SSブログ

ジークフリート・・・Semperoper Dresden・・・2018/1/18 [オペラ]

 プラハから移動して昼過ぎにはドレスデンに入ったのですが、午後から徐々に風が強くなり、劇場に向かう頃には突風が吹くような天候で、コケてなるものかとピンヒールを履いて石畳を歩くのも容易でない状況になってしまいました。
ブログDSCF8795.jpg
Musikalische Leitung Christian Thielemann
Inszenierung Willy Decker

Siegfried Andreas Schager
Mime Gerhard Siegel
Der Wanderer Vitalij Kowaljow
Alberich Albert Dohmen
Fafner Georg Zeppenfeld
Erda Christa Mayer
Brünnhilde Petra Lang
Waldvogel Tuuli Takala
ブログDSCF8768.jpg

 席はあまり選べる状態ではなかったので平土間後方。ロイヤルボックスの下だったのでほぼ中央やや下手より。これがオケのバランスが悪くてワーグナーの世界に没頭しがたいNG席。ホルンとチューバだけが下手側の壁に大きく反響して他の楽器と違うレベルで鳴ってしまうという現象が起こってました。オケピを覗くと案の定、一番下手、壁を背にしてホルンとチューバが配置されているという状態。素人の浅知恵ながら、こういったことはオケの配置を変えれば避けることができると思うのですが・・・・。以前ここで『ローエングリン』を聴いたとき、平土間前方下手側で管が近いので強いと感じたわけですが、今回の席は反響によってレベルの違うバランスの悪さになってしまって、これだったら管が近くても前方の席のほうがましというほど。この劇場で既に何回も公演を行っているはずなのに常にこのようなオケの配置で行っているのか?疑問が残りました。この現象が起こることに気づいていないというのも考えにくく、平土間後方席は無視しても他の席にバランス良く届くようにしたという意図だとしたら、平土間後方席虫扱い。こんな名前ばかり長くて面白くもなんともない虫扱いはいかがなものか?席を販売している以上、誰かが平土間後方席虫扱いされることには、冗談ではなく、無視し難いものがありました。
 
 席については別件で他にも少々難あり。同じ並びの数席むこうの若造が途中で思いっきり爆睡。鼾とまではいかないもののスースーと気持ちよく寝息をたてていたのには前列の人が気になって何度も振り向くほど。隣席だったらピンヒールで足を踏んででも起こしてやるのにと心の中では思いましたが、いくらなんでもそこまで狂暴にはなりません。小突いて起こすところでしたが、数席向こうでは如何ともしがたしでありました。

 歌手陣については盤石で、ブリュンヒルデがブリュンルートかオルトヒルデだったのは想定内なので問題なし。
 ただシャーガーに少々ぎこちなさがなきにしもあらず。元々オリジナルでしたが、一度キャストから落ちていたのが再度復活したという状況で、演技を見ているとあまりリハに参加できなかったのではないかという様子。最もそれが顕著だったのが角笛を吹く場面。シャーガーは笛を口にしてないのに鳴ってしまって、慌てて笛を口に持っていくという有様。ここまでボケツッコミ的笑いどころにする必要があるのか?これにはちょいと意地悪された感もなきにしもあらずでした。もちろん天然ジークフリートたる歌声は健在でしたが、カーテンコールでも賞賛に溢れてはいても足踏みの多さではミーメとさすらい人の方が多いくらいだったのは、同様にぎこちなさを感じた人が少なからずいたのではないかと思います。

 演奏はいつものティーレマンらしく音を抑えたり、パウゼを取ったりと相変わらずではありましたが、これも想定内。オケのバランスが悪い席で聴いても賞賛が多い理由は分からないわけではありません。楽劇の醍醐味とでも言える言葉を大切にしたパフォーマンスは、歌手は大袈裟な演技などしなくても緊張感に満ち、ドイツ語圏の人達にとってはオケのバランスの悪さがあったとしても気にならないのかもしれません。

 演出についてはリングを通して観ないと理解しがたく思いましたが、椅子に何か意味がありそうでした。

 なんだかんだ書きましたが、前年某所で聴いたリングを思い起こせば、もちろんこちらの方が遥かに高品質ではありました。


nice!(0)  コメント(4) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。