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ユグノー教徒・・・Deutsche Oper Berlin・・・2016/11/13 [オペラ]

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Musikalische Leitung Michele Mariotti
Inszenierung David Alden

Marguerite von Valois Patrizia Ciofi
Graf von Saint-Bris Derek Welton
Graf von Nevers Marc Barrard
Valentine Olesya Golovneva
UrbainIrene Irene Roberts
Tavannes / 1. Mönch Paul Kaufmann
Cossé Andrew Dickinson
Méru / 2. Mönch  John Carpenter
Thoré / Maurevert Alexei Botnarciuc
de Retz / 3. Mönch Stephen Bronk
Raoul von Nangis Juan Diego Flórez  
Marcel Ante Jerkunica
Bois-Rosé Robert Watson
Ein Nachtwächter  Ben Wager

 開演17時、途中30分の休憩が2回、終演22時・・・・ワーグナーなみの長さです。

 マイアベーアは初めてということで楽しみではありましたが、前半はコメディかショーのような部分があり、違和感と古臭い印象は否めませんでした。無論ミュージカルはまだない時代、オペラにミュージカル的要素があったのは自然なことなのかもしれません。当時流行ったグランドオペラということで、その後の作曲家に影響を与えたそうですが、これを聴いたことでグノーの『ファウスト』やヴェルディの『トロヴァトーレ』のオチャラケ部分も納得できてしまいました。

 しかし、長いアリアの作り方が実に巧妙で、アカペラやバイオリンとの掛け合いが印象的であり、前半のオチャラケから徐々に緊張感が高まっていくのは見事な作品です。そこにはもちろんマリオッティの作品全体を構築する上手さもあって、長いアリアでも決してリサイタルモードと感じることはなく、自然な流れで徐々に緊張感を高めることに成功していたに違いありません。

 2015年7月にスカラで聴いたときにペガサスの羽が小さくなったと感じてしまったフローレスですが、長いアリアでも高音を力強く決めまくり。やはり只者ではありません。ペガサスはペガサス、普通のサラブレッドとは違う次元を走ってます。などと考えながら聴いていたら舞台に巨大なペガサスが出現したのには笑ってしまいました。一瞬[猫]の発想がパクられたかと思ってしまいましたが、そんなわけはありません<(_ _)>
 ヴァランティーヌ役の人も好演していてフローレスとの重唱は聴きごたえ満点。
 ひときわ背が高かったのがマルセル役のジェルクニカ。この人はリセウの『パルジファル』に出演していて、その時は出演者全員似たり寄ったりの背丈で大柄な人だとは思いませんでしたが、やはりワーグナーも歌える人は大柄です。リセウの『パルジファル』でも好演してましたが、キャスト表を見なければ同一人物と分からないほど声の印象が異なり、素朴で誠実な印象がありながら力強さと意思の強さも伝わる歌いっぷりで好印象でした。

 この作品はサン・バルテルミの虐殺を元に創られたそうですが、演出はマイアベーアが生きていたころのように見えた時代設定でした。鑑賞したのはプルミエ初日ということで、カーテンコールは演出にだけブラヴォーに混ざってブーイングも少々ありましたが、いつの時代も世界のどこかでサン・バルテルミの虐殺を想起させることが起きているのではないか?ということを鑑みれば、時代設定は問題ではないように思えました。

 ここベルリンはフランスでユグノー教徒が迫害された時代、移民として受け入れたいう歴史があるそうです。アスパラガスを持ち込んだのも彼らだったとのこと。ユグノー博物館もあるので、次回行ってみようと思います。移民を受け入れるという姿勢は現代まで続く伝統でしょうか?移民がもたらす恩恵も知っている国ということかもしれませんが、事件が起こるたびに痛ましく、寛容であり続けることの厳しさも知っている国であるのは間違いありません。



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