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パルジファル・・Staatsoper Unter den Linden・・・2018/4/2 [オペラ]

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MUSIKALISCHE LEITUNG Daniel Barenboim
INSZENIERUNG, BÜHNENBILD Dmitri Tcherniakov

AMFORTAS Lauri Vasar
GURNEMANZ René Pape
PARSIFAL Andreas Schager
KUNDRY Nina Stemme
KLINGSOR Falk Struckmann
TITUREL Reinhard Hagen
GRALSRITTER Jun-Sang Han Dominic Barberi
KNAPPEN Sónia Grané Natalia Skrycka Florian Hoffmann Linard Vrielink
BLUMENMÄDCHEN Elsa Dreisig Adriane Queiroz Anja Schlosser
Sónia Grané Narine Yeghiyan Natalia Skrycka
STIMME AUS DER HÖHE Natalia Skrycka
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 このチェルニアコフ演出の公演を初演時に鑑賞したのが2015年4月。そのときの感想はこちら

 今回最も印象に残ったのはシャーガーが歌、演技ともその時より上手くなったこと。初演時はどことなく一本調子ぎみで、チェルニアコフが家出少年という設定を考えたのもそれが理由と思ったほど。ところが今回は一本調子という印象はほとんどなし。体型も以前に比べてオヤジ体型になってしまったので少年らしさは希薄になった感はありました。しかし、演技が上手くなったので演出の意図は以前にもましてはっきりと伝わり、唯一謎だったシーン(3幕、母からの贈り物である置物と花の乙女たちのドレスを着た人形をクンドリがパルジファルに見せるシーン)も今回は解けてスッキリ。(どうスッキリしたかは解釈は人それぞれなので書くのは控えます。)
 一時期、初演時とは異なるエンディングにしていたと耳にしたことがあって、それでは演出の意図がぼやけてしまうのに、どうしてチェルくんは日和ってしまったのかと残念に思ってましたが、今回は初演時と同じく衝撃的なエンディングでした。このエンディングこそが肝であります。

 歌手陣は初演時と変わった人もいるので、読み替え演出により普通と異なる演技を要求される役柄をどう演じるかということも楽しみの一つでした。
 口は悪いけれど人の好い保育所のクリングゾルじいちゃんを初演時はトマソンが実に器用に演じていたのが印象に残ってます。今回はベテランのシュトルックマン。いつも押しが強く説得力のあるパフォーマンスをする堂々たる人という印象がありましたが、今回そのイメージを良い意味で覆してくれました。トマソンとは異なる演技で人の好さやクンドリに対する愛情を何気なく表現して実に上手く演じていたのはさすがでした。歌の方は言うまでもなく文句なし。
 初演時の役柄設定と最も異なる演じ方に思えたのがアンフォルタス。初演時のコッホは生ける屍といった状態で茫然自失の様相を呈してましたが、考えてみると生ける屍のように演じるというのはコッホくらい実績がないと難しそうです。ヴァサールは通常どおり苦しみに満ちた演技で好演してました。
 シュテンメは演技としては初演のカンペとそれほど変わらないのですが、表情や動きが少々硬く緩慢な印象で、その分おっとりとしたクンドリという雰囲気でした。歌はいつも端正に綺麗に歌う人なので、アンフォルタスを愛する一人の女性という設定はシュテンメには合っているように思えました。
 花の乙女達の一人に初演時のノヴィコヴァに代わって入ったのがアンサンブルのドライシヒ。二人ともオペラリアで1位になった経歴の持ち主です。ただ保育園の少女という設定にはノヴィコヴァの愛らしい声が合っていたという印象が残りました。

 演奏は歌手が演出にそった役柄に没頭して歌えるよう歌手にまかせてゆっくりとなる場合もありましたが、それ以外の部分は中庸からやや速めといった印象。今回の席は3階サイドで、2007年6月にアイヒンガー演出の『パルジファル』を鑑賞したときとほとんど同じ位置でした。それ以来歌劇にハマッたのでその時のことは記憶に残っているのですが、改装前と比べると改装による音響改善は歌と演奏のバランスという点で演奏の方に優位に働いているような気がしました。改装後に平土間前方で聴いたときは歌手にとっても歌いやすい劇場になったと感じましたが、事はそう単純ではなさそうです。以前の演出では歌手はほとんど前方でそれほど多く演技を要求されずに歌えたのに比べると、今は演出上舞台奥で歌うこともあったり、演技のため常に前を向いて歌えるわけでもありません。
 それでもここのオケの音はワーグナーを聴くには最高だということには何ら変わりなく、どっぷりとワーグナーの世界に浸れてワーグナー漬けになれるのはここしかありません。オケだけでなくパーペやシャーガーをはじめとした充実のアンサンブルメンバーもいるのでワーグナーはここでだけ聴けばよいとさえ思うのですが、来シーズンは2演目のみ。頻繁にワーグナーばかりやっているわけではないので、バイエルンやドレスデン、パリ、チューリッヒなども機会があれば行かないわけもなく・・・・・それにクレンツィス、ミンコフスキ、サロネン、バーデンバーデンでふられたヘンゲルブロックとかがワーグナーを振るなんていったら待ってましたとばかりホイホイ行ってしまうに違いないわけで、今までと同様あちこち出没するであろう[猫]であります。
 
 
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