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チェネレントラ [METライブビューイング]

La Cenerentola / Gioachino Rossini

Conductor ・・・・・・・Maurizio Benini
Production・・・・・・・ Cesare Lievi

Angelina・・・・・・・・・ Elina Garanca
Clorinda・・・・・・・・・・ Rachelie Durkin
Tisbe・・・・・・・・・・・・ Patricia Risley
Don Ramiro・・・・・・・ Lawrence Brownlee
Dandini ・・・・・・・・・・Simone Alberghini
Don Magnifico・・・・・Alessandro Corbelli
Alidoro ・・・・・・・・・・・John Relyee

 ガランチャは聴いてみたいと思いながら、今まで機会がありませんでした。このライブビューイングももっと早く見たかったのですが、最終日ようやく見に行くことができました。

 出演者一人一人の個性が輝く、素敵なファンタジックコメディーで、今シーズン見たMETライブビューイング4作品の中で一番バランスのとれた秀作に思えました。

 演出はシンプルですが、まるでポップアップ絵本のような舞台背景とセットだと感じる場面もあって、出演者が全員、お互い絶妙に絡み合いながら、ディズニーアニメをイメージさせる夢のある作品になっています。

 なんといってもキラキラと輝いていたのはガランチャ。その姿はまさにディズニーアニメのシンデレラ!!!
装飾歌唱は少しマッタリとしたおおらかさを感じるものでしたが、このお話の主人公の心の広さと重なって、美しく、心地よく響きました。
 しかしインタビューで「チェネレントラ」は歌わないことになるとのこと、自分自身をクールに分析していて、ガランチャってカッコイイ!!

 王子様のブラウンリーは、時々コメントをいただく蘭丸さんから上手な人だと伺ってましたが、納得です。来シーズン、スカラ座の「セビリアの理髪師」でフローレスとダブルキャストですが、理解できる実力だと思いました。
 歌唱はまさに王子です。背はガランチャより低いのですが、そんなアンバランスなところも二人が見つめ合っていると微笑ましく、ファンタジーなのです。
 
 シンデレラの魔法使いの役割りは「チェネレントラ」ではアリドーロ。 なんじゃこりゃ??の天使姿もファンタジック!!ちょっと怪しい?雰囲気のレリエーは魅力的な声で、他のキャラクターとは距離をおき事の成り行きを楽しんでいるような?とっても不思議な存在です。

 意地悪父さんのコルベリは「連隊の娘」にも出演してましたが、今回も見事な職人技とも言える演技と歌唱。

 二人の意地悪姉さん達もハマリすぎのキャラで笑いのツボをおさえてます。
 
 この作品のキーパーソンとも思えたのが「チェネレントラ」オリジナルの登場人物ダンディーニ役のアルベルギーニです。汗だくの熱演でしたが、実にイイ味を出しているのです。この役はロッシーニ自身だと思って演技しているとコメントしてましたが、なるほど!!・・・・深イイーーー!!

 ベニーニですが、昨年1月に見たROHの「椿姫」で指揮を執っていた人です。この時の印象はあまり残っていません。今回、ちょっと部分的にマッタリ?と感じたところもありましたが、これだけ出演者達がそれぞれの魅力を発揮して、全体的にもバランスのとれた作品となっているのはベニーニ指揮の演奏が良かったからかな?と思うのです。

 
 しかしガランチャ、この役を歌わないって、フローレスのマントヴァ公みたい・・・。歌わないって言われるとすごく生で聴きたくなってしまいます。[猫]は限定品に弱いのであります。
 おそらく来年1月2月、パリのシャンゼリゼ劇場で歌うのを最後としているのでしょう。

 どうする?[猫]どうする?
 この次期、ヨーロッパでは[猫]注目作品がめじろ押し・・・・考えたって、休みが取れなきゃ行かれないのですが・・・・仕事ヤメタル!?!?・・・・夢・・夢であります・・・・。


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コメント 6

蘭丸

ブラウンリーを気に入っていただいてなによりです。何かの記事で読みましたが彼はシアトルオペラの総監督に黒人テノールにはオペラの世界では沢山ハードルがあると警告を受けたのですが実力でMETやスカラ座で主役級を与えられて凄い歌手だなと思います。仰る通り背が低いのが難点ですが。。。

自分は今回のライブ・ビューイングでガランチャファンになった一人なので西海岸で聴く機会があれば遠征したいと思います。

>アルベルギーニ
彼は喜劇役者として素晴らしい味をだしてると思います。幸い2006年にムスタファ(アルジェのイタリヤ女)を観たときに楽しんだのを覚えています。来年はフォード(ファルスタッフ)を聴くので今から楽しみです。
by 蘭丸 (2009-06-08 14:34) 

kametaro07

蘭丸さま
>黒人テノールにはオペラの世界では沢山ハードルがある
これは東洋人にも感じたことがありますが、そんな中、ヨーロッパでも着実に実績を残しつつあって、仰るとおり凄い人だと思います。

ガランチャのスケジュールを見ると今年はMETでホフマン。ヴィリャゾンが喉の手術のため、今年いっぱい全てのスケジュールをキャンセルしたので出演しないのは残念ですが、それでもなお注目作品です。
来年は8月ー10月サンフランシスコで「ウェルテル」に出演予定のようですよ。
ヨーロッパで既に引っ張りだこでアメリカは年1回しか行けないようですね。

by kametaro07 (2009-06-08 21:09) 

ゆみゆみ

「スカラ」が帰って、何だか寂しいですね。
こうなれば、ビユーイングへと考えてしまいます。
「どれに行こうかな!!」
日本にいながら、こちらもなかなか厳しいです。

先ずは「チェネレントラ」。英会話をお休みして行くしかありません。
(先生御免なさい)
次に「セビリア」・「3部作」・「オネーギン」が1日で見れちゃう日。
しかし、職場の人に1日閉じこもるのは、不健康だと言われてしまいました。そうかもしれません。料金も馬鹿になりません。
カメタロウさんは何をご覧になりますか?
私が、今回見たいものは殆どご覧になっていますね。
コメントを拝見しながら、楽しみたいと思います。
(でも、銀座は、お泊りで行きたい程遠いです^^。)


by ゆみゆみ (2009-09-20 07:46) 

kametaro07

ゆみゆみさま
アンコール上映、すでに2作品見ましたが、あと「3部作」と「セビリア」を考えてます。
「セビリア」はMET PLAYERで見ましたが、やはり大画面で見たい!!!
ご存知かと思いますが、4演目ご覧になるのでしたらセット鑑賞券がお得です。
by kametaro07 (2009-09-21 20:34) 

ゆみゆみ

前半だけですが「チェネレントラ」へ行きました。
いや~~素晴らしいですね。ガランチャは。
歌う時に顔のこの辺に声を当てる・・・、体のこのラインを通して・・。多くの歌手はそんな癖を持つ人があるのですが、全く自然に声が出てくるのは見事です。だから、あの美しい顔に現れる様々な表情がこちらに伝わって本当に楽しい。
ジョン様は、相変わらず素晴らしい声ですね。彼とガランチャの組み合わせで何か一本できないでしょうか?美男美女で素敵です。
私は、ブラウンリーが好きです。人間味のある暖かい声です。

2月にパリ→ミラノしてくださ~~~い。私は直ぐにカレンダーをチェックしましたが、2/11の祝日があるので、行けない。又悔しい。やはり日本人を辞める   のスパイラルでございます。
by ゆみゆみ (2009-10-03 21:40) 

kametaro07

ゆみゆみさま
>2月にパリ→ミラノしてくださ~~~い
それは行きたいのは山脈・・・ヤマヤマですが・・・どうなりますか?
ガランチャは2010年は「カルメン」三昧、2011年は「アンナ・ボレーナ」のジョバンナ役がバルセロナとウィーンで予定されてるようです。
レリエーとは二人とも背が高くてお似合いですが、レパートリーがどうなんでしょうね?
by kametaro07 (2009-10-03 22:07) 

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