SSブログ

ダフネ・・・Oper Frankfurt・・・2019/2/1 [オペラ]

 
 シャーガー半端ない、シャーガー神ってる、こんな流行語で表現したくなる公演でした。
ブロぐDSCF9089.jpg
Musikalische Leitung Sebastian Weigle
Regie Claus Guth

Daphne Jane Archibald
Leukippos Peter Marsh
Gaea Tanja Ariane Baumgartner
Apollo Andreas Schager
Peneios Patrick Zielke
ブログDSCF9090.jpg
 このプロダクションを鑑賞したのは2010年、ダフネの回想という演出が叙情性を深めた公演でした。今回は2度目ですが、鑑賞しながらこんなシーンだったかと思うことがしばしば。以前より痛々しさが増し、ロイキッポスの死の場面で思わず涙。今までも泣けると表現することはありましたが、本当に涙が溢れたことはほとんどありません。今回ばかりは涙を拭くのに音をたてないようにハンカチをバッグから取り出すのに気を使わざるをえず。それにこんな風に涙するのが自分だけだったら少々恥ずかしくもあり周囲をチラ見。すると何人かやはり目頭を押さえていて、妙に安堵してしまいました。
 以前鑑賞したのは九年も前なので演出を変更したと断定する自信はないのですが、特にアポロの演技、演出を変えているように思え、衣装も他の人達はほぼ同じなのにアポロだけが以前と異なってました。
 アポロ役にシャーガーを起用したことも公演の印象を変える要因であったに違いありません。登場するや否や、カリスマティックな歌声は恐ろしいほどの緊張感と不穏な予感をもたらすに充分。冒頭で半端ない、神ってると書いてしまったのもそんな理由からですが、この演出ではアポロは神ではありません。ロイキッポスを死にいたらせてしまった後のシャーガーは、悪意なく殺人を犯してしまった人間の後悔と懺悔を非常に上手く伝えていて、その末路は観ているものに更なる痛みをもたらしました。
 もう一人のテノール、ロイキッポス役のマーシュが本当に無垢で純粋な歌声だったこともその死に涙せざるをえなかったところ。前回は今やバイロイトでも活躍するようになったベーレが好演してましたが、マーシュも今後活躍の場を広げていくかもしれません。
 タイトルロールのアーチバルトは冒頭こそ声が痩せている感がなきにしもあらずだったとはいえ、すぐにそんなことは気にならなくなり、ロイキッポスの死の悲しみも繊細に歌い上げていたのが印象的でした。

 ヴァイグレ指揮の演奏も緊張感を保ち、あっという間の2時間弱。
 カーテンコールでは再演でも初日とあってグート登場。やはり演出を部分的に変更した可能性は高いと思ったしだい。
 
 

nice!(0)  コメント(2) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。