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イル・ポスティーノ・・Theater an der Wien・・2010/12/18 [オペラ]

画像 1301.jpg
ドミンゴ、ロザーノ
Il postino
Oper in drei Akten (2010)
Musik von Daniel Catán
Basierend auf der Novelle von Antonio Skármeta
und dem Film von Michael Radford

Musikalische Leitung Jesús López-Cobos
Inszenierung Ron Daniels
Ausstattung Riccardo Hernández
Licht Jennifer Tipton
Projektion Philip Bussmann
Choreographie David Bridel

Pablo Neruda Plácido Domingo
Matilde Neruda Cristina Gallardo-Domás
Mario Ruoppolo Israel Lozano
Beatrice Amanda Squitieri
Giorgio Federico Gallar
Dona Rosa Géraldine Chauvet
Di Cosimo Gregorio González
Marios Vater Gabriel Lautaro Osuna
Cura Alexander Kaimbacher

ウィーンに戻って3公演、スカラのワルキューレの後では全部オマケのようなもの、それも仕方なし。
ちょっと待った!?とんでもない!
この日はドミンゴさま!
オマケだなんて失礼すぎるでしょ!

「イル・ポスティーノ」はメキシコの現代作曲家ダニエル・カタンの作品で今年9月ドミンゴが総監督を勤めるロスアンゼルス・オペラでワールド・プレミエだった公演です。
アン・デア・ウィーンとパリのシャトレ座との共同制作なので、今後シャトレ座でも上演予定があります。

あらすじについてはWikiでどうぞ。

アントニオ・スカルメタの小説と1994年制作ラドフォード監督作品の映画をもとに制作されたオペラですが、「イル・ポスティーノ」というタイトルなので、イタリア語のオペラかと思っていたらスペイン語でした。

メキシコ人作曲家のカタンが台本も自身で制作したそうですから当然といえば当然です。
映画はイタリア映画でイタリア語、元の小説はチリが舞台のスペイン語です。
詩人ネルーダがイタリアのカプリ島に亡命していた時期を題材にして映画は製作されました。

例によって予習といってもあらすじを調べ、映画がU-tubeで見ることができたので、最初の部分を見たくらいですが、少しでも見ておいて良かったです。
本当は全部通しで映画を見ておく時間があれば良かったのですが・・・。
見た範囲、冒頭部分は映画とほぼ同じ展開のようでした。

現代作品ではありますが、とても心地よく聴きやすい映画音楽かミュージカルのようで、部分的に劇的な抑揚のある音楽です。
アリア、重唱もありますが、メロディーをつけてセリフを言っているようなレチタティーボが多く、オペラではありますが、演劇的要素が多い作品だと思いました。

舞台全体がいかにもイタリア南部の島らしい色合いです。
1950年代の穏やかで素朴でノスタルジックな雰囲気が音楽と重なって心がなごみます。
途中透けるスクリーンを使って嵐の海を映し出し、舞台上の小船と重ねたり、なかなか良くできた演出です。

ただ心地よいメロディーとセリフのようなレチタティーボが結構長く続くので、途中ちょっとマッタリ、ボーっとしてきてしまいました^^;

今回の席は最上階、斜めサイド一列目だったのですが、ボーっ・・・の原因は字幕と音響にもあります。
字幕は日本の劇場で良くありますが、舞台横の両側に表示されます。
日本語のように縦書きのわけはありませんから、小さなスペースに2行で表示されるので、小さくて読めず、オペラグラスを使って読んでいると舞台を見ることが出来ません^^;
どうせドイツ語なので字幕は諦めました。
でもセリフのように歌われる部分が多いので少しでも分かったらボーっとすることもなかったかも?
アン・デア・ウィーン劇場は初めてですが、チューリッヒより更に一回り小さいクラシカルな劇場です。
小さいのでPAなど使っているわけはないのですが、最上階の音がまるでマイクを使っているように響きます。
以前から[猫]は生の音を聴くというより響きを聴いている感覚の最上階の音響は耳が疲れてボーっとしてくると思いはじめていたのですが、ここはちょっと苦手な音響でした。
だったら始めから下の席を購入しておけば良いじゃないか・・・という話ではあるのですが、今回も残り一席を購入したので、ノーチョイス。
それに他の席があったとしても、冬場のヨーロッパは天候不良でいつどこで旅程が変わるか分からないので、あまり高額な席は取る気になれません。

ドミンゴ先生については格が違うとしか言いようがありませんでした。
チリの国民的英雄、ノーベル賞受賞している詩人ネルーダですから、役柄的にもドミンゴ先生はピッタリ。
艶と張りのある声と存在感は圧倒的なものがあって、この公演の要なのは間違いないことです。

もう一人の主役ともいえる郵便配達人、マリオ・・・タイトル・ロールですから彼が主役ともいえますが・・・この役は歌が上手いかどうかはそれほど問題ではないような気がしました。
ロザーノは素朴で純粋な田舎の青年そのもの・・・・フツーであることが共感を呼びます。

途中ボーッとしても^^;、最後は胸にジーンとくる公演で、カーテンコールは大変な盛り上がりでした。


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keyaki

ドミンゴがスペイン語のオペラを普及させようとしている....みたいな(タイトルから想像しただけで内容は読んでないんですけど)記事がありましたが、これがスペイン語だったんですか.....
映画がイタリア語で、場所がシチリアですから、原作がスペイン語でもオペラにするならイタリア語だと思ってました。
映画は評判に....というかポスティーノに素人を起用したとかで....評判になった映画で見ていますが、映画としても地味なもので、これをオペラにしてどうなの?と思いますけどね。
ネルダはテノールの役? ポスティーノは?
これってオペラ? サルスエラ? ミュージカル?
by keyaki (2010-12-26 12:54) 

kametaro07

keyaki さま
>ドミンゴがスペイン語のオペラを普及させようとしている
私もその記事を目にしたことはあったのですが、このオペラもその一環で、作曲家のカタンも同様の意向があって一緒に・・・ということなのでしょう。
私もてっきりイタリア語だと思っていました。
ポスティーノはテノールです。
ネルダはドミンゴが歌っているとテノールの役に思ってしまうのですが、バリトンの役だと思います。
映画はたしかに地味ですが、オペラの舞台は明るい南イタリアの雰囲気です。
二人の心の交流といったことが焦点ですから、字幕が読めたほうが良かったのですが・・・。
でも演出が上手なので最後はジーンときます。

>これってオペラ? サルスエラ? ミュージカル?
アリアや重唱もあってオペラなのでしょうが、ミュージカル仕立てにもできそうです。
サルスエラはちょっと聴いたことがないので、なんとも?

by kametaro07 (2010-12-26 23:47) 

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