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ベートーヴェン第九・・GEWANDHAUS・・・2013/12/30 [コンサート・リサイタル]

 それほど聴きたい公演がなかったのですが、そういう時はドイツに行くに限ります。
 ドイツはたいしておもしろい国ではありません。
知り合いがいたので訪れることはあっても好んで行くような国ではありませんでした。
ところが、ことクラシッック・オペラとなると世界中から音楽家たちが大集合ですから、質は他の追随をゆるさないのは当然で、多くの名門オーケストラが存続しつづけ、スター歌手の生み出される地となってます。
先日スカラの椿姫とベルリンのジルヴェスターのBS放送がありましたが、ダムラウ、ルチッチそしてガランチャと12年程前に3人共フランクフルトの専属歌手だったのですから、侮れじ、いや恐るべしフランクフルト\(・o・)/!
世の中5年はオラ達より遅れてるよネ。
とフランクフルトの人が思っているか否かは知る由もなし(・◇・)
他の歌劇場からも多数の歌手が輩出されてますが、長くなるので省略。
一流の歌劇場は一流の人がいる、あるいは一流を輩出できる活力があるところであって、有名人を呼べるなんてことは他人の褌で相撲をとっているようなもの、それが何か?と思えてしまいます。

 このところあまり感動することがなくなってきているので、原点に帰ってベルリンへ
シラー劇場はワーグナーには小さすぎてオケが鳴りすぎになるか、小さなオケピで編成の問題でバランスが崩れてしまうのではないかと思って足が遠のいているのですが、この機会に様子見とばかり、オランダ人に行くことにしてました。
はい(^-^)/
してましたになってしまったのは諸事情により行くこと能わず・・・
はい(^-^)/
なんとなく行く気がしてなかったのは正しい予感で、『フィデリオ』を聴いて行く気になってしまったのがそもそもの間違い
はい(^-^)/
でも速攻、気を取り直すのは得意
はい(^-^)/

 いつか聴きたいと思って機会なく過ごしてきたゲヴァントハウスに行ってきました。
特に年末の第九はこの地で1918年から続く伝統の公演です。

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GROSSES CONCERT ZUM JAHRESWECHSEL
Gewandhausorchester; Chor der Oper Leipzig; GewandhausChor; GewandhausKinderchor; Riccardo Chailly; Camilla Tilling, Sopran; Gerhild Romberger, Alt; Simon O'Neill, Tenor; Ain Anger, Bass
 
 スカラ座音楽監督に就任が決まったシャイーですが、2020年までゲヴァントハウスとの契約を続けることはそれ以前に決まっているはず・・・・
スカラ就任はまだ先のことであり、どうなるか分からないことであってゲヴァントハウスのスタッフに聞いても仕方ないと思いつつ、スカラ座監督に就任しても2020年までゲヴァンドハウスにいるかどうかを尋ねたところ・・・
間髪いれず、自信を持って”イエス”の一言。

公演を聴いて納得。
シャイーはこのオケと仕事していたら離れたくないであろうと勝手に想像してしまうほど充実した内容でした。

冒頭でのオケの奏でる音は軽く柔らか・・・
しかし、このオケは気体から液体、液体から固体、時に固体から気体へ昇華するがごとく音の密度は自由自在。
これは全く味気ない表現でよろしくない_(._.)_ 
泡のような軽やかさと思っていると、細かい泡がクリームのようなまろやかさに変化して、そのうち濃厚なチョコレートのコクまで味わえる。
これまた食べ物の味がしすぎの表現でよろしくない(._.)_ 
低弦がガッシリと重く響く中、バイオリンがふわふわとした軽やかさで絡んだりすると
ザッハートルテにふわふわのクリームをかけてるような味わいがしてしまったのは、コンサート前に食事してデザートは我慢したせいです_(._.)_ 

管は実に巧妙でまろやかに変化し、ティンパニも強弱のつけ方が絶妙な存在感、
何より全体のバランスが素晴らしいのはシャイーとオケとの相性の良さを物語るに十分に思えました。

合唱はオケ後方の客席に冒頭からいたのですが、最前列だけ途中から入場してきて、真ん中にソリスト達がいました。
合唱は男声よりも女声のほうが主に聴こえて力強いというよりも純粋で輝かしい印象。
ソリストも良かったのですが、オニールは第九には少々違和感があったような?
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テンポは一貫して速めでしたが、それが生き生きとした生命力に繋がっていた公演でした。


ゲヴァントハウスはライプツィヒ歌劇場、聖トーマス教会でのミサ演奏も行っているということで、こちらも機会があればぜひ聴いてみたいものです。
そういえば、聖トーマス教会でオルガン演奏を聴くことができたのですが、奏者はゲヴァントハウスのメンバーだったのでしょうか?

ベルリン、ドレスデン、そしてライプツィヒ・・・・
黄金のトライアングルと呼ぶことにしよう。

ではこのあとドレスデンへ行ったかというと・・・
とても行きたいとは思えないビジネスの匂いがプンプンするジルヴェスター・・・・
ミュージカルナンバーをSKDで聴きたいと誰が思うのでしょう?
というのは田舎者の考えで、ドレスデンの人たちにとってはたまには良いというところかもしれません。
それに実際に行った人に失礼_(._.)_ 
しかし、コバンザメ作戦はオペラの曲だと他の人と比べられてしまうので、お得意の曲にしたのだろうとしか思えないのですけど・・・・。
どうしてティーレマンはここまでルネさまを持ち上げなくてはいけないのかと疑問は更に深まったのでした。
オリジナルキャストのカウフマンだったら様になった公演でしょうが、キャンセルで付き合わなくてはいけなくなった不思議くんには辛いプログラムだと思ってしまいました。

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コメント 6

Kew Gardens

お帰りなさいませ~& 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

>でも速攻、気を取り直すのは得意
流石でございます。 こちらが聴く気マンマンで出かけて行って振られることもございますので、何事においても柔軟に対応するのが良いかと。

本場でゲンヴァントハウス+Chaillyをお聞きになったとはうらやましい限り。 かの地にはまだ足さえ踏み入れたことがございません。 

>シャイーはこのオケと仕事していたら離れたくないであろうと勝手に想像
彼、こちらのカペルマイスターに就任してまだ10年は経っていなかったと思いますが、オケも掌握して周りとも良い関係を築き上げているようですね。 前のRCOも長かったですが、離任前にはコンヘボで彼にMessageを送ろう!キャンペーンをしていました。 常任といっても地元で振るのは年に数えるほどしかないのに、市民にも愛されているんだと思いました。 

>不思議くんには辛いプログラム
どうでしょうか? ドイツのTV番組でオペレッタを歌っているのを観たことがあります。 それに、今年リリース予定のCDは少し軽めみたいですよ。 ・・といっても前作のWagnerに比べてだと思いますが。 ま、不思議君ですから、何でもOK! かもしれません。
by Kew Gardens (2014-01-04 01:51) 

kametaro07

Kew Gardensさま
本年もよろしくお願いいたします。

ライプツィヒは2回目なのですが、以前はベルリンからの日帰り観光だったのでコンサートまでは無理でした。
小さな街ですが、なかなか良いところです。
行こうと思ったときには席は売り切れになってしまっていたのですが、後から出てきてくれました。
ほとんど選択余地はなく舞台から遠い席でしたが、音響的にも問題なく聴きやすいホールです。
シャイーは2005年からだそうですから仰るように10年は経ってませんね。
ライプツィヒでは2008年までは歌劇場監督もやっていたので、かなりの頻度で一緒に仕事していたでしょうが、今は現歌劇場監督のウルフ・シルマーの方がオケと仕事する機会は多いかもしれませんね。
でも録音も重要なお仕事なのではないでしょうか?
「シンフォニー」「オペラ」の2つを日常的に演奏している団体はいくつかありますが、「宗教曲」まで演奏しているのはここだけだそうです。
シャイーもそこが就任の理由と語ったようですが、非常に魅力的なオケだと思いました。

ベルリンでBPO,SKB,ライプツィヒでLGO,ドレスデンでSKDはゴールデンルートです。

SKDはせっかく聴きたいと思ってもあのミュージカルプログラムは論外。
もうルネさまは2回良くないのが続いたので避けたいというのが本音です。
カウフマンも受けたのだから歌えばよいのに、相変わらずのようで・・・・。
by kametaro07 (2014-01-04 20:33) 

michelangelo

kametaro07様

本日、遅れ馳せながら拝読致しました。定期的に貴ブログへお邪魔させて頂いていたにもかかわらず、見落としていました。

実は、私もSKDのジルヴェスター(ミュージカル)に関して疑問を持っていました。フォークト氏がカバーする形になりましたが、カウフマン氏も内心プログラムについてどう受け止めていらっしゃったのか。

ティーレマン氏&SKDの名で十分成り立つのに、あえて話題性のある(現在も?)ソプラノで利益を出そうとしていたとは思えず不思議です。彼女には確か、強力なエージェントがついているはずですが、それ(ビジネス)とティーレマン氏が関連しているとも想像し難いです。

テレビで放送された映像を少し観ましたが、複雑な気持ちになったのを覚えています。SKDとティーレマン氏の創り出す高い芸術性と、レパートリーがメチャクチャ多過ぎるフレミングさんが組むこと自体、謎です。

kametaro07様のご意見を今日伺うことが出来て、嬉しかったです。
by michelangelo (2014-03-17 22:11) 

kametaro07

michelangeloさま
コメントありがとうございます。
>彼女には確か、強力なエージェントがついているはず
それは察しがつきますね。
利益を出そうとしているのはゼンパー側ではなく、その強力なエージェントだと思います。
ティーレマン人気にあやかってドイツ語圏ではCDなどだいぶ売れるようになったのではないでしょうか?
ティーレマンは以前ギャラが折り合わずウィーン国立歌劇場の来日公演をキャンセルした経緯があったとどこかで読んだ記憶があります。
それが定かかどうか確かめる術も知らないのですが、フレミングと一緒が多いせいもあってビジネスの影がつきまとっているイメージがあります。
最近のドレスデンのゴタゴタも本拠地ゼンパーの都合を考えずにSKDを自分の意のままに引き連れて動いていることに端を発しているようです。
ドレスデンの人たちはどう思っているのか?
SKDはゼンパーで聴いてこそ、と思っているので少々疑問に思ってます。
by kametaro07 (2014-03-20 20:48) 

michelangelo

kametaro07様

お返事を頂きまして、ありがとう御座います。

エージェント絡みの可能性、納得です。それから、彼女の派手さ(高級/ブランドの衣装や宝飾品)、他のオペラ歌手と比べて目的(演奏会)がずれている気がしてなりません。トンチンカンな発言を承知の上で書きますと、彼女の再婚相手にしても音楽家ではなくアメリカ人弁護士(好きで一緒になった相手の職業など関係ないでしょうが)

一方、彼は難しい性格が災いするようで、実際ルネ・コロ氏はインタビューでも「80年代初めだったであろうか(中略)彼は愚か者か天才か、その両方かと(彼の態度から)思った」と笑顔交じりの表情で語られています。芸術には長けているものの、彼は人選を誤ると大変なことになるかもしれませんね。日に油を注いでいるかのようです。

引退が早い声楽ソプラノ(綺麗な声からスターに押し上げたエージェントが強力)と、地道な下積みを経て50代半ばと一番乗っている指揮者、当然のことながら後者を応援したくなります。ただ何度もトラブルを繰り返していると、気持ちは複雑。そこまでビジネスに走らないといられない事情があるのでしょうか?ドレスデンもリヨンも、お気の毒です。
by michelangelo (2014-03-21 00:07) 

kametaro07

michelangeloさま
>ドレスデンもリヨンも、お気の毒です。
同感です。
本拠地が修復中で使用できないならともかく、あんなに素晴らしいゼンパーという本拠地があるにもかかわらず外回りの仕事を優先させられたら、ドレスデンの人たちもこんなはずではなかったと思っているのではないでしょうか?
by kametaro07 (2014-03-22 17:36) 

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