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タンホイザー・・・STAATSOPER IM SCHILLER THEATER・・・2015/4/2 [オペラ]

MUSIKALISCHE LEITUNG  Daniel Barenboim
REGIE  Sasha Waltz

HERMANN, LANDGRAF VON THÜRINGEN  Kwangchul Youn
TANNHÄUSER  Peter Seiffert
WOLFRAM VON ESCHENBACH  Christian Gerhaher
WALTHER VON DER VOGELWEIDE  Peter Sonn
BITEROLF  Tobias Schabel
HEINRICH DER SCHREIBER  Florian Hoffmann
REINMAR VON ZWETER  Jan Martiník
VENUS  Marina Prudenskaya
ELISABETH, NICHTE DES LANDGRAFEN  Ann Petersen
EIN JUNGER HIRT  Sónia Grané
TANZ  Sasha Waltz & Guests
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 この日のオケピは年末のトリイゾのようにオケピの壁にバイロイト形式の覆いはなし。考えてみると、タンホイザーは歌と演奏が鳴る部分とが重なることが比較的少ないので必要ないのかもしれません。

 ヴァルツの演出は初演時には賛否両論だったようですが、モダンダンスとオペラの融合を提示したもので、ダンサーの踊りは見ていて煩わしいものではなく、平土間16列目くらいから見るとライティンングによって写真などで見るよりずっと美しく見えました。舞台上、大きな目のように見えるセットは瞳の部分がドーム状になっており、中心から一人二人とほとんど裸の男女がでてきてドームの中で踊るのですが、ライティングの妙で猥雑な感じはほとんどなく、まるで聖堂のドームに描かれた絵が動いているようにも見えて、妖艶さと神聖さという相反する二つの雰囲気が漂うものになってました。
 歌手にとってこのドームは足元が滑りやすく、ヴェーヌスとタンンホイザーが二人でフラッとしたときは一瞬ヒヤリとしましたが、声はドームの中心で歌うと響き渡るので歌いやすかったかもしれません。特に出ていくタンホイザーに向かってドームの中心で歌うヴェーヌスの声はいつまでもタンホイザーの心に残るであろうことを示唆するには十二分でした。
 ヴェーヌス役のプルデンスカヤは2013年にシュトットゥガルトから移籍してアンサンブルとなった人ですが、発声が自然で無理なく美しく、また一人実力のある人が加わったという印象。

 充実の歌手陣の中でも特に目立っていたのはタイトルロールのザイフェルトとヴォルフラム役のゲルハーヘル。
 ゲルハーヘルは見た目が小柄で、舞台上ではウロウロと挙動不審のさえないオッサンだったのですが、歌うと凄い。歌合戦の場面は本当に歌合戦とばかり、バレンボイムはゲルハーヘルにお任せ。ゆっくりと言葉一つ一つを丁寧に歌い上げ、何故お任せなのか納得。詩人ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハとはかくあらん!

 ゲルハーヘルのあとはギュっと手綱を引き締めるバレンボイム。その後はタンホイザーの大暴れへと勢いよく発展するのですが、ザイフェルトのダメオぶりがこれまた最高!ネクタイを無理やり緩めながら履いている靴を足を振りながら脱ぎ捨てる様は・・・悪ガキか!?ただ片方ずつ脱ぎながらもあっちこっちに脱ぎ捨てず、同じ方向にほとんど揃えて脱いでいたので、かろうじて大人の面目を保っていたかな?というところ。
 そういえばチューリッヒで観たときはピアノの上に寝そべってダダこねてましたが、大柄なザイフェルトのダメオぶりたるや勢いのある歌声とともにいつも天晴れ至極。

 聴かせどころの夕星の歌でもバレンボイムはゲルハーヘルにお任せにしてくれたので、再びゆっくりと極上の歌を堪能し、その後は何をか言わんや、感動のザイフェルト劇場。ザイフェルトこそヘルデンの中のヘルデン、あんたが大将!
 以前ヘルデンとは?とWikiで調べたことがありましたが、ヘルデンと若いヘルデンに分かれていて、不思議くんは若いヘルデンに名前を連ねてました。こうしてザイフェルトを聴くとこの分類に納得するものがあります。

 ヘルマン役のユンは今やワーグナー作品には欠かせない人のようにいつもいるので、特に追っかけているわけではないのですが、一番聴いている人かもしれません。今回も充実した納得の存在感でした。

 演奏が広がり感に乏しかったのは惜しい気がしましたが、音響がデッドすぎるのは如何ともしがたく、デッドぎみのほうが好みとはいえ、リンデン修復が待ち遠しいと改めて思ったのでした。

 カーテンコールではメインキャストにブラボーがあったのはもちろんのこと、プルデンスカヤ、シャーベル、ホフマンなどアンサンブルメンバーにもブラボーでした。
 バレンボイム&オケがカーテンコールに出てきたときは一瞬にして周りが総立ち、[猫]一人凹状態で何も見えなくなり、慌てて立つ羽目に!!それはいつものように素晴らしかったですが、ここまで一瞬にして周りが総立ちになることは今までなかったので驚いてしまいました。



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