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ヘリアーネの奇跡・・Deutsche Oper Berlin・・・2018/4/1 [オペラ]

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Musikalische LeitungMarc Albrecht
InszenierungChristof Loy

Heliane Sara Jakubiak
Der Herrscher, ihr Gemahl Josef Wagner
Der Fremde Brian Jagde
Die Botin Okka von der Damerau
Der Pförtner Derek Welton
Der blinde Schwertrichter Burkhard Ulrich
Der junge Mann Gideon Poppe

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 コルンゴルトの滅多に上演されることのない演目とあって、プログラム発表時から気になっていた公演です。
 現代音楽らしく不協和音が用いられているのですが、旋律が明確で美しい曲でした。音楽だけに言及すればもっと上演機会を増やしてほしいくらいです。ただ同時に上演機会が少ない理由の一端も窺えた気がしてます。

 コルンゴルトはテノールが好きなのか嫌いなのか?『死の都』同様、テノール歌いっぱなし。なんと死ぬまで歌わなくてはいけなくて、二幕途中でようやく死んで楽になったのに、最後に生き返ってまた歌わなくてはいけないという有様。歌えるテノールがどれほどいるのか?これが考えられる滅多に上演されることがない理由の一つですが、それだけなら『死の都』と同じです。他にも一般受けしないと思われたのが話の展開でした。あまりに非現実的で鑑賞していて物語に入り込めず、一歩引いて鑑賞していたという感が残りました。

 役の名がヘリアーネ以外は暴君、異国の男など名前がなく、特定の土地の名前も出てきません。そのため演出はさまざまに考えられそうでしたが、今回のロイは時代を現代に設定し、舞台を終始法廷のような広間で展開させたこと以外は読み替えがなく、そのままで分かりやすい演出でした。滅多に上演されない演目とあって配慮したかもしれません。

 タイトルロールの人がスタイルが良く、裸になるシーンでは本当に脱いでドキッとしてしまいました。薄手の裸の衣装を身にまとっていたようでしたが、本当に裸になっているようにしか見えず、美しいシルエットの裸体に思わずオペラグラスをかけて見る人もちらほら。歌もしっかりで適役でした。
 スタミナを要する歌いっぱなしのテノールはワーグナー歌手が担うことが多いようですが、今回は主にイタリアものを歌っている人です。誠実な印象の歌声で肝心のスタミナも充分。何ら不安なく歌いきっただけでも賞賛に値すると思えました。

 指揮はスカラの『影のない女』で観客を魅了したアルブレヒト。結構複雑なオーケストレーションに思えたのですが、演奏は聴くに忍耐を要したワーグナーのときとは別オケのようにまともでした。これはオケのレベルや音響の問題以上に指揮者の違いが大きな要因なのかもしれません。
 
 

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