後まで好調。ライブビューイング収録ということで気合の入れ方が違ったかもしれません。

ウルマーナは日本公演で実際に聴いた声と少し違う印象でした。実際に聴いた時の方がリリックで憂いがある印象でしたが・・・・?これで実際に聴いた声と違うと思った人は3人目です。
今回もきれいな歌唱でしたが、実際に聴いた時の方が胸に沁みるものがあったように思います。

ザージックは20年間この役を歌い続けているそうでうが、高音に伸びのある迫力の歌唱で嫉妬と苦悩の表現力はさすがです。特に4幕審判の場面は聴き応えがありました。

アモナスロ役グェルフィも品格のある声で、無念の情と雪辱を期す内面が伝わる歌唱でなかなか良かったと思います。

ガッティ指揮の演奏の印象は実際に聴いた時と同じく、「凱旋の場」は華やかで誇らしい演奏です。それがその後の悲劇を対比的に強調しているように思え、メリハリのあるドラマチックなものだったと思います。

早い話が演奏も歌も素晴らしく、場面ごとに引き込まれることは多かったのですが・・・・終わってみると何故か満足感がそれ程残りませんでした。

それが実演とライブビューイングとの違い・・・実演ほどの感動は味わえないということなのかもしれませんが・・・・・
自分自身の聴く姿勢という方がもっと問題なのだと思います。

ご近所ルックで気軽にフラッと映画館に行くのと、それなりにオシャレして劇場に行くのでは聴こうという意欲に差があります。
最近たいして働いてないのでお疲れモードじゃないはずなのに、ダラーッとして途中眠気に襲われました^^;

演出が違うとはいえ既に鑑賞したことがある演目、出演者だったので期待値も低く、実際新しい発見が少なかったせいかもしれません。

[猫]はただの新しいもの好きか?・・・・後でゆっくり考えるとしよう。
もしかすると「アイーダ」はあまり好きな演目ではないかも?・・・・・これも後で考えるとしよう。

ところでライブビューイングを見ていて時々思うのですが、カット割りが煩わしいときがあります。
今回特にそれを感じたのはダンスシーン。
新しい振り付けにしたということで、振付師にインタビューまでしているのに、カット割りが早すぎて全体の振り付けの流れの美しさがわかりません。踊りのダイナミックさを強調したくてカットを頻繁に変えてるのかもしれませんが、落ち着きなくイラッとしてしまいました。

その為ダンスシーンはスカラ日本公演での子供達とスカラ座バレー団の踊りの方がずっと素敵に思えました。


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keyaki

大劇場で歌う歌手がいかに限られているか...ということなんでしょうか。それにしてもよくこれだけメガトン級を揃えましたね。

>ウルマーナ
ライモンディとトスカで共演したことがあるんですよ。彼女は、ロール・デビューだったようです。
ウルマーナって、絶賛もされないけど批判もされないって感じの歌手ですよね。そつなくこなすタイプかな....美人じゃないので注目度も低いから、批判もされない.....

ウルマーナの記事をTBしました。コメントが面白いですよ。

by keyaki (2009-12-06 10:45) 

kametaro07

keyakiさま
TBありがとうございます。
ウルマーナがメゾからソプラノに変わった時期の記事ですね。
今後アッティラのロールデビューということですが、仰るようにソツなくどんな役でもこなすタイプかもしれませんね。
日本公演とライブビューイングとで声が違うと感じたのもコンディションのせいかもしれませんが、劇場の大きさや共演者に合わせて調節しているようにも思えます。
METではザージックと一緒ですから主役を奪われないよう気張ったかも?
by kametaro07 (2009-12-06 20:37) 

それいけ、ばいきんまん!

kametaroさま

こんにちは。
このAidaで私はライブビューイングを初体験しました。
Gattiの8月パルシファル、9月ドンカルロを体験して、
Gattiが気になったので行ってみました。
この10月11月のMetでGattiは頑張り過ぎたのでしょうか、
12月のウイーンでのMachbeth新演出はキャンセルしましたね。

中継ですが、ご指摘の通り私もカット割りの煩わしさをダンスシーンで覚えました。
天井カメラからのカット割りは美しかったのですが、
全体的に躍動感を追い求めすぎたカメラカットですね。
ダンスの振り付けは昔、
現地とテレビ中継で観たものとは異なっていて新鮮でした。
昔のテレビ中継のディレクターはBraian Largeさんで、
クレーンカメラを導入して当時としては新しい中継方法を試みてました。
彼のディレクションは自然な流れに身を任せれば楽しめるものでした。
DVDでも販売されています。
ちなみに、Braian LargeさんはBaden Baden・ティーレマン・バラの騎士の中継収録もディレクションなさっていました。
たぶん来月のBaden Baden・ティーレマン・エレクトラも担当される可能性があります。

Metのステージのマイクが歌手の声をよく拾ってくれていたので、
普段聞こえない音楽を色々気付かされて楽しめました。
歌手の調子も良かったと思います。
感心したのはMetのオケで、
期待していなかったにもかかわらず(ごめんなさい!)、
Gattiがきちんとリハーサルできていたのでしょう、
各声部のバランスもよく、声を掻き消すことが少ない美音だったと思います。

ライブビューイングは、
スピーカーの高音が割れることが時々あったのですが、
それ以外は楽しめました。
現場と異なり、
周囲には観客がいなくてくつろげるし、
お酒を嗜みながら鑑賞できて良いひと時を過ごせました。
また行ってみようと思いました。






by それいけ、ばいきんまん! (2009-12-07 15:06) 

ゆみゆみ

私も行ってみました。
この舞台装置・小道具の為ならば「寄付」をしても良いと思えるくらいの豪華さ。何度もメトへ行ったのに、1度も見る機会に恵まれず、これだけは見に行く価値が有るかもと思いました。
私は、終わって後泣いていました。アムネリスの人間味溢れる表現に思わず涙したのです。「やはり王女様も1人の女性なんだ。」と思わせてもらったのは初めてです。ここまでゆとりのあるアムネリスはすばらしいです。なので、ウルマーナが、淡白に聞こえたのも致し方ないのでしょう。
私はボタさんに結構お目にかかっていますが、「声は綺麗けれど?!」でしたが、アップになって表現している彼を見て驚きました。気合バリバリ入っていましたよ。
これからのビユーイングが楽しみですね。なかなか見にいけないのですが、回数券を買ってしまいました。
by ゆみゆみ (2009-12-07 21:45) 

kametaro07

それいけ、ばいきんまん!さま
>周囲には観客がいなくてくつろげるし、
私が行った時はほぼ満席でした。
それでもくつろげるのですが、くつろぎすぎて居眠りしちゃう時があるんです^^;もったいないですね。
>Gatti 12月のウイーンでのMachbeth新演出はキャンセル
1月チューリッヒの「エレクトラ」には元気な姿を見せてくれるといいですね。
>ティーレマン・バラの騎士
DVDを買ってないのですが、You-tubeで見ると、オクタビアンのKochが思った程若い人ではないのでエッ?と思ってしまいました。席が遠かったので少年のように若々しい人にしか見えなかったものですから・・・。
今度見に行く予定のパリの「ウェルテル」でシャルロッテを演じるので楽しみにしてます
>Baden Baden・ティーレマン・エレクトラ
私は残念ながら行けなくなってしまいました:::
どうぞ楽しんでらしてください!!!
by kametaro07 (2009-12-07 23:59) 

kametaro07

ゆみゆみさま
本当に劇場で見たら素晴らしいでしょうね。METでなくては楽しめない豪華さですね。
なんだか次の「トゥーランドット」も凄そうですが・・・・。
ザージックはまさにハマリ役、ボータも確かに美声です。
本文でも書きましたが、なんだか私は「アイーダ」が好みじゃないというより、ヴェルディがすごく好きとまではいかないようなんです。
今ごろ気づくのもなんですが・・・・好きな歌手がグルベさま、フローレス、パーペ、ホフマンですから・・・・ベルカントものとワグナー・・・ですよね^^。
パーペはヴェルディも歌いますが、今まで聴いたベスト・パーペは「パルジファル」のグルネマンツ。
今度のMETも「ドン・カルロ」「ボエーム」より楽しみなのはダムラウの「ルチア」なんです。
ヴェルディも良いと思うのですが、今ひとつ・・・のめり込めない自分に気づきました^^;
by kametaro07 (2009-12-08 00:20) 

それいけ、ばいきんまん!

私もAidaの4幕,ザージックに泣けました。
ライブビューイングでこれほど感情的に集中して鑑賞できることは予想してませんでした。
こんな感じなら次回は、ルネ・パペが予定されているホフマンストーリを観たいと思います。
Kametaroさまの時はほぼ満席だったのですね。
私は銀座の平日夜に行き、2・3割の入り、前半分の席はガラガラでした。
時と場所によるのですね、注意します。
リラックスできたので、同じく私も途中1度ウトウトしました。

Gattiの1月チューリッヒ「エレクトラ」は彼目当てで私は行くので元気に姿を現すことを祈ります。
首席指揮者就任披露公演でチケットレートが高額な音楽校訂公演ですし、
8月にはSalzburgfestでウイーンフィル相手にこの作品でSalzburgオペラデビューですから、必ずやきっちりリハをつけて登場してくれることでしょう。
パリでの「ウェルテル」公演にいらっしゃるのですね、いいですね。
私の来月はエレクトラ詣でになりました。
Zurich:Gatti→Baden Badee:Thielemann×2→Munich:Thielemann
Munichは一般売出しの前にほぼ売り切れで購入できませんでした。
Bayreuth並の人気かもしれませんが現地でなんとかします。
KametaroさまはBaden Badenはいらっしゃらないとのことですが、
そのエレクトラはたぶんテレビ収録されますから楽しみですね。

by それいけ、ばいきんまん! (2009-12-08 16:56) 

kametaro07

それいけ、ばいきんまん!さま
>次回は、ルネ・パペが予定されているホフマン
残念ながらパペは降板してしまいました。
当初発表されたキャストからはだいぶ変わってしまいましたが、ヴィリャゾンから代わったカレーヤはちょっと楽しみです。
>ウイーンフィル相手にこの作品でSalzburgオペラデビュー
この公演は私も注目してます。
出演者もマイヤー、パペをはじめ豪華ですから。
>私の来月はエレクトラ詣でになりました。
エレクトラ三昧、存分にご堪能ください。
Munichのチケットも首尾よくゲットできますように!!!
by kametaro07 (2009-12-08 21:25) 

ゆみゆみ

「トゥーランドット」を始めて見た時は、1階の前の方でした。
舞台の奥が遠すぎて見えない。この舞台はどれだけ広いの?
と、ビックリしました。
で今回は、3階にしまして、全部が良く見えました。
隣に座られた日系の93歳のおばあちゃんは
「少しゴチャゴチャしているのよね」と仰いました。確かにそういえばそうですが・・・。
姫のお父さん役の方が、ヨボヨボしているようで、奥の方のセットの階段から移動する時こけないかと心配なくらいでした。
でも全員の衣装が豪華で素晴らしい。これも保存の為なら「寄付」もありかもです。チューリッヒのコンピュータパチパチで普段着のカラフは、やはりいただけません。
ビューイング楽しみになさってください。
by ゆみゆみ (2009-12-08 22:20) 

kametaro07

ゆみゆみさま
そうでしたね。「トゥーランドット」はMETで実際にご覧になったのでした。
>全員の衣装が豪華で素晴らしい
ぜひ見なくてはいけませんね^^。

by kametaro07 (2009-12-08 23:23) 

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