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ドン・ジョヴァンニ・・・Wiener Staatsoper・・・2010/12/20 [オペラ]

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シュバルツ、エスポジート、ダルカンジェロ
Don Giovanni |Wolfgang Amadeus Mozart

Franz Welser-Möst | Dirigent
Jean-Louis Martinoty | Inszenierung
Hans Schavernoch | Ausstattung
Yan Tax | Kostüme
Fabrice Kebour | Licht
Sandrina Schwarz | Bühnenbildassistentin

Ildebrando D`Arcangelo | Don Giovanni
Sally Matthews | Donna Anna
Saimir Pirgu | Don Ottavio
Roxana Constantinescu | Donna Elvira
Alex Esposito | Leporello
Albert Dohmen | Il Commendatore
Adam Plachetka | Masetto
Sylvia Schwartz | Zerlina

帰りの飛行機で疲れてウトウトしそうになっていたところ、斜め後方で「ドン・ジョヴァンニを観にいったら、良かったの」という声が聞こえ、思わず耳がダンボの[猫]
振り返ると[猫]より少しご年配のオバチャマ。
「主役の人が若くもなく、年取ってるわけでもなく、ちょうど良い年頃の人で雰囲気があってね。歌も良かったの。他の人達も上手だったし、舞台が最初モダンだと思っていたら急にモーツァルトの時代に変わったりしてね。華やかさもあって、なんだかとっても良かったのよ。」
以上、[猫]の感想をまとめたものです^^;といっても良いようなことを仰ってました。

今回の旅行を計画した時に「ワルキューレ」の次に注目したのはこの「ドン・ジョヴァンニ」
新演出、指揮は音楽監督になったヴェルサー・メスト、ドンジョは?
お~~~この人がいました!
ダルカンジェロ!

ウィーンではフォレのドンジョを以前のとってもオーソドックスな演出で観たことがあります。
正直フォレは格が違うというほどの圧倒的な歌声で、ミュンヘンで聴いたキーちゃん(キフィエチェン)も今回のダルカンジェロも歌声だけで言ってしまうとフォレには及ばないというのが正直なところですが・・・・。
キーちゃんは人を喰ったようなふてぶてしいキャラで破天荒なドンジョのおもしろさを伝えてくれました。

そして今回ダルカンジェロは・・・・
観る前からイメージがそのまんまドン・ジョヴァンニ!と決めつけているところはあるのですが・・・^^;
舞台が前に少し傾斜しているのですが、冒頭、アンナと絡みながら、勢いよく登場!で勢い余って一緒にコケる!イタ~~~!ですが、すぐに立ち上がって何事もなく歌いました。
このコケたのもアンナに追っかけられている臨場感があって、そういう演出かとも思えるくらい。
全体の印象としては今回のダルカンジェロのドンジョはクールなドンファン・・・これって正にドンジョの本質ですよね。


演出は現代的で背景も写真パネル、お金かかってないなーというシンプルなものですが、パーティの場面は全員モーツァルトの時代に扮した仮想パーティのような設定になっていてクラシカルな華やかな世界が広がります。
モダンとクラシックの良いとこ取りを狙ったと思える演出です。
破廉恥な部分もあってミュンヘンのプロダクションをパクってない?と思われるような場面も散見されるのですが、その破廉恥さの表現はミュンヘンよりもっと露骨な表現もあったりします^^;
しかし、レポレッロ役のエスポジートがコミカルなセンスでやるので嫌な感じのものではなく、笑えるものです。
ちょっと理解できない場面もあったりするのですが、いつものように^^;まぁ、イイかっ。
特にモーツァルトの喜劇に関しては・・・なんだか分からないけど面白い・・・といったところがある方がモーツァルトの喜劇らしくて良い・・・と思っているしだい・・・本当か?!?!
だってドンジョは喜劇だし、モーツァルトって破天荒な天才でしょ・・・[猫]ごときには分からないところもあって当然だわ。

ヴェルサー・メスト指揮の音楽はアクセントを効かせ、アリアもじっくり歌わせるというオーソドックスな印象でした。
歌手の人達はアリアの間はあまり動かないのですが、ヴェルサー・メストの意向でしょう。

そこでダルカンジェロの話にもどりますが、アリアをしっかり歌わせるという指揮者の意図があってのことではありますが、アリアの最後でちょっと反りながら両手を広げて目をつぶって歌う姿が以前観た「チェネレントラ」のアリドーロの時と一緒。
歌に集中する姿がすごく真面目、それがちょっと不器用にも見えて妙に好感がもててしまいました。
野性的な声で歌はバッチリです。
アリドーロ役ではそのトボケた姿でウロウロするのが、観客の笑いを誘ってましたが、これはダルカンジェロの素ですね。
今回もレポレッロと衣装を交換すると、ピエロ襟の衣装でウロウロするのですが、そんな3枚目の姿をしてもかっこ良く、かつなんとなくトボケた感じになるのはダルカンジェロならでは・・・。
最後騎士長の亡霊に対峙する場面は全く動じない、それどころかヘラヘラと笑い続けます。
自宅に晩餐に招いたという設定ではなく、墓場の前で晩餐会を開くという設定で、騎士長登場前にドンファンらしくメイドに絡みながらチップをばら撒くわけですが、そのばら撒いたチップを拾い上げ、上手いこと化けたな、とばかりに騎士長にさしだします。
そこでグイッと騎士長に手を捕まれて地獄に引きづりこまれる演出。
下手すると品がなくなってしまうような女たらしの演出ですが、クールなダルカンジェロだと決して下品にならない、最後までドンファンを貫いたドンジョでした。

レポレッロはミュンヘンでも同役を演じたエスポジート。
この人のコメディのセンスは実にイイ!
この人くらい歌をしっかり歌いながら動き回れると演出家にとって嬉しい逸材でしょう。
今回はアリアはしっかりと歌わせるというコンセプトなので、ミュンヘンの時ほどアリアの場面では動かず、歌もアクセントをしっかりつけて歌ってましたが、それでも机の下を這い蹲りながら歌ったり、上着を脱ぎながら歌ったり、動き回る姿はおもしろい!
ドン・ジョヴァンニと入れ替わったのがバレた時に服を脱ぎながら歌うシーンは・・・ミュンヘンでも見たよ・・・と思ったのですが、上着だけでズボンまで脱がずにすんだのでエスポジートにとっては楽だったでしょう。
ミュンヘンではズボンまで脱がなくちゃいけなくて片足立ちになりながら歌ってましたから^^;

ドンナ・アンナ役のマシューズがちょっと乾いた声なので、好みが分かれるかもしれないのですが、どの音域でも声が均質で聴いていてとても聴きやすい、きれいな歌唱だったと思います。
アリア「いいえ違います・・私は貴方のもの」ではブラヴァーでした。
演技もちょっと大袈裟にいつも倒れそうにヘナヘナしてるところがおもしろく、イケてました。

そのマシューズと重唱で声が良く合っていたのがオッターヴィオ役のピルグ。
彼も一度聴いて見たかったのでラッキーでした。
見た目も声も誠実で真面目な印象です。
相手のマシューズがヘナヘナしてたので、真面目すぎるようにも見えましたが、こちらもアリア「私の恋人を慰めて」でブラヴォーがもらってました。

エルヴィラ役はキャスト・チェンジでコンスタンティネスクでしたが、すごくきれいな人で、気が強いシャキシャキした雰囲気で良かったです。

ツェルリーナ役のシュバルツはリンデンのアンサンブルの人ですが、聴くのは初めて。
彼女も楽しみでしたが、見た目も声もとってもかわいらしいく、ちゃっかりした感じが出てました。
このツェルリーナがドン・ジョバンニに痛めつけられたマゼットをいたわる場面もミュンヘンをパクッたと思われるところで、横になって倒れているマゼットに馬乗りになってアリア「見ていらっしゃい、いとしい人」を歌います。

マゼットのプラチェツカがちょっと格好よすぎ・・・というところがあるのですが、背がとっても高くてハンサムです。
ウドの大木的なおもしろさもありましたけど・・・歌はかっこよすぎてあまり覚えてません^^;

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カーテンコールはブラヴィー!





写真はよく取れなかったのですが、14日にご覧になったダルカンジェロの大ファン、primroseさんが動画をおくってくださいました。
アンナとエルヴィラ役は違う人です。
四苦八苦の上、初の動画アップ^^;

終了直後


ヴェルサー・メストと一緒に


ダルカンジェロ中心

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コメント 8

Primrose

カーテンコールの動画をシェアして下さりありがとうございます。ダルカンジェロのドンジョヴァンニは、本人の素質によるところだと思いますが、いつも品格があり本当に大好きです。そしてクラシックな衣装が似合うことと言ったら、、、あまりの美しさにボーゼンとなりました。外見だけでなく、声も色気があり聴いているとゾクゾクします。また5月にウィーンに観に行くつもりです。
ダルカンジェロ&エスポジートの2人が10月にベルリンのドイツオペラでドンジョヴァンニに出演していました。この演出はドイツらしくぶっ飛んだもので、非常に動きが多く、演技上手の2人の良さが生かされていたと思いました。特にエスポジートは、飛び跳ねるし、走り回るし、コミカルな演技で観客を魅了。2012年2月にロイヤルオペラでレポレロを歌ってくれるようなので、楽しみにします。
カメタローさんのおかげで、冒頭での転倒事件も含めて、20日の様子を伺えることができ、本当に感謝しています。ダルカンジェロのドンジョヴァンニは最高ですね!!!早くまた観たいです。
by Primrose (2010-12-27 03:48) 

Sheva

ダルカンジェロのドンジョヴァンニ来週BBC radio3で放送されますね。(もちろんすでに生中継されていますが…)
サイト、いつも楽しみに拝見させていただいています。
新国立トリスタンの記事UPはいつごろですか?ぜひよろしくお願いします!
by Sheva (2010-12-27 21:33) 

kametaro07

Primroseさま
動画ありがとうございました。
もっと大きくできそうなのですが^^;
時間ができたらやり直してみます。

>クラシックな衣装が似合うことと
クラシックなものだけでなく、何を着ても様になる人ですよねー。
クラシックな衣装といえば、国立オペラ博物館に前のプロダクションのドンジョに扮したダルカンジェロの写真があって、素敵でした。
博物館に行ったことも記事にしようと思ってますので、その写真も載せるつもりです。

>ダルカンジェロのドンジョヴァンニは最高ですね!!!
仰るとおり!
ベルリンも観たくなっちゃいます・・・困った^^;
by kametaro07 (2010-12-27 23:34) 

kametaro07

Shevaさま
情報ありがとうございます。
私も楽しみに拝見させていただいてます。
「トリイゾ」アップしました。
いつもたいしたことは書けませんが^^;
今後ともどうぞよろしくお願いします。


by kametaro07 (2010-12-27 23:41) 

syun

「騎士長の場」斬新ですね。

「序曲」とかはどうでしたか?
「魔弾」「ドン・ジョバンニ」は最初の序曲で決まる! と思うのですが。


by syun (2010-12-29 14:17) 

kametaro07

syun さま
ナイスとコメントありがとうございます。

指揮は音楽監督のヴェルサー・メスト!
序曲はプレミエ公演に向けてしっかり準備をしたであろうことが伝わるものでした。
勢いがありながら、しっかり揃っているので音が美しく、アクセントも程よく効いた演奏で惹きつけられました。

>「魔弾」「ドン・ジョバンニ」は最初の序曲で決まる! と思うのですが。
ヨーロッパでは設定を置き換えたり、解釈を変えたり、公演によっていろいろなコンセプトのものがあります。
ドン・ジョヴァンニをアル中に見立てた公演もありましたが・・・^^;
音だけ聴くと物足りないと思うかもしれないのですが、破天荒な演出にはピッタリだったのが、ミュンヘンのドンジョです。
http://kametaro07.blog.so-net.ne.jp/2010-07-20
序曲で決まるというのも、なるほど!ですが、鑑賞しているうちに思わぬおもしろさを発見できる演奏、公演もあると思います。


by kametaro07 (2010-12-29 19:49) 

ゆみゆみ

御無沙汰いたしております。
お元気ですか?
今日ミラノから戻りました。ミラノへご一緒した方が
カメタロウさんが「ドンジョ」をご覧になるそうだと聞きお邪魔しました。

私は21日「第九」「ドンジョ」を楽しみにしていたのですが、コーラスのストとかで「第九」はキャンセルとなり悔しい思いをしました。
「ドンジョ」もネトさんが、キャンセルで私が心から楽しみにしていたマッチャン・ネトさん・フリットリさんの競演は、泡と消えました。

ミラノは雪こそ降りませんが、寒さは厳しかったです。
お帰りになられたら、公演についてお話しましょうね^^。
楽しみにしています。
私は少々不満。来月見る時までにもう少しまとまっていればいいと思います。
お気をつけて・・・。
by ゆみゆみ (2011-12-25 20:05) 

kametaro07

ゆみゆみさま
おひさしぶりです。
お帰りなさいませ。
21日は残念でした。
メトの急な降板劇といい、このところツイテらっしゃらないですね。
ネトコについては、実はザルツで28日は出ない、23日もあぶない・・・
との噂は耳にしてました。
でも結局20日の公演から降板でしたね。
BSを観ましたが、ネトコ使用の重量級に仕上がってるようでした。
1月のほうが指揮者、キャストからいって、軽い仕上がりになりそうですが、いかがでしょうね?
ところで、何故私が行くことをご存知なんでしょう?
パリのドンジョにしようかとも思っていたのですが、どうもパリの方が厳しそうなので、行くことにしました。
来年は降板、キャンセルのないよう、良い年となりますように。
by kametaro07 (2011-12-26 15:18) 

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