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ラインの黄金 [METライブビューイング]

Production: Robert Lepage
Set Designer: Carl Fillion
Costume Designer: François St-Aubin

Conductor: James Levine
Freia: Wendy Bryn Harmer
Fricka: Stephanie Blythe
Erda: Patricia Bardon
Loge: Richard Croft
Mime: Gerhard Siegel
Wotan: Bryn Terfel
Alberich: Eric Owens
Fasolt: Franz-Josef Selig
Fafner: Hans-Peter König

45トンのセット・・・舞台まで補強の必要があったとか・・・・。
この巨大南京玉簾・・・・これは構造が違いますね^^;・・・巨大電動スノコみたいなのはなんと言ったら良いか・・・・微妙・・・。

確かにラインの乙女達が水の中で戯れている様子、階段状に変化する不思議な空間、最後の虹の橋も印象的で、METでしか味わえないであろうスケールの大きさがあります。
でも臆病者、心配性の[猫]はあれが壊れて落ちてきたらどーするの・・・あの下で演技したり歌ったりなんて嫌だなーなんて要らぬことを考えてしまいました^^;もちろん安全性はしっかり確保されているのでしょうが・・・。
今後リングを通して使用されるそうなので他の作品でどんな変化を見せるか?期待しましょう。
ある意味エコなセットかもしれませんが、元が取れるのか?
これを保管しておく場所があるというのアメリカMETならではです。

レヴァイン指揮の演奏は緊張感を保ち、さすがという面はあったのですが、歌手の人達が全体的にお行儀良い、真面目な印象・・・。

そんな中、ミーメ役のジーゲルとファーゾルト役のゼーリヒは一味も二味も違った表現力です。
観る前にどの役をドイツ人が歌っているか確認しませんでしたが、この二人は明らかに違うのですぐわかります。
やはり母国語がドイツ語というのは、言葉一つ一つに自然に感情がこもり、説得力のある歌い方になり、演技も細かなニュアンスまで伝えることができるのでしょう。
二人とも上手に歌っているということ以上に、ファーゾルト、ミーメがいると思わせてくれるのです。

この二人が登場したことで、他の人達が歌の内容に沿った演技、表情をしていても物足りなさがあることをはっきりと意識してしまいました。
歌全体の意味は理解して感情を込めて歌っているのですが、ワグナーの楽劇というより、他の歌劇のよう・・・。

これは主要登場人物がドイツ人で固められたスカラの「ラインの黄金」と大きく異なるところで・・・実演とライブビューイングでは印象が違うのは当たり前で安易に比較することはできないのですが、ライブビューイングのようにアップが多いとその物足りなさがより鮮明にわかってしまいます。

ただ一人、ドイツ人じゃなくてはダメということは決してないということを証明したのはブライズです。
[猫]が5月に観たスカラのゾッフェルのフリッカよりずっと表現力があり、ゾッフェルがスカラでブーイングをもらってしまったのも仕方ないかも・・・と思えてしまいました。

他3人の主要登場人物アルベリヒ、ローゲ、ヴォータンはワーグナーの楽劇の雰囲気ではなかった。

アルブレヒのオーウェンズはまだ若いようなので、ベテランのクレンツルのような姑息で凄みのあるアルブレヒを要求するのは酷というものですが、今後ワグナーを歌っていくとすれば、その辺が課題となるのでしょう。

ローゲ役のクロフトは上から吊られて体を斜めにしながら長い間歌わなくてはいけないので、かなり消耗するのではないでしょうか?汗だくの表情ですごく頑張っていたと思います。
しかしカーテンコールでのブーイングは厳しい・・・ライブビューイングでは歌手の声を良くひろいますから、実際の劇場でどう響くかというのは分かりませんが・・・・。

ヴォータンのターフェルはもっと剛胆なヴォータンかな?と勝手に想像していたのですが、意外と大人しい・・・・威厳を出したかったのか?
「ワルキューレ」を楽しみにしましょう。

ヴォイトがブリュンヒルデのロールデビューだそうですし・・・。
でも「ワルキューレ」のライブビューングは5,000円て・・・[猫]はちょっと値段の下がるアンコール上映にしようかなーんて考えちゃってるわけ・・・セコイ^^;


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コメント 8

galahad

45トンのセット、実際に見たら圧倒されるだろーなーと思いました。
上のほうはすごい高さになっているでしょうから、ラインの乙女たちがあそこでよく歌えているなと感心しました。
ヴォータンが意外と小粒なかんじだったのはたしかに意外でした。
でもかわいいな~、なんてアップも楽しく見てしまいました。
新リングはキャストが新鮮ってことも売りみたいですね。 
実演と映像では比較にならないかもですが、とりあえず新しいリング比べができるのでスカラのほうも楽しみです。 でもヴォータンのスーツはやだ!
by galahad (2010-11-09 21:32) 

kametaro07

galahadさま
>45トンのセット
それは実際見たら圧倒されるでしょうねー。
当たり前ですが、100キロの体重の人450人分ですよ・・・・。
仰るように上も高くて怖そうですが、エルダのように下で歌うのも怖いでしょ^^;
>ヴォータンが意外と小粒・・・でもかわいいな~、
galahadさんとは趣味が一致することも多いですが、ヴォータンがかわいい???という域までは至りませんでした^^;
>ヴォータンのスーツはやだ!
そうなんですよね~~~。
「ワルキューレ」でも金持ち実業家みたいな格好で出てきちゃうのかな~~~???
うっとおしいダンサー達も登場するのか?
キャストにダンサーの名前が載っているので、少なくともダンスはあるのですが、「ラインの黄金」みたいにぞろぞろと登場してくるのか?
はてさて・・・・お楽しみに・・・・。
by kametaro07 (2010-11-09 23:29) 

ゆみゆみ

玉簾   名言です。私は板にしか見えませんでした。
でも、とっても楽しめました。初心者向きです。
1人1人の役が始めてはっきりしました。

今悩んでいます。「ボリス」へ行くべきか・・・。
流石メトと唸った公演のあとです。しかし、貴重な日曜日の5時間を費やすのか、この知らないオペラに。寝ちゃわないかしら?
お薦めですか、この演目?
そうですよね、御贔屓が出ているんですから^^。
by ゆみゆみ (2010-11-10 10:47) 

kametaro07

ゆみゆみさま
ご安心ください。
ボリスの上映時間は5時間ではなく4時間25分です。
最初の発表にミスがあったようです。
>そうですよね、御贔屓が出ているんですから^^。
その通り・・・他の人に聞きましょう^^;
でもいろいろ版があって、今回の公演は滅多に上演される版ではないそうですから、観ておいて損はないと思います。
by kametaro07 (2010-11-10 11:59) 

euridice

こんにちは
映画館上映されるようになったせいか、TV放送、なかなかなさそうですね。ローゲ役、リチャード・クロフトなんですね。ほとんど忘れてましたけど、懐かしい名前です。

テーマずれですけど、TBします。
by euridice (2010-11-11 21:48) 

kametaro07

euridice さま
今月末に昨年のライブビューイングが放送予定ですから、1年遅れくらいでTVで見れる可能性はあります。
全部は放映されないでしょうが「ラインの黄金」「ワルキューレ」は両方放映されるといいですね。
クロフト兄弟が出演ということでライブビューイング内でも話題になってました。
私はどちらがお兄さんかも知りません^^;
見た感じはドンナー役のクロフトの方がお兄さんに見えましたが・・・。
TBありがとうございます。
by kametaro07 (2010-11-14 09:21) 

euridice

>クロフト兄弟
どっちが兄なんでしょうか。私も知りません。それに、バリトン氏のほうは映像でも見たことがないような気がします。

いずれにしても、リチャード・クロフト、まだ活躍中でよかったです。
by euridice (2010-11-14 21:15) 

kametaro07

euridiceさま
しばらくネットの接続状況の悪いところにいたので、今日ようやくY-tubeを拝見することができました。
クロフトが違う人に見えるくらい若いです。1993年の作品ですから当たり前ですが・・・^^;
やはりローゲはちょっと違いますね。
by kametaro07 (2010-11-16 13:20) 

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