SSブログ

リゴレット・・・スカラ来日公演・NHKホール・2013/9/9 [オペラ]

先日のムーティ先生の『ナブッコ』での音響問題のように、何故かイタリアの著名人で聴くヴェルディはついてないことが多く、ヌッチの『リゴレット』も既に聴いたことはあるのですが、同じく変な音響と演奏がトットコトットコと速かったために、やっつけ仕事ぎみの印象になってしまったことがあったのでした。

今回は・・・

指揮:グスターボ・ドゥダメル
演出:ジルベール・デフロ

マントヴァ公爵:フランチェスコ・デムーロ
リゴレット:レオ・ヌッチ
ジルダ:エレーナ・モシュク
スパラフチーレ:アレクサンドル・ツィムバリュク
マッダレーナ:ケテワン・ケモクリーゼ
ジョヴァンナ:ジョヴァンナ・ランツァ
モンテローネ:エルネスト・パナリエッロ

それにしても、NHKホール・・・・(´・_・`)
残念ながら音響空間として同じく少々問題あり。
7月に本場で聴いた音の美しさなど望めるはずもなく・・・・・。

演奏は速いところは以前聴いたトットコ公演より速くて、テンポの変化が少々強引だったような・・・・
しかし、別にそんなことはよしとしましょう。

なんといってもこれはヌッチさまの座長公演
ヌッチさまが歌うときはトットコ公演よりもゆっくりと情感タップリ。
御年70を越えているとは思えない歌声。
ジルダ役のモシュクもヌッチさまのお相手として充分な実力。
マントヴァ役のデムーロも明るく美しい声のイタリアンテノールなので、カレーヤよりもこの公演には相応しいでしょう。

2幕後にブーイングが聞こえたのはbisがそう聞こえた説があるようですが、bisが
ブ~~~~~ス!
って聞こえてしまったと・・・・(・◇・)?
困ったことだと存じます。
モシュクが美人だからよいですけど、歌手全員美人とは限らないのですからなんと失礼なことでしょう。
母音の i が u に聞こえてしまうほど酷いホールかもしれませんが、ここはよく聞こえないからといってブーする人がいたりと色々な人がいるので、別にブーがあったとしてもどうということはないでしょう。

2幕カーテンコールでアンコールで歌ってくれたのはファンの人たちにとっては嬉しいことだったでしょう。
これまでフローレスの『人知れぬ涙』をアンコールで聴いたことはあります。
オペラにハマった当初はアンコールが嬉しい気がしてましたが、アンコールはどうしても流れを切ってしまうので、オペラの途中でご贔屓公演のようになってしまうのはいかがなものかと、今ではどちらかというとアンコール反対派です。
今回のようにカーテンが降りてからだとまだよいかもしれませんが、個人的にはリゴレットのような悲愴な物語でアンコールがあるのはやはり少々違和感があり、緊張感が途切れてしまって感情移入しにくくなるような気がしました。
しかし、もともとヴェルディはアリアの後いちいち拍手してブチぎれになりがちですし、
日本で歌ってくれる機会があとどれだけあるかを考えれば、粋な計らいなのでしょう。


ただ3幕始まる前に近くの人たちが
「いったいどれだけ押すのよ。リゴレットなんて普通2時間半くらいだよ」と話ているのが耳にはいり・・・
これは[猫]も同感
見なくてもよいと思ったら、まるでセールにとびつくようにチケットを購入しないほうがよいと思ったのでした。
今まで見た『リゴレット』は休憩一回で2時間半~2時間50分の公演だったことが多く、始まる前に休憩2回で終演予定21時40分ということが分かって少々ムッとしたしだい。
平日に3時間以上かかる『リゴレット』を見にくる気はしません。
もっと調べてから抽選申し込みすればよかったと反省。
3幕の作品なのですから、2回休憩でよいのかもしれませんが、1回の休憩に慣れるとその方が流れがよい気がしてしまいます。
でも背後に大きなセットがあるのは歌手に優しいですし、豪華なセットは舞台替えのために3時間以上かかってしまったとしても見応えはあるのでしょう。

終了は22時・・・・
トットコ帰りました。


では(o・・o)/~


nice!(0)  コメント(10)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 10

野兎

kametaro様、来日公演は行くつもりがなかったのですが、カレヤ降板を聞いて7月下旬にチケットを買い、ヌッチさまの出ない13日に行きました。bisはなく拍手でブチぎれになることもなく、ホールの音響の悪さと指揮者のオペラ不慣れはしかたがありませんでしたが、全体的にはよい公演でした。『アリアの後いちいち拍手』のあるリゴレットを直前に伊で聴きましたが、流れがとぎれて本当にイヤでした。今回のbisはヌッチさまの事前のしかけもあったと聞きました。
by 野兎 (2013-09-16 16:38) 

kametaro07

野兎さま
 コメントありがとうございます。
13日のメンバーはほとんど本場スカラでも一緒だった人たちなので、ドゥダメルはやりやすかったかもしれませんね。
 直前に伊でリゴレットというとヴェローナでしょうか?
ヤンヤヤンヤでブチぎれになると作品もへったくりもなく、拍手を聞きにきたようになってしまって悲しいものです。
ヴェルディをはじめとするイタものもドイツ語圏で聴いたほうが観客がよく聴きますし、ドライな音響の劇場が多く、イタリア人の音楽家も大勢活躍してますから、よい公演に巡り会える機会が多い気がしてます。
 今回は途中はそれほどブチぎれ状態ではなかったのですが、bisは遠く離れた日本だから特別なのだと思います。
by kametaro07 (2013-09-16 21:31) 

cachaca

ヌッチのリゴレットは何年か前に放映のを見ました。あれもスカラだったと思います(道化の衣装が赤に近い濃いピンク)が、声はともかく、大げさな大根役者ぶりが見るに耐えませんでした。あの役はともするとクサイ演技になりやすく、なかなか難しい役どころでしょう。デムーロ、聞こえましたか(^0^) ウィーンの「ボエーム」ではオケにかき消されてさっぱりでした。
今オペラ目的ではないと決めてヨーロッパに来てますが、やっぱり3回ではちょっと物足りない気もして、先日チューリッヒの27日「リゴレット」を衝動買いしてしまいました(^^; 知ってるのはS・ピルグだけです。「リゴレット」は2年前プラハでとてもいいのを見たので、まぁどっちに転んでもいいかと思って(^^)

by cachaca (2013-09-18 01:11) 

ゆみゆみ

15日  初・生  ヌッチです。
こういう歌い方が有るのだと。驚きました。
上の方の席からだと、表情は殆どわかりませんが、動き(舞台上もですし・声を出す時の体の方も)は殆ど無いといっていいと思います。歌だけであれだけ「リゴレット」が表せるのですね~。今でも狐につままれたみたいです。彼が凄すぎて、他のキャストさんが物足りなかった気がするので、オペラ
としては・特に大好きな4重唱が残念でした。
でもヌッチの他の演目が見たくなりました・何を今更ですね^^。
又海外へ行くしか有りません。

色々工夫を凝らすホロ様の初「イヤーゴ」応援弾丸ツアーをしてまいります。
ホロ様の声やその他  色々あるな~と思えましたが、でもホロ様のように
役を表現(あえてこの言葉でしょう)しようと努力して、行き着くその歌を聞くのもとても素敵です。
ホロ様はそこまで考えているか存じませんが^^。
by ゆみゆみ (2013-09-18 12:41) 

野兎

Kametaro様
直前のはヴェローナです。リゴレットにではなく公爵にbisの声が上がり、すべてのアリアに拍手喝采でしたが、開場係の方は『ペッシモ。私達ならブー』と笑っていました、私もその通りと思いました。指揮者がその都度拍手の時間をたっぷりとっていたので、指揮者と一部の聴衆もグルではないかと。。。ヌッチ様(ファンですが)リゴレットはタイトルロールとはいえ、オペラはヌッチ様のリサイタルではないのですから、もう少し大人しくしていただきたかったです。
cachaca様、デムーロ、他の日は知りませんが13日はちゃんと聞こえました。演技はともかく、美声でよいテノールだと思います。ウィーンでは調子悪かったのではないでしょうか?ヴェローナのロメオも他のキャストより声が小さいってことはなかったです。
by 野兎 (2013-09-18 15:44) 

kametaro07

cachacaさま
放映と舞台では印象が違うかもしれませんね。
デムーロは野兎さまの仰るとおり、全く問題なかったです。
歌手の人はどうしても好不調がありますから、ウィーンでは不調だったのでしょう。
チューリッヒをはじめ、オペラ鑑賞記楽しみにしてます。
今回も素敵なロングステイになりそうですね。
by kametaro07 (2013-09-18 20:23) 

kametaro07

ゆみゆみさま
私は2回目でしたが、今回も音響が今ひとつでしたし、アンコールはこういってはなんですが、興ざめで集中して見ることができませんでした。
落ち着いて鑑賞できる環境で聴いてみたいものです。

>初「イヤーゴ」応援弾丸ツアー
楽しんでらしてください!
by kametaro07 (2013-09-18 20:30) 

kametaro07

野兎さま
>指揮者と一部の聴衆もグルではないかと。。。
そういうこともあるかもしれませんね。
ヴェローナは大きいのでヤンヤヤンヤとなりそうな場所でもありますし・・・。

>オペラはヌッチ様のリサイタルではないのですから
全く同感です。
正にそのことを書きたかったのですが、聴くチャンスの少ないファンの気持ちを考えて、曖昧な表現で書いてしまいました。

基本的にはアンコールは格のある一流歌劇場がやることではないと思います。
スカラには既にスポンサーの援助が入ってますが、大衆迎合のビジネス主義になりすぎることのないようにお願いしたいです。

日本は評論家の中でもbisを要求して喜んでいる人もいるようですが、ヴェルディの作品の間にアンコールという感覚が全く理解できません。
ヴェルディ作品が苦手な理由のひとつは観客の作品無視の反応が悲しいいということもあるのです。

by kametaro07 (2013-09-18 21:04) 

Sheva

新幹線で笑が止まらず困ってしまいました。Kame 様面白すぎです。bis のくだり最高です。またよろしくお願いします。
by Sheva (2013-10-10 07:49) 

kametaro07

Sheva さま
ブーがあったとしてもなんら不思議でない公演だったと思います。
13日の公演をご覧になって正解でしょう。
とても公的資金で運営されている劇場の公演といえるものではなく、親衛隊のポケットマネーでやってくれという公演でした。
完全にオペラ過疎地の日本の観客用の公演で、スカラのオケと合唱がミラノ市長にビジネス中心で質が保たれなかったと抗議文を送ったそうですが、さもありなんです。
音響チェックや練習時間が充分に確保せれるよう、将来的には総裁か芸術監督が同行するよう求めたそうです。
http://archiviostorico.corriere.it/2013/ottobre/02/Scala_protestano_coro_orchestra_Tokyo_co_0_20131002_a2bd2b38-2b27-11e3-bc1a-520388772ff9.shtml
現在は両方ともリスナー氏が勤めてますが、ペレイラ氏に代わると他の人が芸術監督になるかもしれないから両方のポジションを併記したのかもしれません。
かつてムーティ先生が音楽監督はオケに関すること以外何の権限もなく、プログラムやキャストの決定権もないとインタビューで応えていたと記憶してますが、スカラのオケやコーラスは音楽監督には言及してませんね。
まして現音楽監督はスカラで独占できる人ではないのは百も承知ですしね。
by kametaro07 (2013-10-12 15:13) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0