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エリスメナ・・Opéra Royal・・2017/12/3 [オペラ]

 三兎追う者は一兎をも得ず、とまではいかなかったから良かったものの、三兎追う者は一兎を逃す。
 12月の遠征、注目したのはパリの『死者の家から』ウィーンの『ダフネ』ブリュッセルの『カルメル派修道女の対話』。これが『死者の家から』の最終日が2日、『カルメル派修道女の会話』の初日が8日ということでいつになく長い旅程にせざるを得ず。それでもなるべく短くと考えて2日到着にして観ようなどと考えたのが一番の敗因で、その他諸事情もあって観ること能わず。代わりに知人が行ってくれて感動したと言っていたのが救いでした。それにこの頃パリでは良い公演が結構あったので、4泊と久々にゆっくりと楽しむことができました。

 3日はヴェルサイユへ。
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Leonardo García Alarcón Direction
Jean Bellorini Mise en scène et lumières

Francesca Aspromonte Erismena
Carlo Vistoli Idraspe
Susanna Hurrell Aldimira
Jakub Józef Orliński Orimeno
Alexander Miminoshvili Erimante
Benedetta Mazzucato Flerida
Andrea Vincenzo Bonsignore Argippo
Stuart Jackson Alcesta
Patrick Kilbride Diarte
Tai Oney Clerio Moro

Cappella Mediterranea

 オケは指揮&チェンバロのアラルコンを含め11名編成。大きなガルニエではばらつきが少々気になったオケですが、古楽はやはり小さ目の劇場で小編成で聴くのが良いものです。
 歌手は若手中心といった趣でしたが、既に夏のエクサンプロヴァンスで公演してきたとあって完成度の高いチームワークの良さは言わずもがな。
 特筆すべきはタイトルロールのアスプロモンテ。ボルドーで聴いたロッシの『オルフェオ』でも好演してましたが、活き活きとした歌声は人を惹きつける魅力に溢れ、イタリア人ということもあってディクションの美しさも際立つものがありました。1991年生まれと若いですが、既にあちこちで主役級を担うだけの存在感があります。夏にはインスブルックでハッセの『セメレ』のタイトルロールを歌う予定ですが、脇にインヴェルニッツィやプリナなどのベテランが配されているのですから興味津々。と言っても観に行くことは難しそうなのが残念なところです。
 声質の異なる3人のCTもそれぞれ好演。10月に観た『リナルド』でタイトルロールだったオルリンスキーはブレークダンスまで披露してくれました。

 演出は正直もう少しなんとかならなかったかというところ。舞台下手に常にディレクターか音声係のように2人がじっと座っているのが劇中劇風でもあったのですが、あらすじを調べて鑑賞したのでまだ良かったものの、調べなかったらフランス語の字幕だけでチンプンカンプンに終わったであろう公演でした。

 
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